占い師が「先生」と呼ばれる事について | 神奈川県厚木市拠点の占い鑑定師 山内笘立のブログ

神奈川県厚木市拠点の占い鑑定師 山内笘立のブログ

占いに関する情報や、普段の活動状況などを中心にお伝えしていきます。

今回は、「占い師が『先生』と呼ばれる事」について、現役占い師の立場から思うところをお話させて頂きます。

 

 

上記のYouTube動画でもお話させて頂きましたので、よろしければそちらもご覧頂けますと大変有難いです。

なぜ今回私がこのテーマについてお話したかったと言いますと、私は仕事用のアカウントとして「X(旧Twitter)」もよく利用をしているのですが、定期的に「占い師を『先生』と呼ぶ必要はないのではないか?」といった話題が占い界隈で盛り上がる事があり、その都度私も色々と思うところがありましたので、一回この件についてじっくりとお話しようと思ったためです。

実際、占い師の中には
『先生』と呼ばれる事に対して嫌悪感を抱いていて、私の事は『先生』と呼ばないで下さいねとハッキリ明言されている占い師の方もいらっしゃいますし、そこまで明言されていなくても、実は『先生』と呼ばれるのは苦手ですとか占い師を調子に乗らせないために『先生』と呼ぶのは止めた方が良いといったように、大体は占い師が『先生』と呼ばれる事に対して否定的な意見をお持ちの方が多いように見受けられます。

私もどちらかと言うと、占い師の事を
『先生』と呼ぶ必要性は特にないと思っておりますし、むしろ『先生』と呼ばれないと怒ったり不機嫌になるような占い師がいるとしたら、そちらの方が問題だと思いますので、普通に『〇〇さん』と気軽に呼び合えるような占い業界で全く問題はないと思っております。

とは言っても、じゃあ明日からいきなり
「すべての占い師に対して『先生』と呼ぶのは止めましょう!」という訳にもいかず、特に同業者同士であれば、やっぱり自分よりも先輩の占い師や年上の占い師、あるいは多少名の知れた占い師に対しては、ついつい『先生』と呼んでしまいたくなる心情もあるかと思います。

また、相談者の方が占い師に対して
『先生』と呼ぶ事もありますが、こちらは占い師に対して親しみを込めて呼んでいたり、使い勝手が良くて便利なので『先生』と呼んでいたりと、むしろ相談者の方が『先生』と呼びたくて積極的に使用しているケースもあると思いますので、一概に『先生』と呼ばれる事に対して占い師側が否定的に捉え過ぎるのもどうかと思っております。

ここで一旦、
「なぜ占い師が『先生』と呼ばれるケースが多いのか?」という理由について、私なりの考えを二つお話していきたいと思います。

まず一つとして、
「占い師の役割に基づいた昔からの習慣」という理由が考えられます。

占い師とは、相談者に対して人生の指標を提示する事に大きな役割がありますので、占い師から進むべき方向性に対して「教えを被る」という考え方に基づき、昔から占い師の事を
『先生』と呼ぶ習慣が存在していた事で、その流れが何となく現代まで残っているのではないかと考えられるからです。

もう一つとして、
「占い師になる過程に基づいた習慣」という理由も考えられます。

「占い」というのは一種の専門的な知識や技術であり、基本的には先人たちの教えを被る事によって習得していくものとなりますので、多くの方が占いの知識や技術を習得するためには、自分にとっての
『先生』と呼ばれる存在が必要であり、占い業界の入口のところで既に目上の同業者に対して『先生』と呼ぶ習慣が身に付く事から、その流れでいつの間にか同業者に対しては『先生』と呼ぶ事が普通であるという意識を持つようになり、結果的にそれが習慣化してしまう事も一つの要因ではないかと考えられるからです。

他にも理由はあるかもしれませんが、基本的に占い師が
『先生』と呼ばれている事は、ある種の「習慣」に過ぎない話だと思いますので、弟子が師匠に対して『先生』と呼ぶ場合を除き、そういった師弟関係のない同業者同士で『先生』と呼び合わなければいけない理由は本来なら特にないと思いますし、もちろん相談者の方が占い師に対して『先生』と呼ばなければいけない理由もありませんので、そういった点でも最近は『先生』と呼ばれる事に違和感を覚えたり、嫌悪感を抱く占い師が増えているのではないかと考えられます。

