萱野稔人(哲学者)

これまで日本はパイが拡大してきたので決めなくてこれた。税収も少なくなる中で、どこかを削らないといけない、初めて何かを決めないといけなくなってきた。


小川仁志(政治哲学者)

民衆の支配が他者の支配になってしまっている。外的な要因として経済の支配など。内的な要因としては、最後は一つにまとまろうという意識が国民にない。共通善が喪失している。


荻上チキさん(評論家)

民主主義という決め方の前に、何を決めたいかという欲望(イシュー)を再確認、可視化から必要。


瀬谷ルミ子さん(日本紛争予防センター事務局長)

紛争を経験した国が求める民主主義は、個人が生き方を選ぶことができる。社会の行く末を決められる。

兵士を武装解除して、市民に戻すという苦渋の決断。

責任も可視化する必要がある。


小川仁志さん(政治哲学者)

紛争解決は共通善が明確。今の日本の問題はもっと複雑。


瀧本哲史(投資家)

民主主義の話とレベルが違う。紛争の解決はベーシックヒューマンニーズの問題で、国家主権をも超えられる問題。


荻上チキ(評論家)

多数が認めないから、権利として認められるべきものが、実際には認められないという実態が日本にもある。

分ける前に、どういったところに問題があるのか解きほぐす方がよい。


瀧本哲史(投資家)

今の憲法の範囲でしっかり分ければよいと思っている。


荻上チキさん(批評家)

本来なら、民主主義と関係なく憲法上の権利として認められる当たり前のことが、民主主義の社会の中で実現していこうという課題を達成できていない。

弱者の生存権、社会保障、同性婚など、権利の再配分ができていないことを一個一個確認する必要がある。



水無田気流さん(社会学者・詩人)

民意を代弁する組織が民意を吸い上げられなくなったという中央集権的な決定システムの制度疲労。

組織化された民衆の団体が国家に異を唱えてきたが、所属者が減ってきた。入っていても代弁してくれないというフラストレーションためている人が多数はになる。

不合意・不満・否定が幅をきかせてくる。


荻上チキさん(批評家)

ポジ出しをしようとするかけ声を誰かがすれば、そこに集まるのは自明の理。


瀧本哲史さん(投資家)

政治にアクセスできるのは集団に属するパワーエリートだけという状況に対して、

アメリカではウトリーチ戦略とコミュニティオーガナイジングを行った。

オバマは組織化されてないニーズを組織化して成功した。


個人の「善」と社会の「正義」のどちらを優先するかはイシューによって違う。

正しい役割分担を決めることが大事。何でも個人が決めればよい、何でも国家が決めればよいというのは間違い。


安藤美冬さん(フリーランス)

個人と大企業を渡り歩きながら仕事をしている。様々な場と関係を持ちながら仕事を進めている。

日本を支配している空気に限界を感じる。

組織に所属している企業人は空気を読んで後ろ向きになる。

日本を支配している空気と空気を読まなければいけない文化に限界を感じる。

破壊と創造の担い手は、空気を読む人でもなく、空気を読まない人でもなく、「空気を作る人」


飯田泰之さん(エコノミスト)

景気が悪いと、日本人はすぐ「民主主義の限界」と言い出す。

低成長期、バブル崩壊後など。

だから、民主主義限界論は割り引かないといけない。

景気がよい時は、現在の経済状態だと、何も決めない方が個人にとってはお得だから決めない。


與那覇潤さん(歴史家)

日本の民主主義の限界については、江戸時代に抱えていた限界と同じ。

拒否権を持っている人が多すぎる。地方ごとにバラバラな団体があり、国会議員も地元ごとにバラバラの利害関係。政府は二院制。

間違った決定をさせないことについては、日本の民主主義システムは強い機能を持っているが、決めることについては、機能が弱い。


宇野常寛さん(批評家)

民主主義の限界にピンときていない。

欲望の可視化は大事。橋下さんが、憲法9条が国民のメンタリティを支配していると言っていたが、疑問。そんなに憲法にしばられていない。そんな物語的なこと言っているから政治参加にピンと来ない人が多いのではないか。

「これからの日本は、こんな風に進んで行ったら素敵だな」というビジョンがあって、初めて建設的な議論ができる。

例えば、非正規雇用2人が子ども2人育てられる社会。


民主主義への信頼低下に僕らの欲望も反映されている。

AKBの総選挙は毎回投票しているが、国政選挙は行ったり行かなかったり。

「選挙に行っても変わらない」という空気を国民が共有している。

制度をいじったり、啓蒙することで、変わるかもしれない。

ポジ出しにつながる。


飯田泰之さん(エコノミスト)

