今日は大阪女子国際マラソンの日。前田、一山が出走/長居公園周回コース(超フラット)/男子ペーサー付き・・・と条件が整い、天気予報もまずは良さそう(ほぼ無風と思われた)こともあり、日本最高更新への期待感が強く、『これは観戦しなくては!』と定時にはテレビ前に座る。気合付けに午前中に30キロを私自身も走っておいた。

 

 前田、一山以外の有力どころとなると岩出くらいか。。。まぁ、この2人にはついてこれないだろうな・・・とはまずは予想できる。テレビの中継体制もかなりの豪華さで、増田、高橋、野口、有森、千葉、渋井(こちらはYoutubeだが)を動員、『なんとか日本最高更新して!』との圧力を感じさせる。

 

 川内を含むペーサーは最高記録更新のキロ3:18を指示されているということで、スタート直後からここに入り込んだのはやはり予想通りの2人のみ。他の選手は自己のペースを維持する。まずは賢明だろう。今年度はレースでの凌ぎ合いを十分重ねていないのだから、ここは男子ペーサーの恩恵を受けつつ、タイム更新を狙える高速レース経験値を積む・・・という発想でもいいか。トップ10の内の6人がPB更新ということで、成果はあったように思う。

 

 コースを観ていると、スペシャルドリンクを周回コースであるがゆえに補給しやすいことに気が付く。(1回ミスっても、2.8キロ後には再度テイクできる) また、防風壁になるようなシートがコース周辺に設置されている。これだけでも公道レースとは違って走りやすさになっているはず。応援のなさは指摘されるが、ボランティアが応援をしていたようだし、ペーサーからの叱咤激励が結構あったようだから、ランナーは心強かったのではないか。そもそもペーサーが42キロまでついてくれるレースというものを私は初めてみた。

 

 いわば超過保護モードのレースだったのだが、一山、前田を以てしても、コロナの中ではコンディションを作り切れなかったか、高橋、渋井、野口がベルリンで日本最高を更新し続けていた2000年代前半が異常すぎるのか、中盤から徐々に前田が後退し、一山も設定ペースは維持できなくなった。それでも二人とも、足を残しつつ距離を踏んでいったので、こちらもまずまずの成果と思う。

 

 フォームを観ていると、前田の方が理に適っているように感じるのだが(前傾、足の跳ね上げ、腕振り・・・教科書みたい)、基礎スピードが違うのか一山の方が高速レースへの適性があるか? やや反り腰気味なのが少しだけ気になるのだが、この人の場合、低い身長にもかかわらず、足の運びがとても柔らかくて、日本人離れしている。昨年の名古屋で日本代表になったレースでも書いたが、アフリカ系を彷彿させる身体の使い方である。周回遅れが頻発したので、双方の走りを見比べると、やはり速いだけのことはあると納得できた。(いや、遅れた方も余裕でサブ3で私から見れば女神のレベルなんですが)

 

 大阪国際女子の大会としての立ち位置が今後は微妙・・・という記事も読んだが、どうなるか? 大阪マラソンを世界大会選考レースにすればそちらの方が盛り上がることは間違いないが、今日のような超過保護モードレースで高速ペースを女子選手に体感させるメリットもあると思う。そもそも従来のような大会開催が可能なのか危惧がある中、一つの可能性を提示した点も評価できる。とにかく大会開催にこぎつけた関係者にはありがとうといいたい。