火曜日に行われたC2順位戦で、豊島五段が怒濤の8連勝で昇級決定、1敗組の高崎、金井両四段も勝利して、いずれも残り2戦で1勝すればいいという圧倒的に有利な展開、かつ対戦相手の状況を考慮するとほぼ昇級は確定でしょう。

 この3人の将棋を並行観戦していたのですが、主に見ていたのは金井-大内戦。大内九段は敗北=3回目の降級点確定というまさに上げ下げ両方がかかった大一番。かつ、大内九段は私が少年時代の応援対象だった棋士であり、金井四段は今、実は贔屓にしている若手棋士でもあります。大内九段への応援は名人戦挑戦やそれに続く昭和50年度の全盛期(棋王獲得、NHK杯優勝、早指し将棋選手権準優勝、名人戦特別棋戦優勝)がピークで、その後、どうも中原、加藤、米長に勝てないなぁ、という位置づけが確定するにつれ、萎んでしまったのですが、事ここに至ると、やはり気になります。といいつつ、心情は金井シンパで観戦していました。

 序盤は圧倒的に金井よし。機敏な▲4六角で後手の穴熊を阻止し、自分だけ悠々と居飛車穴熊を確定。その気になればビッグ4に移行できる態勢になりました。対する大内九段は左金を左右するだけの付加価値のなさ。「4三金」の期待勝率の低さを知っているだけに、これは早々に金井勝利だな、と踏んでいましたが、全くそうはなりませんでした。



せんすぶろぐ

 中央でぶつかったのは悪くはないと思うのですが、なぜ2図で▲2四歩を入れておかなかったのでしょうか。(本譜はいきなり▲4五歩)


せんすぶろぐ

 全面開戦後に突いたものの、成られても当たりになる駒がないため、当然、後手は手抜き。△5八歩で飛車を2筋に追い飛ばされただけではなく、後手の飛車にきれいに捌かれ落差は明白、大苦戦とみえます。



せんすぶろぐ

 この辺りの実況中継は素晴らしく、大内九段の愛弟子である鈴木八段の心情が歓喜→困惑→嘆きと目まぐるしく変転する余すところなく伝えています。

 最後即詰みを逃したところはともかく、▲7一角成をまともに喫したのはちょっと不用心だったのでは?と思います。逆に勝ちになってからの金井四段の寄せの手堅さは勉強になりますね。。。このまま発展を続けてほしいタイプの棋士です。