ある大会で小学生の女の子と対戦した。

 

 これまで小学生と何回か対戦したことがあるが、ほぼ例外なく筋がものすごく悪く(ついでにいうと態度も「コミュ障? ニート予備軍?」と思わせる雰囲気があることが多い。私は別に子供に当たりが強いわけではないのだが・・・)、一体誰が指導者なんだろう?と思うくらいだったが、彼女は違った。

 

 私が先手で▲2六歩に対しノータイムで△8四歩と返してくるところがなかなかよい。私が飛車先交換をしたところ、彼女は8筋の歩交換をせず、直ちに銀を動員する。この指し方、別の大会でも年配の男性にされたことがあり、私には若干ではあるが経験値がある。銀の進出を阻むため早めの▲7六歩(後手の銀の出動がなければ私は七筋歩突きを保留し引き角にしたいところなので、早くも妥協しているわけだ。)、▲9六歩と手当てしておき、相手の7筋の歩の進出は無視し、右銀を4五~3四に進出させる。(1図) このルートで銀を進出させないと2筋歩交換が緩手になってしまう。

 

 

 恐らくここで角交換して△2二銀としておけばと思うが、彼女は有名な手筋(2図)で有利に立てると思っていたようだ。

 

 以下▲2六飛△2三角に▲5五角が入り、駒損を一部回復できたうえで後手は歩切れ、馬が封じ込められるほどでもなく、相当に先手がいい。惜しかったね。終盤でも勝負手連発で来年の今頃には追い抜かれているかもしれません。