欲望の可視化ということでいえば、一番堅い最後の社会保障(セーフティネットのことか?)を決めたら、そこから上は個人の自由に委ねるべき。

個人の幸せ、やりたいことを政府が決めるのは最高に不幸なこと。選挙、実感無いです、僕も。

ここまで所得水準が上がれば、選挙に行っても何も変わらないと思うのは当然。選挙で国が変わると思うとしたら、それは国が相当危機的な状態。明日戦争が起こるとか言えば選挙に行くだろうけど。

選挙言っても何も変わらない感じは変わらないし、それほど払拭する必要もない。


小川仁志(政治哲学者)

政治学でも、合理的無知という言葉があるが、本当にそれがよいのか。

選挙によって、変わるという感覚を学べばよい。公民教育が大事。


水無田気流さん(社会学者・詩人)

民主主義の決定コストが高い人が多い。弱者ほど高い。

これを下げる必要がある。


飯田泰之さん(エコノミスト)

しっかりした生活保護とまあまあの景気があれば、決定できない問題は緩和される。


與那覇潤さん(歴史家)

選挙で一票で変わらないよという考え方は、ラディカルな革新は労働者階級の困窮化が進んで、立ち上がらざるを得なくなってから、やっと立ち上がるんだという冷戦構造化の話を21世紀になって、まだ言ってるのは衝撃。

日本の生活保障は江戸時代以来家職が担うものだった。

職があれば食べていけるが、職がないと食べていけないというのは江戸時代に確立した。

江戸時代の身分制はある種の社会保障。

高度成長期も正社員の家庭に入れば、そこそこ生活できた。

ぶあつい中間層を作った結果、やけっぱちの一揆の時にしか盛り上がらない。

いばっているやつの首を切る時に盛り上がる。

60年安保の時も、首相を首にして終わり。安保条約抜きでどうやっていくかを議論しなかった。

ダメ出しでは盛り上がるが、ポジ出しでは盛り上がらない。


小川仁志さん(政治哲学者)

二大政党制でねじれ国会の問題について、二大政党制をやめようというのではなく、どうすれば機能するかを考えなければならない。

お互いの党首が密会するのではなく、違う立場を明確にして、熟議をして、よいものにしていくという二大政党制の利点を活かしていかないといけない。


水無田気流さん(社会学者・詩人)

一番の支配者は空気。なし崩し的に決まって、誰も討議に加われないような。


安藤美冬さん(フリーランス)

私個人は、フリーランス。国に頼っていられないという気持ちがある。

個人にとってのセーフティネットは、ソーシャルキャピタル(つながり)。

ストロングタイとウィークタイの2つがある。

ストロングタイはシェアハウス。去年末からシェアハウスに住んでいる。

多種多様な職業の人が60人くらいで、住んでいる。

同じ階の住民とMLでつながって一緒にプロジェクトをやったりする。

ウィークタイはソーシャルメディア

毎日、自分の人生をコンテンツ化して、自分の魅力を広く社会に発信して自分に興味を持ってくれる人を増やしている。仕事をくださいと言わなくてもやってくる。


萱野稔人さん(哲学者)

つながりを作れる人は良いと思う。つながりを作るのが下手な人が国に頼るのはどう考えますか。


安藤美冬さん(フリーランス)

難しい。どちらかではなくバランスをとって生きていくしかないのかな。


荻上チキさん(評論家)

引きこもりになる人の6割は不登校経由。

不登校の段階では、自宅訪問するが、中退になると学校の先生は来ないし、文部科学省の管轄ではない。

ニートと呼ばれる年齢までは厚生労働省の管轄ではないので、ふんわりと空いている。

学校に行かない→会社に行かない→社会と縁が切れる。

年齢が上がるほど、社会復帰が困難になる。

親の年金で暮らさざるを得ない。親が亡くなると生活保護になる。

国にいつまでも抱きかかえられないと生活できなくなる。

個人でできていける状況は、本人にとっても望ましい。

そのためのバイパスは自治体やNPOなどでやっていかないと個人にとっても社会にとっても損。


與那覇潤さん(歴史家)

