昨日の将棋王位戦最終戦一斉対局。羽生が敗退する少し前、紅組の1敗対決は決着がついていて、斎藤が藤本に快勝していた。A級棋士を薙ぎ倒してここまで来た藤本、ついに敗退。王座戦本戦1回戦で鈴木大介にも敗れていて、不調とか研究されたとかいうつもりはないが、対戦相手がそれなりに強くなっているか。

 

 昨日の両者の対戦についていえば、斎藤が凄く強かった.A級から思いもよらぬ降級の憂き目に遭ったが、竜王戦で勝ち進み、続いて王位戦も挑戦者決定戦進出か。復調といっていいのでは。指し手でいえば、 9筋突破を許してなお指せると判断できるところが素晴らしい。いや、トッププロなら当然よ、と言われればそれまでだが、こういう思考の柔軟さはアマでも見習いたいもの。飛車先を重くしている角さえ交換に持ち込めば、後手玉の堅さが活きる・・・成香は大した活躍が見込めないが、後手の7三桂は中央戦線への投入可能なので形勢は悪くないはず・・・言語化するとこういうことだろうか。

 

 2図の継歩。アマが歩の使い方を学ぶ際には必ず出てくるのではあるが、プロの将棋で継歩からの垂れ歩が決まることは少ない。当たりがこないので、当然手抜かれ、速度負けの懸念があるのだ。この種の手筋が決まるのは飛車が後ろにいて、継歩の先、この局面だと2三に犠打を叩き込めるような場合だろうか。2筋単騎の攻めだとどうしても迫力がない。距離を見切られやすいのである。

 

 3図の自陣角がトドメ。飛車のぶつけ、6筋攻撃の後詰と効用が大きい。まずは鮮やかでした。

 

 

 これで藤本は当面竜王戦で勝ち抜くしか至近で大きな実績を上げる機会がなくなった。6組決勝は両対局者の合計年齢では間違いなく将棋史で最小。熱戦期待値は最高レベル。先には藤井聡太が待っている。。。(勝手に盛り上げています) 私は相当に緻密に観戦するつもりだ。