今回は、一般的に割と混同されやすい『占いと予言』について、それぞれの違いをお伝えしていきたいと思います。
上記のYouTube動画でもお話させて頂きましたので、よろしければそちらもご覧頂けますと大変有難いです。
内容としましては、以下の2つのポイントとなります。
(1)占いと予言の定義の違い
(2)占いと予言の目的の違い
こちらについて、順番にお話させて頂きます。
まず「(1)占いと予言の定義の違い」についてですが、それぞれの定義につきまして、こちらウィキペディアから一部引用したものを紹介させて頂きます。
①予言
普通なら見通せない未来の出来事、有様を「こうなる」と言う事。
②占い
様々な方法で、人の心の内や運勢や未来など、直接観察する事のできないものについて、判断する事。
これだけですと、結構似たような表現を使っている箇所もありますので、少々分かりづらい部分もあるかと思います。
ただ、よく見ますと、実はこの2つには決定的に違うところがあります。
それは最後の文言になります。
予言は『言う事』、占いは『判断する事』、この違いがあるのがポイントだと言えます。
つまり予言の場合、未来に起こり得る出来事について明言する必要があります。
それに対して占いの場合、未来に起こり得る出来事について、必ずしも明言する必要がないという事になります。
これについては具体例を用いて説明をした方が分かりやすいと思いますので、例を挙げて説明させて頂きます。
①予言の例
・あなたは2025年に結婚する。
・あなたは30歳で結婚する。
このように、未来に起こり得る出来事について明言するのが予言となります。
②占いの例
・あなたは2025年に結婚する可能性が高い。
・あなたは30歳で結婚する可能性が高い。
このように、明言までする必要はなく、あくまで判断をして可能性を予測するのが占いとなります。
以上を踏まえた上で、今回2つ目のポイントとなります「(2)占いと予言の目的の違い」という内容について、お話させて頂きます。
むしろ私が今回重点的にお話したいのは、こちらの内容となります。
と言いますのも、こちらは占い師だけでなく、占いを利用される相談者の方も知っておいた方が良い内容だと言えるからです。
まずは結論として、それぞれの目的について説明させて頂きます。
①予言の目的:未来の事実を当てる事
⇒言われた側である相談者の方に選択の余地がない。
②占いの目的:未来に向けて開運する事
⇒言われた側である相談者の方に選択の余地がある。
イメージが湧きやすくなるように、先程の具体例を利用して、予言のケースと占いのケースについてそれぞれ説明させて頂きます。
①予言の例
・あなたは2025年に結婚する。
・あなたは30歳で結婚する。
このように、予言の場合は明言されてしまいます。
という事は、裏を返せば、
⇒・あなたは2025年にしか結婚できない。
(それ以外の時期には結婚できない)。
・あなたは30歳でしか結婚できない。
(それ以外の年齢では結婚できない)。
と解釈できてしまうのです。
もし現在20歳の相談者の方が、「あなたは30歳に結婚する」と言われた場合、
『あ~、自分は30歳まで結婚できないのか・・』
『あと10年経たないと結婚できないのか・・』
といったように、恐らく落ち込んでしまう方が多いと思います。
もちろん、人それぞれ考え方がありますので、「10年後の30歳で結婚する」と言われて、それで納得される方もいらっしゃると思いますが、やはり割と多くの若い女性の方は、『なるべく早く結婚したい』と考えていらっしゃる方が多いように見受けられますので、もし20歳の女性の相談者の方がこのように言われてしまうと、恐らく良い気分にならない方が多いのではないかと思います。
実際の鑑定の流れを例としてお伝えしますと、例えば占い師が相談者の方の結婚運について占った結果、「あなたは30歳で結婚しますよ」と言われた場合、20歳の相談者の方が『私はもっと早くに結婚したいので、何とかなりませんか?』と返したとします。
しかし予言の場合ですと、「いえ、あなたは30歳でしか結婚できません!」と、これだけで終わってしまいます。
なぜなら、予言の目的は『未来の事実を当てる事』ですので、言われた側である相談者の方の気持ちや希望などは一切関係なく、相談者の方に選択の余地はないと言えるからです。
②占いの例
一方、占いも基本的には一つの判断、つまり結論を出していきますので、占った結果、
・あなたは2025年に結婚する可能性が高い。
・あなたは30歳で結婚する可能性が高い。
と未来予測の結果を伝えられる事になりますが、あくまで「可能性が高い」というお話になりますので、裏を返せば、
⇒・2025年以外の時期でも結婚できる可能性がある。
・30歳以外の年齢でも結婚できる可能性がある。
と解釈する事もできるのです。
先程と同じように実際の鑑定の流れを例としてお伝えしますと、例えば占い師が相談者の方の結婚運について占った結果、「あなたは運勢的に30歳で結婚する可能性が高いですよ」と言われた場合、相談者の方が『私はもっと早くに結婚したいので、何とかなりませんか?』と返したとします。
占いの目的は『未来に向けて開運する事』であり、言い換えれば、占いを利用する相談者の方の人生が良い方向へ進む事を目的としておりますので、当然、言われた側である相談者の方にも選択の余地がありますし、占い師としては相談者の方の気持ちや希望などをできる限り考慮する事も大切となります。
ですので、例えば「あなたにはこういった良いところがあるので、それを積極的にアピールする事と、あなたはこういうタイプの異性と相性が良いので、あなたと相性の良いタイプの異性と交際する事を心がければ、ご自身の力でもっと早い時期に結婚できる可能性も高くなりますよ」といったように、占いは予言とは異なり、占い師が相談者の方に現実的なアドバイスやフォローを伝える事ができますので、仮に相談者の方にとって望ましくない結果を言われた場合でも、ある程度の希望を持つ事ができるのです!
この点が、予言と占いの大きな違いとなります。
そしてこの事は、以前の記事でもお伝えしました『占い師の役割』とも関連するお話であり、占いの目的はあくまで「未来に向けて開運する事」だと言えますので、その点も踏まえた上で、是非一つ参考にして頂けましたら幸いでございます。
最後までお読み頂きまして、どうもありがとうございました!