さて、遅くなりましたが、ナンバー2917のブログにも書いた通り、-5日、府中~東京競馬場で、 3歳マイル決定戦とも言える、「第29回NHKマイルカップ競走」〔1600m・芝(Aコース)・東京・GⅠ・18頭〕が行われました。
 

 

 


予想印の予想などは、ナンバー2917のブログに書いたので省きますが 、今年は昨年の 2歳牡馬&牝馬のチャンプが出走して来たので、例年よりは盛り上がり感が増した感じになりましたが、今回も混戦模様の感じがしたので、どの馬にも勝機があるとは思いましたが、果たして、今年の 3歳マイルの王座を勝ち取ったのは・・・。

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


と、いう事で、今年は、単勝 2番人気だった、番のジャンタルマンタル[牡3](57.0kg 川田将雅騎手騎乗)が、 1分32秒 4のタイムで優勝しました。
 


レースは、バラついたスタートとなり、番のアルセナールがスタート失敗という形で出遅れ。 逆にジャンタルマンタルは好スタートの形で先頭に立つ勢いを見せましたが、インから番のマスクオールウィン、番のキャプテンシー、⑤番のボンドガールが先陣争いを繰り広げる。 結局、インからキャプテンがハナを奪い、ボンドが番手につける。 マスクが差がない 3番手につけ、マンタルがアウト、④番イフェイオンがインで並ぶ形で追走するが、間に番のアスコリピチェーノが付ける形に。 その後ろはインから⑥番のロジリオンがイン、番のエンヤラヴフェイスがアウトで並んでいるが、最内から番のノーブルロジャーが絡んで行く。 更に福永祐一調教師管理馬となった、番のチャンネルトンネル、番のゴンバデカーブースがピタッと並んで続き、差がなく、番のダノンマッキンリー、③番のディスペランツァ、番のウォーターリヒトが続き、後方はインに番のアレンジャー、アウトに番のユキノロイヤルが並び、アルセナール、番のシュトラウスという展開だ。
勝負所の大欅を過ぎた辺りが、大体、半マイル地点ですが、46秒 3と、昨年と同タイムで通過したので、まずまずのペースではないのか。 もっとも昨年は稍重馬場で今年は良馬場なので、ペースとしては普通だろう。 4コーナー手前では逃げるキャプテン、差がなくマスク、マンタル、ボンド、アスコリ、エンヤラヴがトレインを形成する形で進みながら、 4コーナーを回って直線へ。
直線に入って、逃げるキャプテンに対しインにボンド、アウトにマスクが並び形で追い始めるがマスクのアウトからマンタルがギアを入れ替えて追い上げを開始。 逆にアスコリは馬群に包まれる形で身動きが取れず、鞍上のルメール騎手は、ギャンブルでキャプテンとマスクの間に捻じ込む形で上がろうとする。 このイン強襲の影響でイフェイオンの鞍上の西村騎手が、少し立ち上がる感じとなり、更にアスコリのインにいたキャプテンの鞍上のミルコ・デムーロ騎手とボンドの鞍上の武 豊騎手が危険を察知して追うのを止めるような形になったように見えました。 この辺りは後に指摘をする方もいたようです。
アスコリが前に出るのに苦労している感にマンタルが一気に先頭に立つ。 その後ろはアウトにロジリオンとゴンバデ、インではマスクが粘る中、最内を突いて、ようやくアスコリがギアを入れ替えて猛追するが、マンタルは更に加速して差を広げており、態勢は決した。
マンタルが後続に 3馬身の差をつけての完勝劇でゴールに入り、 2番手はロジリオンのインからアスコリが交わして、 2歳牝馬チャンプの意地を魅せた形にはなりました。
ロジリオンが 3着表彰台に入り、アウトから来たゴンバデが 4着、そして、イフェイオンが 5着と入賞圏内を確保しました。
史上初となった、このレースでの 2歳牡馬牝馬のチャンプが相見えるバトルとなりましたが、結果的にはマンタルが強さを魅せつけた感がありました。
正直、 2月の「共同通信杯競走」で頭を上げながらアウトから追い込んで 2着敗退になった時は左回りコースが不得手なのかと思ったりしましたが、やはりマイル戦であれば、左回りも関係なかったという結論になったようです。
また、知り合いの関西の方がレース後に「直線でアスコリ(の進路)を蓋して追い出したのが勝因。」とコメントしてましたが、それはありだと思いますし、鞍上のアイスマン~川田将雅騎手の騎乗テクニックがモノを言ったのではともいえるでしょう。
レース後のインタビューでアイスマンは「本当によく頑張りました。(この馬が一番強いと)お見せできればという話をしていましたが、1600mで走ることに関しては絶大なる自信を持っていますので、この同世代であれば、普通に走りさえすれば負けることはないと思っていました。 ただ、『皐月賞競走』からの中 2週というところで、疲れがどうなのかなというのは一番の懸念点でしたが、それでもこうやって勝ち切ってくれましたので、やはり素晴らしい走りができる馬だなと思います。」と馬の頑張りを評価した後に「馬のリズムを大事にしながら、とてもリズムよく走ってくれましたし、と雰囲気よく道中回って来れたので、もう負けることはないなと思いながら道中乗れるくらい、素晴らしい雰囲気でしたので、後はもう無理しない程度に、とはいえGⅠ競走なので、最後までしっかり走りきってという所でした。 適距離ではない『皐月賞競走』でもあれだけ頑張って、素晴らしい走りをしてくれていましたけれど、これから、よりこのマイルという距離で、この馬が日本で一番強いんだというレベルまでいければいいなと思っています。」とコメントし、ゆくゆくはマイルのてっぺんを目指す事もコメントとして残していました。
そうなると、気持ち的には古馬や外国馬とのバトルとなる 6月の「安田記念競走」に出て欲しい部分もありますが、管理調教師の高野友和調教師は「今後は夏休みといいますか、馬の回復にあてたいと思います。距離に関してはもう少し長いところもこなせると思っていますし、馬の成長次第で考えていきたいと思います。」と慎重なコメントをしたので、まあ、選択肢としては、国内では「マイルチャンピオンシップ競走」「天皇賞(秋)競走」辺りが目標になりそうかなと。 あるいは暮れの香港遠征もあるやもしれません。
元騎手で「アンカツ」の愛称で親しまれている安藤勝己さんはマンタルの優勝について、「好ダッシュから非の打ち所がない運び。追い出しを待った事でルメール騎手を焦らせたし、川田騎手とのコンビでかなりの所までいける。オレは『ダービー』でもやれたと思っとるけど。」とコメント。 今日のような走りなら優先出走権を持っている「東京優駿(日本ダービー)競走」でも好勝負出来ると太鼓判を押してましたが、関係者のコメントを見る限りでは(「日本ダービー」に)出る見込みはないかもしれませんねえ。

