4月3日に発表になっていた将棋大賞の選考結果はこの通り。※取り上げるのが遅れてしまいました。

最優秀棋士賞      藤井聡太竜王(3)
優秀棋士賞          渡辺明名人(9)
敢闘賞   羽生善治九段(3)
新人賞   服部慎一郎五段(初)
最多対局賞          服部慎一郎五段 68対局(初)
最多勝利賞          藤井聡太竜王 53勝(5)
勝率一位賞          藤井聡太竜王 53勝11敗 0.828(5)
連勝賞   渡辺和史六段 18連勝 (2022/10/11〜2023/2/21)(2) 
最優秀女流棋士賞             里見香奈女流五冠(8年連続13回目)
優秀女流棋士賞  西山朋佳女流三冠(2)
女流最多対局賞  西山朋佳女流三冠 65局(初)
東京将棋記者会賞             田中寅彦九段、中田宏樹九段
升田幸三賞          嬉野宏明氏(嬉野流)
名局賞   第72期ALSOK杯王将戦第2局 藤井聡太王将VS羽生善治九段
女流名局賞          第12期リコー杯女流王座戦第5局 里見香奈女流王座VS加藤桃子女流三段
名局賞 特別賞    第16回朝日杯将棋オープン戦本戦 藤井聡太竜王—増田康宏六段

 この賞、ここまで一極集中が進んでしまうと、大賞選考の会合も儀式でしかない。皆が承知しきった結果の再確認くらいの意味合いだろう。目を惹くのは升田幸三賞、名局賞3選だけか。嬉野流を個人で採用したことがないので何とも言い難い。名局賞の王将戦第2局は『そういう発想かぁ』(=こういうスレスレが好きなのかな:以前2010年の王将戦での久保の連続限定合い駒3連発の将棋も評価が高かったが、私は単品料理のように思えてそこまで評価しなかったことを思い出す)というところ。将棋の内容だけをいえば、棋聖戦の△9七銀のある五番勝負第2局の方がよかったと思うが、カード(藤井—羽生)プレミアムもあるのだろうか。選考局については終盤の藤井のラッシュへの対応がドキドキするのはそうだろうな、とは思うが、ねじり合いを好む向きにはそこまで受けないかもしれない。朝日杯の藤井—増田が特別賞に回るのか・・・というのもあるが、顕彰されたよかったなぁ、と喜んではいます。


 序列1位棋士なのに記録部門でも最高勝率受賞の不思議さは、将棋界共通で感じていることで、何のいいようもない。本当に駒落ち戦を発足させてほしいものです。藤井八冠(もうすぐそうなる)にトップ棋士が挑戦!みたいなフレーズでAbemaで企画すれば、相当なPVをとれそうだ。

  ついでに。昨日、囲碁の本因坊戦のランク落ち、七番勝負・リーグ戦⇒五番勝負・トーナメント戦への変更が発表された。

 

 

 

 伝統ある大名跡がこういう処遇か。。。毎日新聞の業績の悪さ(自ら招いたものでもある)を勘案すればやむなしだが、ネットへの露出拡大による協賛企業募集等手を尽くしたのだろうか? 将棋大賞の選考は将棋担当記者の協議によるものだが、裾野の拡大に資するように投票権をネット視聴者への拡大を図り、上記のような大賞表彰項目に限らず普及に特に強い棋士も顕彰するようにする等、施策を練ってほしいものだ。