アカデミー賞7部門ノミネートということで、NETFLIXで視聴。副題の「愛と音楽」の比率が気になったのだが、8割が「愛」だった。映画COMの評価点は3.7、私の評価は5.5/10。もう少し音楽を突き詰めてほしかった。 

 概要はこう。
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「アリー スター誕生」で監督としても高く評価された俳優ブラッドリー・クーパーの長編監督第2作で、「ウエスト・サイド物語」の音楽などで知られる世界的指揮者・作曲家レナード・バーンスタインと女優・ピアニストのフェリシア・モンテアレグレ・コーン・バーンスタインがともに歩んだ激動の人生と情熱的な愛の物語を、バーンスタインの雄大で美しい音楽とともに描いた伝記ドラマ。

クーパーがレナードの若き日々から老年期までを自ら演じ、「プロミシング・ヤング・ウーマン」のキャリー・マリガンがフェリシア役を務める。共演はドラマ「ホワイトカラー」のマット・ボマー、ドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のマヤ・ホーク。クーパー監督と「スポットライト 世紀のスクープ」のジョシュ・シンガーが脚本を手がけ、製作にはマーティン・スコセッシ、スティーブン・スピルバーグが名を連ねる。
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 夫婦間の葛藤と回帰の物語として見ればよいのだろうが、であればバーンスタイン夫妻である必要もないし、視聴者はやはり音楽故にこの映画を視聴すると思うので、音楽の露出の低さはどうも気になる。ウエストサイド物語は言及されない。カラヤンをはじめとして同時代の偉大な演奏家、指揮者との絡みもなし。イーリー大聖堂のコンサートはカバーされているし、最終盤の指揮の指導のシーンもいいのだが、バーンスタインが音楽にどういう世界を見ていたのかはついに描写されない。妻のマリガンが「普通の人を見下ろしている」と批判するシーンがあるが、音楽サイドの描写が少ないので唐突感がある。 

 絶賛するレビューも多く目にしたのだが、音学系の映画であれば定跡として公演シーン、練習シーン、覚醒シーンがあるべきだろうと、凡夫は思いました。

 


 夫婦間の情動については、とても丁寧に描写されているのだが、中盤の亀裂が深まる下りは正直、辛いです。あと彼が同性愛志向があったのは承知していても、そのシーン描写への視聴者側の需要があるとも私は思わないので、監督や製作側の世界線とは私は合わないのだろう。愛がメインテーマであれば、「容疑者Xの献身」くらい突き詰めたものが欲しいです。。。

 

 やはり音楽描写をもっともっと増やしてほしかった。どういう風にインスピレーションを得、先人や同時代の音楽家との絡みとか高みに上るプロセスとかがみたかったのが正直なところだ。

 

 付け加えれば、演者達のパフォーマンスは遺憾なく。さらにいえば、マリガンが主役なのかな(クレジットもトップでしたよ)、とも思った。