「築城十年落城一日」という言葉があります。
築くにあたってはコツコツと長い期間をかける必要がありますが、
瓦解する時は、あっという間、という意味です。
企業経営者としては、いつ自社がそのような事態に陥らないか、常
に気をつけていなくてはなりません。
24日付けの日本経済新聞に、JR北海道でのトラブル続出についての
記事が掲載されています。
━ 日本経済新聞 2013.09.24【9・39面】
ここ数年、出火や脱線、遅れや運休が急増しており、技術的な問題
というより、企業・組織体質の問題であろうことは、容易に推測で
きます。
問題点が放置されていたということで、そのような体質が長い間続
いた後、「落城一日」と言うように、一挙にトラブルが噴出してき
たということなのでしょう。
記事は「非上場でライバルもなく、我が道を行く北海道は内向きの
論理を優先しやすい」と、「内向き経営」を批判しています。
記事によれば、JR他社については、上場して投資家のチェックがあっ
たり、ライバルとしのぎを削る状況にあるとのことで、社外の「他
者」の存在を、常に意識する環境にあります。
つまり、自社を相対視・客観視する機会があるわけです。
「絶対的権力は絶対的に腐敗する」という言葉があります。
絶対的存在は、自身を相対視・客観視できなくなる危険性を、常に
はらんでいます。
良い意味での「外圧」を利用する等、自身を相対視・客観視する機
会を積極的に作らないと、知らぬ間に「落城一日」の状況を作り出
してしまうかも知れませんね。
企業や経営者が、コンサルタントやコーチの視点を求めるというの
も、そのような要請があるからでしょう。
< 今日の教訓 >
あなたの企業や、経営者であるあなたは、常に自社や自身を相対視
・客観視することをしているだろうか。相対視・客観視する機会が
ないと、それは絶対的腐敗を招く。外部の力や視点を、意図的に利
用することを考えよう。