今日行われた将棋王位戦挑戦者決定戦は渡辺明が斎藤慎太郎に快勝し、昨年名人戦以来のタイトル戦登場となった。この経歴豊かな棋士にして本棋戦挑戦は初。王位戦は結構、登場者が偏るところがあるのか、永世名人の森内はもとより永瀬も番勝負登場ない。(他に主だったところだと佐藤天彦、丸山忠久、稲葉、糸谷とか)

 

 ご本人も局後のインタビューで様々な感慨を催している。

 

 

 今日の将棋は双方目立った疑問手はないものの、渡辺が気持ちよく攻め落とした、というところ。1図の飛車切りは爽やか。△2九飛を食っても大丈夫という判断はなかなかできるものではない。

 

 

 斎藤も△6六歩と先手玉のコビンを開けてあやを求めたが、後手玉が弱すぎて、存分な抵抗はできなかった。

 

 番勝負の展望だが、普通に考えれば4-1で藤井防衛、渡辺に2番は入らない・・・これがデフォルトだろう。この両者の番勝負は、スコアはともかく最初と2回目の棋聖戦は充実した内容で観戦の甲斐があったが、その後は藤井に内容も傾くようになった。他方、今期の叡王戦、名人戦はスコアはともかく挑戦者は予想以上の健闘振りで観戦側を熱くさせてくれる。

 

 王位戦七番勝負までまだ1か月以上の猶予があるので、渡辺にはとことんの作戦準備、対策検討、強化をお願いしたい。仲の良い棋士が恐らくは参謀に入るだろうから、少なくとも中盤までのリード確保策を講じてほしいものである。