今日の将棋名人戦第4局は渡辺が急所で判断ミスを犯し、形勢が一気に藤井に傾き、そのまま押し切った。終局16時45分と非常に早い時間帯でコクも何もあったものでもなく、残念な内容であった。次局は5月31日(水)から6月1日(木)にかけて、長野県上高井郡高山村山田温泉の「緑霞山宿 藤井荘」ということ。藤井荘ですか。。。もうすっかりフラグが立っていますやん。

 この旅館はエリア最高。。羨ましいです。隣接する奥志賀高原で夏休みやスキー休みをしていた時に私なりに張り込むレベルのホテルのさらに数倍の宿泊費。最上の対局環境でしょうね。
 

 

 さて、将棋の方。

 

 封じ手局面で藤井はやはり▲7七桂と△8八歩を利かしにしない判断。▲同角推しのプロ達は桂馬交換後の再度の△6五桂を警戒していたようだが、後手の攻めはやや軽いので、受け止められそうとみるのが普通の感覚だろうか。藤井が精査して▲7七桂としたところで、感覚の一致(アマはもちろん藤井やAIのようには読めないので、感覚をできるだけ近似させるように心がけるのがよい練習になるはずだ)を喜んだファンは多いのではないか。

 問題は精算後の△6五桂▲8八銀の時の△8六角。

 

 

 これも普通の人であれば△9六香▲同香△8六飛が銀香取りで駒損回復かつ飛車の横活用の目途が立つのでまずまずかな、と判断しそうなところ。王手で角が出られる点を渡辺は評価したのかもしれないが、飛車が下にいるまま先手の8筋の歩を取ってしまったため、先手からの8筋の歩の叩きが生じた。これが非常に痛い。

 

 

 

 後手の香車は代償なしに奪われそうであり、切り札のはずの△4五歩は▲3七銀で飛車角交換にしかならず、奪った飛車の有効活用ができるような状況でもない。先手玉は金銀三枚の囲いの中にいる。後手の飛車は抑え込まれそうである。。。評価できる材料がいきなりなくなった渡辺は途方に暮れただろう。午後は見せ場もなくあっさりと押し切られた。

 ここから渡辺が3連勝する可能性は1%以下か? (現時点で一局の藤井、渡辺のレーティングの基づく渡辺勝利期待値は22%。三乗すると1%になる) 最年少名人兼七冠は既定路線であろう。6月1日は号外が出るのもまず間違いない。この日が平日なのが何とも惜しいのだが、そこは堪えて新名人誕生の瞬間を待つことにしよう。