感想をまとめるのに時間がかかったが棋聖戦第2局について。

 土曜日の開催で観戦に格好とはいいながら、第1局から間が開きすぎて忘却してしまっていた。たまたまこの日はマンションの総会があって、結構出入りが激しかったしっていうのはどうでもいいのだが、どうも電王戦のような集中観戦態勢を取れない。もう普通のタイトル戦だと満足しなくなってしまったのだろうか。

 さて、将棋のほうだが、相矢倉▲1五歩突き越し型から先手が3筋の銀交換で開戦。こういう場合、後手は△2八銀と打ち込んで先手の攻め駒を責めにいくものではないかと思うのだが、そうはならず。森内竜王(後手)は△3六歩と垂らして、△3七歩成~△3六歩~△2四歩と先手の桂馬を責めにいく。

 普通の感覚で言えば、恐ろしく能率の悪い手順である。手順に歩が3六まで進んだならともかく、わざわざ歩を垂らすのか?というところがいかにも無駄だし、桂馬をただですぐに捕まえられるわけでもなくで、私などであれば一秒も読まない。最初に感想戦の概要を見ずに並べたときは、「こんな手順で羽生名人に勝てるわけないじゃん」と私の中では森内竜王の作戦は散々な評価だったのだが、実は真逆というのだから将棋は訳が分からない。



 2図の段階でも先手は5枚の駒で後手玉を攻めており、悪い道理はないと思うのだが。。。




 矢倉入玉型というスペシャルな状況ならではの形勢判断がワークしたということなのだろうか。

 それでも3図で本譜の△同金ではなく正着が△3七歩成と金を見捨てる手であるというのも難しい。いわれてみると△同金だと玉の前方を金と歩が塞いでいてこの瞬間非常に危ない。なるほど・・・なのであるが、正直手に負えんなというところである。