ストロングタイとウィークタイの違いと国家のあるなしは関係ない。

ストロングタイを強化する社会政策を目指すのか、ウィークタイだけでやっていけるのかを目指すのかが問題。

萱野さんは、ストロングタイ派。宇野さんはウィークタイ派だと思う。


宇野常寛さん(批評家)

安藤さんは、100パワーあるが、60,70でもノマド的な生き方できる。

国家のセーフティネットは必要。

教育は大事。

小学校、中学校まで無難にやってきた人が大学サークル、アルバイト先、ゼミなどで苦戦する。

自分でコミュニティを選んで距離感を持つことが難しい。

学校という与えられた箱に過剰適用すると、自分で選ぶ訓練ができていない。

終身雇用が崩れたこれからの時代では、それではうまくいかない。

自分で箱を見つけて、距離感を持つ訓練を早いうちからした方がよい。

教育でやればよい。


飯田泰之さん(経済学者)

ウィークタイが大事。

たくさんウィークタイがあると、その中からストロングタイが間違ってでてくる。

いいね!って押すだけでできる(笑)。


小川仁志さん(政治哲学者)

国家という共同体の中で、どうやって国家をうまくつかう方法を考えないといけない。

国家はやってくれないから、俺たちでやろうというのはあり得ない。

国家を敵にして、やっていくのではなく、活用するべき。


瀧本哲史さん(投資家)

国家は何もしていないのではない。ナショナルミニマムは必要。

基本的なことをしっかりやれば、その先はやらなくてもいい。

たくさんナショナルミニマムが必要だという人が出てくると、財源論が出てきてNPOでがんばっちゃうよみたいな話になる。

マクロ経済政策をちゃんとやれば、大変な人はそんなに出てこない。

外交、金融政策、ナショナルミニマムとかやればよい。


小川仁志さん(政治哲学者)

日本政府と国民をつなぐことが、今うまくいっていない。

直接民主制と間接民主制の接続、相互補完を考えるべき。

国会の熟議だけでなく、国民の間の熟議もある。

そうすれば、国は私たちのために何かすべき存在に変わる。


宇野常寛さん(批評家)

意識の高い市民社会を作った方がよいという考えか?


小川仁志さん(政治哲学者)

そのとおり。

最近は、時間がなくてもネットがあるので情報収集コストが下がっている。


宇野常寛さん(批評家)

小川さんの話は、10きりっとしないといけないから難しい。

人間は、そんなにきりっとできない。4とか6とかで参加できる社会がいい。

精神論じゃ無理。そこを補えるのが国家であり法制度。

ネットはアクティブではないけど、だらだらとはまっちゃう。

そういうのを応用することで、4とか6くらいの意識の高さでも参加できるかもしれない。


瀬谷ルミ子さん(NPO事務局長)

意思決定しただけでは意味がない。アクションを起こすことが大事。

大阪市の改革の中で、ポジティブと思うのは、アクションまでの感覚が短いことと、選挙なりで意思決定に参加したと住民が思っている熱が冷めないうちに市長がアクションを起こしていること。


宇野常寛さん(批評家)

昔の大文字の政治性が使えなくて、労働観や家族観から発想するこんな社会に住みたいという発想がよい。


與那覇潤さん(歴史家)

ストロングタイは中間集団。「この会社の社員」とか。

外れた生き方をしている人には支援が届かない、。

中間集団を立て直すのか、解体を促進して中間集団なしでもやっていける社会を目指すのか。

僕は、中間集団弱める方向だと思う。

正規雇用を週休3日を義務づけたらどうか?

もっと稼ぎたい人は、1日は日雇い派遣とか。

週4日の収入で良い人は働かなくてもよい。


宇野常寛さん(批評家)

ウィークタイがなければストロングタイはできない。

低コストのウィークタイを大量に使って、中長期的な人間関係を作れる。

それによって、ストロングタイを作ることが可能。


與那覇潤さん(歴史家)

ウィークタイをたくさん作る制度を国家が作ることは可能。


飯田泰之さん(経済学者)

2%インフレにする。

国としては、札すって、税収にできる。

インフレになるなら、みな投資する、教育に使う。

実物に向けていくから、経済が2%成長する。

合計、名目4%成長する。

そうすれば、財政赤字は5年でなくなる。

景気がよければ、社会保障に財源が出てくる。

景気が良ければ、働き方が変わる。労働者保護の仕組みは、人が足りない時代にできた。労働者の権利をどんどん認めないと、人がとれないから、労働者保護が強くなってきた。

月6万円の最低保障。


與那覇潤さん(歴史家)