恒例の全着順。 (←左から、着順・枠番・馬番・馬名・性齢・負担重量・騎手名・タイム・着差・コーナー通過順位・推定上がり3Fタイム・馬体重・調教師名・単勝人気)

01 8桃 ⑯ ジャンタルマンタル 牡3 57.0 川田将雅 1:32.4  3-3 33.9 492(+2) 高野友和 2
02 7橙 ⑭ アスコリピチェーノ 牝3 55.0 クリストフ・ルメール 1:32.8 2 1/2 5-3 34.2 480(+2) 黒岩陽一 1
03 3赤 ⑥ ロジリオン 牡3 57.0 戸崎圭太 1:32.9 クビ 8-6 34.0 482(-6) 古賀慎明 10
04 6緑 ⑫ ゴンバデカーブース 牡3 57.0 ジョアン・モレイラ 1:32.9 クビ 9-9 33.9 466(+6) 堀 宣行 4
05 2黒 ④ イフェイオン 牝3 55.0 西村淳也 1:33.2 1 3/4 6-6 34.4 480(+8) 杉山佳明 13
06 4青 ⑦ チャンネルトンネル 牡3 57.0 岩田望来 1:33.3 クビ 11-10 34.2 470(-6) 福永祐一 12
07 2黒 ③ ディスペランツァ 牡3 57.0 鮫島克駿 1:33.3 ハナ 12-10 34.1 518(+4) 吉岡辰弥 6
08 5黄 ⑩ ウォーターリヒト 牡3 57.0 菅原明良 1:33.4 1/2 12-10 34.2 458(-4) 河内 洋 14
09 8桃 ⑱ アルセナール 牝3 55.0 横山武史 1:33.4 ハナ 17-17 33.8 454(+2) 木村哲也 5
10 4青 ⑧ エンヤラヴフェイス 牡3 57.0 菱田裕二 1:33.4 クビ 6-6 34.6 490(+2) 森田直行 18
11 8桃 ⑰ ユキノロイヤル 牡3 57.0 石橋 脩 1:33.5 クビ 15-14 34.1 446(+2) 小野次郎 17
12 1白 ② ノーブルロジャー 牡3 57.0 松山弘平 1:33.5 クビ 9-10 34.3 482(+4) 吉岡辰弥 7
13 1白 ① ダノンマッキンリー 牡3 57.0 北村友一 1:33.6 クビ 12-14 34.2 474(+6) 藤原英昭 8
14 6緑 ⑪ アレンジャー 牡3 57.0 横山和生 1:33.6 クビ 15-14 34.2 460(±0) 昆 貢 15
15 7橙 ⑮ マスクオールウィン 牝3 55.0 岩田康誠 1:34.0 2 1/2 2-2 35.7 494(+4) 牧 光二 16
16 7橙 ⑬ シュトラウス 牡3 57.0 北村宏司 1:34.0 ハナ 18-18 34.1 518(-2) 武井 亮 9
17 3赤 ⑤ ボンドガール 牝3 55.0 武 豊 1:34.9 5 3-3 36.4 452(+2) 手塚貴久 3
18 5黄 ⑨ キャプテンシー 牡3 57.0 ミルコ・デムーロ 1:35.7 5 1-1 37.4 466(-2) 松永幹夫 11

