声を出すこと。
前回の記事の
①鼓舞する声
②ボールを呼び込む声
は、
何も言わずとも声を出している子もいます。
これはサッカーを知っている知っていない以前に、性格による部分と慣れの部分が大きいと思います。
うちのチームは、ベンチにいる時は味方の応援をしっかりしようということと、練習中や試合中から、フリーならボールを呼ぶよう、言っていたら、声が大きい小さいはありますが、いつの間にかほぼみんな声を出せるようになってきました。
これは、声を出すことによる失敗がないからだと思います。「1点取りに行こう」と言って、「そんなこと言うな!」とは絶対言われませんので、そういった声を何人かが出せていれば、チームとしてもドンドン出せるものです。
ただし、失点を重ねたり、ミスしてしまったりすると、静かになりがちです。
そういう時は、声が大きい子にお願いして、盛り上げてもらったりもしています。
これも慣れが必要ですが、はじめはコーチの方で
「盛り上げていこう」
「気にするな。次に切り替えていこう」
とか言っていたら、いつの間にか選手たちも同じように言えるようになってきていました。
まだまだ全員が沈んで静かになるときもありますが、随分ましにはなったと思います。
③味方への声(指示)は、
経験、自信、サッカーを知っているかという面と、チームのレベル、チームメイトのメンバーや質など、複雑に絡みあってきて、初めて出せてくるものだと思います。低学年の時は一部の子を除いてなかなか声を出せと言っても難しいです。
やはり、パスを使うようなサッカーをやり始めて初めて必要になってきます。
あまり、指示せずにやってきたのに、突然声を出せと言っても無理です。
これは、ある意味普通の流れなので、
そこから練習が必要です。
我々の場合は、2対2や3対3など、少人数での練習で、積極的に声を出すよう指導しております。
「黙ってやってたら守れない」
という言葉は、コーチ陣から飛び交っています。
少ない人数でやれば、いつも声をあまり出さない子(声を出す子に隠れている子)も声を出さなかったためにうまく守れなかったりもするので、誰かに頼ることができず必然的に出さざるを得ないようになります。
さらに例えば攻撃側は4人、ディフェンス側を3人などにすると、攻撃側は必ず数的有利を作れる状況になるので、それを声を出し合って意識させたり、
逆にディフェンスの人数を増やすとキーパーを合わせて2人数的有利になるので、どうやって追い込んでいくのかなどキーパーから声を出していける環境になります。
これらに限らず「声を出さなくてはいけない練習」を日ごろから練習メニューに取り入れていれば、試合中も出せるようになるというのは間違いないと思います。
また、低学年の子やいつもやっていないポディションでやらせたりすると、ポディショニングがめちゃくちゃになり、修正するために、声を出さざるを得ませんので、声を出す練習としては適しているかもしれません。
ただし、結局どうしたら数的有利を有効に使えるのか、どうやったら追い込んでいけるのかなどは、経験が必要です。
なので、個人的にディフェンスリーダーの子やよく声を出す子には、前回のブログで書いた市内の大人レベルの声を出す子やうちのチームの上級生がどういった声をかけているのかしっかり聞いておきなさいという風なことは伝えております。
あと、サッカーをよく見ること。
成功体験ではないですが、例えば声を出した上で、狙ったようにボールを取れた、狙い通り守れた。などの経験ができれば、自然と声を出せるようになってくるかと思います。
ちなみに、フォワードの子には、声のフェイントも使うよう言っています。
例えば、味方に
「縦走れ」
と言っておけば、相手ディフェンスはパスを警戒するので、抜きやすくなります。
私もディフェンスをやっていたので、この声のフェイントは多用していました。オフサイドでないのをわかっていて、相手に聞こえるように
「オフサイド!」
と叫んで相手フォアードを戸惑わしたり、
「簡単に取れるから取りに行け!」
とファーストディフェンダーに言うと、相手フォアードもプライドがあるので、「絶対抜いてやる」と思わせて、抜きにかかったところを狙ったりしてました。
このような声を出し合うことは、試合を有利に運ぶためのテクニックであるということを認識して、身に付けていく必要があると思います。
そう考えると、外から見ている親が自分の子供に色々指示することは、子供たちの成長を阻害しているとも言えます。
親から出していい声は、①の鼓舞する声で十分だと思います。