大連立を組んでインフレーション政策をとればうまくいくのか。楽観的すぎる。


安藤美冬さん(フリーランス)

私のポジ出しは、ノマド。

ノマドは花粉の運び手。

企業などのボーダーを超えて移動することによって、アイディアの種を植え付けたり、新しいものを生み出すイノベーションの担い手。

固定化された社会構造に対して新しい風を起こす。

フリーランスだけでなく、社内ノマド的な動きもできてきている。

日本にとって、大きなチャンス。

それによって、予算をつける上層部が出てきている。

これが増えることで、日本社会を何か打破する力が生まれるのではないか。


ノマドに踏み込む

本当に世界を変えたいなら、まず自分が変わることだと思う。

会社員の時でも前例のない企画を出したりする。

1日1個新しいことをしてきた。

その気概を一人ひとりが持つことが大事。


瀧本哲史さん(投資家)

投資家は変化があれば儲かる。

組織化する方法が必要。大きな組織に属している人しか声が届かない状況を変えるべき。

橋下さんだけではなくて、同じようなチャレンジャーがたくさん出てくるのが大事。

キレイな方法もキレイでない方法もみんなに教える。

高齢者と若者と利害が一致していないから熟議しても合意できない。

どうすれば、高齢者の一部と組めるのかを考えないといけない。

そういう見えない結社を作らないといけない。


水無田気流さん(社会学者、詩人)

私は、産休3日で原稿書いていた。

女性の生き方は、これまで専業主婦一択で決定の余地がなかったが、選択肢がたくさん出てきた。

女性は、「自分は要領が悪い」と思って当たり前。

そういう人たちが多いことが、日本のジレンマを体現している。

サービスの受給者は、自分で決定するのは難しい。

障害者自立支援法によって生活が大変になった障害者もある。

ボランティア経済を拡充することが重要。


瀬谷ルミ子さん(NPO事務局長)

選択肢は消費期限がある。紛争時に和平プロセスを作るためにも、このタイミングなら外交でできたのに、これ以降は武力行使でしかできなくなる。

やりたいことが分からない人が多いが、自分でできる限り決められるよう教育が必要。

スペシャリスト教育が重要。


荻上チキさん(評論家)

社会的なアプローチ。

障壁になっている問題を取り払う。

婚外子差別を撤廃する、同性愛結婚を認める。極端なことを言えば、結婚の民営化が起こってもよい。


與那覇潤さん(歴史家)

実現可能性を無視して言えば、国を年齢別に分けるしかない。

世代間格差の解消はそれしかない。

若者と高齢者が合意できない。


瀧本哲史さん(投資家)

道州制にすれば、自然にそうなる。


飯田泰之さん(エコノミスト)

年齢別に国に分けるのではなく、選挙区割を年齢で分けるということはあり得る。


萱野稔人さん(哲学者)

子どもの数によって、票数を与える。


小川仁志さん(政治哲学者)

マイノリティが有利になるように選挙区割を変えることをアメリカでもやったが、対立を加速してしまう。


與那覇潤さん(歴史家)

お金のない年寄りがお金のある年寄りに頼る、お金のない若者はお金のある若者に頼るしかない。

国を年齢別に分ける。


小川仁志(政治哲学者)

年齢で分けるのではなく、共通の体験が共感を生むと思う。高齢者と若者は共感できるのではないか。


與那覇潤(歴史家)

震災は、日本人によって共感したが一瞬だった。


萱野稔人さん(哲学者)

確かに、子ども・孫がいる人は若者の問題に関心が高いので共通体験は一定の意味はあるが、

世代間対立があるのであれば、制度の合理性を高めるしかない。

若者のことを考えないと制度自体が持たないという合理性で高齢者を説得するしかない。

今、専門家に対する不信感が社会を覆っていて、一般の人が専門的なことを知る必要がある。

専門家が情報を独占できなくなったので、メディアやネットによって一般の人が情報にアクセスできるようになった。

個人が実務的な感覚を持たないと生きていけない。

お上任せにできないのであれば、自分で考えるしかない。


小川仁志さん(政治哲学者)

地域社会は終わっているというが、終わらせてもらっては困る。

ご近所の底力は大きい。

共通善が喪失していると最初に言ったが、世代間共闘・連帯意識が共通善。


與那覇潤さん(歴史家)

