マイナビＯＰ第２局は中飛車対居飛車穴熊の対決になったが、居飛車穴熊採用の上田さんの勝利。居飛車穴熊党の私としては慶賀。
実況サイトにつなげてみると１図だった。穴熊党としては後手をもってやる気があんまりしないのだが、実戦例はあるとのこと。ここでは四の五の言わずに△４五金と出て、桂馬との交換を挑むものと思うのだが（私の感覚だと美濃側の桂馬とであれば角との交換までは十分つりあう・・・そんな理屈があるかといわれるのは承知した上で、敢えて過去の実戦体験でそういう認識を持っていることを申し上げます。桂馬がどいた後の３七に歩を叩けたり色々と味が広がることを評価しているのです）、上田さんは△６五金。感触が悪い。３二金の浮き駒がたたりそうな予感がする。
これで先手有利だな、と踏んだところで、甲斐さんの指し手がどうも急所を逸れる。２図の▲８二角は控え室のプロ棋士の評判が悪かったようだが、無理もないだろう。紐のついている飛車を狙って角を打つというのは・・・・本譜は飛車がそのまま成ったのであんまり関係ないかもしれないが、そもそも角は金を狙うものではないの？ ３二の浮き駒を意識すれば、角は升目の合計が奇数になるところに置かないと、速やかに射程に入ってくれない。以降、形勢はよれる。
３図の▲３四桂はおいしく切られるのがみえみえなので、疑問手だろうが、代わる手も難しい。飛車を成っても金を埋められるだけで、後手の指し手の付加価値のほうが高い。この段階では形勢は後手に傾いていたのだろう。