昨日は棋王戦の大きな勝負を広瀬があっさりものにしたが、同じ日、将棋会館の隣の部屋では竜王戦を戦っている羽生のA級順位戦があった。こちらは深夜1時を過ぎる激闘だったが、羽生は佐藤康光を振り切り、1敗を維持。佐藤康光は3敗目で、流石にここから豊島に追いつくのはないでしょう。。。負けながらも力量は存分に示してはいた・・・惜しいな。

 

 10時に対局が始まり、棋譜がPCに現れる。3手目▲5六歩と出て、『???』 羽生、当然、角交換をして角を打ち込む。(1図) この指し方は昭和年間には見られたが、馬のパワーが強くて先手が勝ちにくいという判断が定着しているはず。。私自身、大学時代に何度かされたことはあるが、間違いなく1度も負けたことがない。作戦選択の理屈が分からなかったが、実況欄にはここ2年で2回、彼はこの指し方を採用して2勝しているとのこと。棋譜をチェックしてみると、2016、17年度の日本シリーズの対森内、対三浦で投入している。

 

 

 普通の発想ならば、馬製造にかかった手数差を利して盤面左側で速攻を仕掛けたいところだが、流石というべきかこの2局ではゆったりと駒組をしていた。本局は別の趣向があったようで、先手玉は中住まいになる。

 

 うーん。。。駒組に主張がないとしか思えないのだが。。。これ、9筋突き越して、玉は7八に置いて、左銀を前線に投入し、入玉含みで戦う方が理屈に適うはず。馬から距離を取る方が得なはず。

 

 

 3図の金をみて、「これはあかん・・・」と寝ることにしたのだが(23時前だったか?)、夜中、目が覚めた時にアクセスしてみると冒頭に書いたように終局は1時過ぎ、手数168・・・3図から90手近く抗戦したのか。。。パワーは変わらず物凄いな、と感じつつも、作戦選択、もう少し小賢しくてもいいのでは、と思ってしまう私は佐藤将棋を分かっていないのかもしれない。。。