日本の民主主義の限界は、地方自治は最も空洞化して意味のない民主主義をやってきた。

日本の地域に民主主義を再生させるリソースがあるのか疑問。

放っておくと、ダメな日本社会になるだけではないか。


小川仁志さん(政治哲学者)

ボトムアップで新しいリーダーを選んで、地方を活性化するなら地方自治はよいシステム。

規模が小さいし、二元代表制。

過去の地方自治は、これからの地方自治はきっちり線を引かなければならない。


水無田気流さん(社会学者・詩人)

地方議会は機能していない。


小川仁志さん(政治哲学者)

変わってきている。リコールも出てきている。


宇野常寛さん(批評家)

地縁が日本のリソースだというのは、一面の真実。

地縁が地方自治の機能を麻痺させてきた。

日本的なムラ社会を変えていかないと。

橋下は、あれをつぶしてやると言って出てきた。

これを是とするか非とするか。

どう思うか?


小川仁志さん(政治哲学者)

二面性がある。民主主義の健全さと危うさの象徴。

行き詰まったから、既得権益のない人に変えるというのは健全。

カリスマに頼って安易な期待をするポピュリズム的な危うさがある。

それを解決するのは、私たちの政治参加しかない。

ネットで意見を言えば、彼はみている。


宇野常寛(批評家)

これまでの麻痺していた地方自治よりポピュリズムの橋下的なものの方が介入しやすい。

どう橋下を使っていくか。


飯田泰之さん(エコノミスト)

選挙のことを政治参加と呼んでいる。

選挙は、政治参加のごく一部でしかない。

大学生は、国会議員に会いにも行かずに絶望している。

国会議員は会ってくれないかもしれないし、会っても通り一遍のことしか言ってくれないかもしれない。

市議会議員は会って、膝を詰めて話してくれる。


荻上チキさん(評論家)

色んな学生グループがルポを書いてコンペティションをした。

その中で、陳情するというゴールを作って、何か変わるかもという体験があればよい。

変わらなかったけど聞いてはくれるんだなという体験になるかもしれない。

日常の言説を流通させるのも政治参加だし、

どういう風に生きるのかという日常レベルも政治参加だし、

NPO作るのも参加だし、

政治家に頼みに行くのも政治参加だし、

圧力団体を作って圧力をかけるとか、

瀧本さんの本を読んで、「こんなにアクセスの方法があるんだ!」と思った。


瀧本哲史さん(投資家)

アメリカには、ロビイングのマニュアルもある。できるのだ。


小川仁志さん(政治哲学者)

民主主義のシステムは多数決で負けると思っているかと思うが、

逆に少数派を切り捨てないということだ。


宇野常寛さん(批評家)

正しいんだけど、信じていない若者が五万といる。

ロールモデルの掲示と動機付けが効く。


瀧本哲史さん(投資家)

企業ブームは、起業コンテストで100万円賞金だしたら、成功したのがボコボコでた。

そしたら、みんな動き始めた。

同じように、政策コンテストがあって、入賞した人が陳情に行ったらホントに政策になっちゃった。

みたいなことがぼこぼこあれば変わる。


萱野稔人さん(哲学者)

個人と国家・政治の間をどう考えるか。

個人が実務家的なセンスを持つと、個人の選択と国家が結びつく。

これをうまくつなげるスキルを与えないと動かない。


宇野常寛さん(批評家)

個人と国家の距離感について、どう考えるのか。


萱野稔人さん(哲学者)

国家が仕組みだけになって、人の手を離れている。

誰かが変えられるものでなくなってきている。

国家の脱人格化・民主化。全員で決めているという犠牲。


小川仁志さん(政治哲学者)

共通善を共有しなくていいと言っていたら、がれきの受け入れはできない。

被災地に行った人は、受け入れようと言う。


宇野常寛さん(批評家)

小川さんの理想を実現するには、民主主義の精神を説いているだけではだめだ。

どんなシステムを使うかを考えないとだめだ。


荻上チキさん(評論家)

理念を確認するというのは大事。

理念を唱える場を作るというのが結論になるのかと宇野さんは言った。


宇野常寛さん(批評家)

理念を唱える場が大事というだけでは追いつかなくなっている。

気分が蔓延しているというのも現実。


小川仁志さん(政治哲学者)

日本人は民主主義に向いている。和を重んじる国民性。私たちに向いている民主主義をカスタマイズしていかないといけない。


與那覇潤さん(歴史家)

向いていない。共感を高めることは得意だが、共感の幅を広げることは極めて不得手。