タイム
ハロンタイム 12.3 - 10.7 - 11.3 - 12.0 - 12.0 - 11.4 - 11.2 - 11.5

上り 4F 46.1 - 3F 34.1

コーナー通過順位
3コーナー 9,15(5,16)14(4,8)6(2,12)7(1,3,10)-(11,17)18-13
4コーナー (*9,15)(5,14,16)(4,6,8)12(2,7,3,10)(1,11,17)18,13

さて、ジャンタルマンタルが得意のマイル戦でキッチリと勝利を飾った、今年でしたが、まず 2着表彰台に入った、番のアスコリピチェーノですが、一応、表彰台圏内に入った事で先述の通り、 2歳牝馬チャンプの意地は魅せたものの、最後の直線での走りは、やや、強引すぎる部分があったかなと思います。
マンタルの上手いブロックで、鞍上の優勝請負人~クリストフ・ルメール騎手にしてみればインに入ったとはいえ複数の馬達の馬郡の中に入ってしまい、袋小路になってしまったので、どうすれば良いか、ルメちゃんにしてみれば迷った部分はあったでしょう。
結果としては馬郡をこじ開けるように中に入り込む形を取らざるを得なかったため、複数の馬達の進路が狭くなってしまった原因にもなったやも・・・。(←後でパトロールフィルムが映ってた動画を確認したら、アスコリの他にマスクもイン側にヨレてしまった事も原因があったかもしれません。)

 


レース後に優勝請負人「すごく良い競馬をしてくれましたし、良いポジションを取れました。最後は狭くなりましたが、また良い脚を使ってくれました。1600mはベストで、もう少し長くても大丈夫です。」とコメントしましたが、ペナルティを喰らった事が、ちょっと残念だったやもですが。

次に 3着表彰台に入った、番のロジリオンでしたが、ノーマークにしたのが、正直、恥ずかしいくらいの好走だったと思います。 確かにデビュー以来、全て入賞圏内に入っている堅実派であるのですが、前走の「ファルコンステークス競走」で府中と同じ左回りの桶狭間(中京競馬場)で入賞圏内ギリギリの 5着敗退だったという点がネックだったのは否めなかったなあと。 中団に位置して直線ではマンタルの後ろを通る事で上手くスリップストリームを使って加速をつけて伸びて来た感がありました。 最後はインから来たアスコリに交わされたものの表彰台圏内に入ったのは頭が下がる思いです。
鞍上の戸崎圭太騎手は「会見でも言っている通り、馬は成長していました。競馬は元々上手でしたし、フットワークも良かったので、ある程度良いレースが出来るのではないかなと思っていました。競馬もやはり上手でしたし、強い相手に頑張ってくれています。」と、馬のポテンシャルの高さを再認識した感じです。
また、アンカツさんは表彰台に入った 2頭については「アスコリピチェーノはピュッと反応できないところあるんだよな。ただ、あれだけの接触があって諦めた所を馬なりで差してくるんやもん。距離は延ばして大丈夫だし、今回は負けて強しもいいところ。ワンタイミング進路を待っとればマッチレースやった。 ロジリオンは最高に乗ってたけど、アスコリとの能力差を感じた。」とコメント。

