先週の日曜日朝の民放番組で、移民についての議論がなされていた中で、有名なコメンテーターの発言が気になりました。
この方は、次のような趣旨で意見を述べられました。
現在欧州では大量の移民流入に苦しんでいる。
移民はその国の人口の10%以上を占めると様々な問題を引き起こす。
今欧州は、増え続ける移民問題にようやく気がつき始めている。
優しい心で移民を受け入れましょうと言うのは簡単。
しかし、受け入れた後の結果は大変。
日本も欧州の事例に学ぶべきだ。
上記趣旨は、実態を反映した意見ではないと思いました。
現在の日本での在日外国籍の人は、人口比で約2%であり、欧州各国での比率から比べれば桁違いに低い数値です。
難民受け入れについても桁違いに低く、年単位で、認定率でも年1−2%、認定数で数百人程度です。
欧州の何万人、数十万人とは異なる次元です。
昨今、日本でも生活している外国人が増えた感じはしますが、諸外国から比べると低いレベルです。
そのような実態でも、日本政府は明快な移民政策を取っていず、差別される移民・難民が後を立たず、そのために様々な支援団体が日夜ボランティアで支援活動を行っています。
支援活動は、どうやって保護するか、どうやって政府に不当な扱いを訴えるかなど、難題と闘っていて、とても「優しい心」とは程遠いのが実情です。
ほとんどはボランティアのため、活動資金もままならない状況にもあります。
そうした事実認識をすれば、国や公的団体が主体として支援している欧米諸国に比べ、日本は国の支援はなく民間支援団体のみでなされています。
移民難民問題は、欧州と日本では、そもそもが政府の関与レベルが全く異なることを理解すべきです。
重鎮の方々が間違った事実認識で意見を述べられていること自身に、日本の移民認識が低いことを映し出しているとも言えます。