4月22日(土)~6月4日(日)の予定で、「千里ニュータウン展」が吹田市立博物館で開催されます。千里山.NETでもイベント情報としてアップしています。パンフレットにも見られるように、この時代は日本にとっても高度成長という、モノの豊かさという共通の夢を求めて、気持ちを一つにして頑張ってきた時代と言えます。最近は「モノの豊かさから、心の豊かさへ」というような言葉をよく耳にしますが、「心の豊かさ」はどうであれ、「モノ」を軽んじる考え方には、強い反発と危惧を感じている一人です。これは自分がプロダクト・デザインを生業にしていることからくるのかも知れませんが、僕が世の中を観る様々な考えの基本にあるものです。
非常に単純に言ってしまうと、モノのように手に触れる中で、長い時間を掛けて創り上げていき、コツコツ利益を出していく経済と、金融経済のように一瞬の投機や、マネーゲームの中で巨利を揚げるシステムとが、それぞれどのような社会を志向しているかを想像する時に、前者の方を大切に守っていかなければいけないと考えています。現在の日本の大勢が、大きく後者に傾きかけていっていると認識しつつも、そうではない生き方にこだわりたいと思います。
さて、「千里ニュータウン展」ですが、もう一度モノの持つ楽しさや夢そして活力など、今の時代に語りかけてくる本当のメッセージを、僕自身も確認できることを楽しみにしています。ぜひ皆さんも覗かれてはどうでしょうか。