今日のNHK杯戦は女流棋士出場者決定戦だった。今年度の女流棋界の動きを概観し、出だしはいい感じの番組だったが、途中からグダグダになった。といっても、NHKが悪いわけではない。

 番組冒頭で有力女流棋士の顔写真が並び、この人達が予選を戦うのかと思いきや・・・女流6冠中4冠(里見、加藤)が奨励会所属のため、女流棋士枠でのエントリー資格がない。ここでガクっとなるのだが、さらに将棋の内容がよくなかった。

 1図の直前で既に後手の無策ぶりが気になるところだったが、1図の△7五歩をみて、後手必敗を確信した。

せんすぶろぐ

 先手の飛車が6筋にいなくてようやく互角かというところで、ここは解説屋敷九段が指摘していたように△8六歩▲同歩△7三桂と戦線を維持するしかなかった。後は松尾流4枚穴熊まで引っ張ることを楽しみにすれば、まだやりようはあったのではないか?

 それがいきなり△7五歩▲同歩△3五歩▲同歩△7二飛の先制攻撃である。単純に攻め合っても、3二金が浮いていることもあり、勝ち目がないことくらい分かりそうなものだが? ここで私はつまらなくなって眠ってしまったようだ。しばらくして目覚めたところ、後手陣には既に手がついていて、手の施しようがなくなっていた。

 もしかすると、対局の内容がひどすぎるので、女流棋界フィードバックを冒頭に入れたのではないかと思わせる。

 去年の代表者決定戦もひどい内容だったが、女流棋士の実力はほんとうに安定しないものだと感じる。