かなり前の話だが、文部科学省の学校運営に関する有識者会議のなかでの藤原和博さん(元杉並区立和田中校長、大阪府特別顧問)の資料が大変役立つ。具体的に問題提起されているので学校関係の方はぜひ目を通してほしい。
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/078/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2010/11/10/1298989_4.pdf
◆◆以下、妹尾コメント◆◆
藤原さんの問題提起と提案は一貫している。勝手に図式化してみると、
①シニア層の教職員が大量退職期にあるなか、若い教職員が増え、一方で子どもをめぐる環境は複雑化している
⇒
②学校(それも若い教職員の多い)のみでは子どもにきめ細かに対応できず、地域の力がもっと必要
⇒
③地域の力を引き出し地域と協力関係をうまく築くためには校長の力量が大切。
⇒
④しかし、多くの校長は管理はできてもマネジメントができない。うまく地域の力を使えない。
⇒
⑤校長(あるいはなる人)にマネジメントを教えるプログラムが必要、また民間や退職校長等を含め、校長に広く人材を登用せよ。
こういうロジックと分析に依拠している。①はデータを見たら確認できる。②、③も納得される人が多いのではないか。
④についてはどうか。藤原さんの資料のなかでは管理型校長とマネジメント型校長との対比が具体的に説明されており、大変わかりやすい(PDFの12枚目)。「教職員が多忙なので、地域との連携などを進めようとしても、各先生はやる気があってもなかなか余裕がないんですよ。」といった愚痴(?)をこぼす校長は少なくないのではないか。それでは管理型であっても、マメジメント型とは呼べないのかもしれない。
藤原さんの指摘は、私の解釈では、要するに、マネジメントとは教職員の力も地域の力もうまく組み合わせて、結び付けて、実際の授業や補習、放課後活動などで展開するところまでもっていける力ということではないだろうか。
ここからは私の見方となるが、そのためには、現状の問題を分析でき、その問題を周りの力を借りながら、なんとか打破しようと工夫しようとすることが必要だろう。学校には問題は多く転がっているが、表面上しかとらえておらず、その背景や要因をつっこんで考えている校長や教職員は多くいるだろうか。藤原さんの例にあるように、中学校の数学でつまずいている子が多いは分かっていても、どこでなぜつまづいたのか、数学の教員は分かっていても、校長はわかっていないのではないか。正しく現状把握できないと、対策も的外れになってしまう。
さらに、現状把握できても、問題解決をあきらめては前に進まない。学校には自由に使える予算も少ない。しかし、人はいる、学校のなかにも地域にも。そうした人をうまく活用しながら(協力を得ながら)どうやったら問題に対応できるか、あるいは問題を未然に防げるか、工夫する力が校長には試されているのだろうと思う。
さて、⑤について、ないし④から⑤への流れについてだが、これには多くの意見があると思う。私は上記のように現状把握と工夫する力が重要と思っているので、藤原さんもたしか指摘されていたが、ケーススタディが効果的だと思う。あるいはケース検討会のようなもので、具体的な事案(仮想でもよい)をあなたの学校ならどう対応するか議論してみてもよいのではないか。そのなかで、失敗、成功(なにをもってそう分類するかは難しい議論だが)の両方から学べる機会がもっと必要ではないかと思う。