では私自身はどうかと言いますと、基本的に
『先生』と呼ばれる事そのものには特に嫌悪感は抱いておりませんので、『先生』と呼んで頂くのでしたらそれはそれで問題はないと思っております。

と言いますのも、私は以前に家庭教師のアルバイトをしていた経験がありまして、その時には生徒さんからも保護者の方からもスタッフの方からも
『先生』と呼ばれておりましたので、元々『先生』と呼ばれる事に対して多少慣れている部分もあるからだと思います。

もちろん
「山内さん」と呼んで頂いても全く問題はありませんし、文章鑑定でしたら「山内様」と呼ばれる事も多いですが、そちらでも全く問題はありませんし、何なら対面鑑定でしたら「お兄さん」と呼ばれる事もありますが、そちらでも全く問題はありません!

さすがに呼び捨てとか、オマエとか、常識的に考えて明らかに失礼な呼び方でなければ、基本的には自分がどのように呼ばれるかについては特に気にしていないのが正直なところです。

そもそも論として、これはあくまで個人的な考えではありますが、占い師同士であれば、
「私の事は『先生』と呼ばなくて良いので、『〇〇さん』と呼んでくださいね」とお声がけするのは全然アリだと思いますが、相談者の方に対してまで、「私の事は『先生』と呼ばなくて良いので、『〇〇さん』と呼んでくださいね」とお声がけする事に対しては、私は少々疑問に思ってしまいます。

一見すると占い師が相談者の方に対して気を遣わせないために発言しているように思われますが、場合によっては却って相談者の方に気を遣わせてしまう可能性もあるからです。

というのも、このように言われてしまった相談者の方は、
「この占い師に対しては『先生』と呼んではいけない・・」と余計な事を覚えなければいけなくなってしまいますし、『〇〇さん』と呼んでくださいね」と言われてしまうと、相談者の方はその占い師の方の名前をその場ですぐに覚えなければいけなくなってしまいます。

具体的な例として、一見のお客様を相手にする事の多い対面鑑定やイベント鑑定の場を想像して頂けると分かりやすいと思いますが、例えば相談者の方の中には、たまたま通りがかった占いブースに気軽な気持ちでちょっとだけ相談してみたいと思って入られる方もいらっしゃいます。

その場合、相談者の方は占い師の名前を知らないで入られるケースが多いので、最初の会話の流れとして、例えば
「先生はどんな占い方をされるんですか?」と気軽な感じで質問をするような事もありますが、その際に占い師がわざわざ「私の事は『先生』と呼ばず、『〇〇さん』と呼んでもらって良いですよ~」と返したとします。

この場合、確かに緊張感が解れて有難いと思う相談者の方もいらっしゃるかもしれませんが、逆に内心では
『(あ、先生と呼んで不愉快な思いをさせちゃったかな・・)』とか、『(〇〇さんですね・・えーと、覚えないと・・〇〇さん、〇〇さん・・)』と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

つまり、相談者の方が占い師を
『先生』と呼ぶのは、実は使い勝手が良くて便利な可能性だってあるのです。

特に日頃から複数の占い師に相談されている方にとりましては、どの占い師に対しても
『先生』で統一した方が便利な一面もありますので、いちいち「『先生』と呼んではいけない占い師」を覚える事そのものが負担になってしまう事だったあり得ます。

もちろん、逆に相談者の方に対して
「私の事は『先生』と呼びなさい!」などど威圧するような占い師は論外ですし、そのような傲慢な占い師はさすがに今では少なくなってきているとは思いますが、相談者の方にしてみれば、「先生と呼ばないと嫌がる占い師」にしても、「先生と呼ぶと嫌がる占い師」にしても、それらをいちいち覚えるのは面倒な事ですし、むしろ気を遣わせてしまう可能性だってあり得ますので、占い師同士がどう呼び合うのかは自由だと思いますが、相談者の方に対してまで占い師の呼び方で変に気を遣わせてしまわないように、そこはハッキリと線引きをした方が良いのではないかと考えております。

ですので、もし相談者の方に
『先生』と呼ばれたのであれば、占い師はそれに対していちいち謙遜したりせず、『先生』と呼ばれた事をしっかりと受け止めた上で、鑑定の方に集中する事の方が大切だと思っております。

長くなりましたが、最後までお読み頂きまして、どうもありがとうございました!