新人王戦3番勝負が菅井六段対大橋三段の間で行われ、後手の大橋三段が圧勝した。しかも14時台の終局。驚いた将棋ファンが大多数なのではないか。

 実力A級の菅井六段の2-0を予想した人が大半だろうが、急所の読み合いは大橋三段が勝っていたようで、そのまま天秤が傾いた。

 実況解説が懇切丁寧なので、付け加えることもないのだが、1図で▲8三歩△同飛▲6一角△8九飛成▲5五銀の強襲が成立しそう、成立しなくてもいくしかないと思えたところ、菅井六段はよもやの▲3八飛の撤退。後手を引いて、相手に桂馬を取られながら竜製造の△8九飛成との取引では辛すぎる。こうなるくらいなら、そもそも角交換を先手から挑むのも理屈に合わない。まぁ、理屈に合わないといえば、5筋を押し込まれるのも変だし、飛車と金だけで攻撃を開始したのも変なのだが。



 たまたまラッキーパンチが当たったのか、大橋三段の力量が本物なのか、第2局以降見定めることになるのだろうが、三段リーグ次点1回の経歴もあり、後者なのではないだろうか。