更に 4着入賞を果たした、番のゴンバデカーブースも中団に位置して直線でも馬場の三分所を通って伸びては来ましたが、表彰台圏内の 3頭が鋭く伸びて来たのに対し、ゴンバテはジリジリとしか伸びて来なかったのは、キャリアの少なさと休み明けいきなりの実戦だったからかもしれませんか。 鞍上のジョアン・モレイラ騎手は「この馬はまだキャリア 2戦しかしておらず、GⅠ競走へのチャレンジは大きなステップアップでした。休み明けを考えれば落ち着いていましたし、レースを 2回しか使っていないとは思えないおとなしさを見せてくれました。リズム良くレースが出来、直線で外に出してからは長く脚を使ってくれました。最後は脚が上がってしまいましたが、いい内容だったと思いますし、これから更に成長していってくれると思います。」と将来も成長のポテンシャルはあるのではとコメント。
そして、 5着入賞を果たした、④番のイフェイオンですが、前走の「桜花賞競走」からポジションを 6つ上げた事で、ひとまず、リベンジを晴らした形にはなったものの、前の馬 2頭の内側にささってしまった影響を受けたのは仕方ないとはいえ痛かったと思います。 それがなかったら、表彰台圏内も有り得たと思うものの、それでも立て直して入賞圏内に入った事を考えた訳ですから、頑張ったと言えるでしょう。
鞍上の西村淳也騎手は「一度『桜花賞競走』を使って、良い意味でガス抜きになりました。返し馬は少しファイトしていましたが、レースは手の内に入っていました。女の子ですが、これだけ良いメンバーで掲示板を取れましたし、今後の未来は明るいと思います。楽しみです。」と今後も期待出来るコメントをしていました。

また、調教師となった福永祐一調教師が初めてGⅠ競走に送り込んだ形となったのが、番のチャンネルトンネルでしたが、 4コーナーで中団よりも少し後ろのポジションになったものの、直線では隙間を縫う形でジワジワと伸びて来たものの、イフェイオンに並ぶ直前でゴールとなってしまい、入賞圏内には入れずの 6着敗退に。
ただ、福永調教師は「まだ完成途上で、最後よく差を詰めてくれた。期待通りの内容。(初GⅠ競走でしたが)特に他のレースと変わらなかったですね。」とコメントし、鞍上の岩田望来騎手は「キツいローテーションの中、テンションが爆発することなくレースを迎えられました。ギリギリの状態の中、いい内容でよくここまで頑張ってくれました。秋にパワーアップした姿を見せられれば。」と秋に期待出来るコメントをしていました。

一方、期待していた、③番のディスペランツァでしたが、直線では前のゴンバテをマークする形で追ったものの、アウトにいたウォーターリヒトにインに寄られてしまい、進路をカットされてしまった所があったみたいで、逆にマークしていたゴンバテとの差が広がってしまったのが痛かったかもしれません。 鞍上の鮫島克駿騎手も「外に出して、いざ伸びかけるというときに、内の馬が外に出てきて、僕の馬の目の前に入って、引っ張らなくてはいけない不利がありました。内枠でしたが、最後はしっかり外に出して末脚を生かしたいなと思っていたので、外に出し切った所でのあの不利は痛かったです。」と無念のコメントをしていたくらいだったので、あれがなければ入賞圏内に入れた可能性はあったでしょう。 次戦以降の巻き返しに期待します。

後、直線でアスコリとマスクの内側の斜行のとばっちりを受けた形となった、番のボンドガールと番のキャプテンシーも今回のレースについては不満もあるでしょうが、まあ、両馬ともペースを作る形となっていたので、直線では余力的にも厳しかったかもしれません。
まず、17着敗退となったボンドの鞍上であるレジェンド~武 豊騎手は「直線で内から抜け出しかけて、いい形だったんだけどね。アンラッキーだったね。」とコメントし、最下位の18着敗退となった、キャプテンの鞍上のミルコ・デムーロ騎手は「調教の段階からテンションが高かったですね。途中まで行きっぷり、手応えが良かったのですが、直線に向いてからファイトしてくれず、不利もありました。」とコメントしてはいましたが・・・、心中や如何にという所でしょうか。

後は、お馴染み、霞 券五郎先生の動画を。