さて、ナンバー2905のブログにも書いた通り、昨日は、中山競馬場でジャンプの最高峰レースでもある、「農林水産省賞典第26回中山グランドジャンプ競走」〔4250m・芝(障害コース→平地外回りコース[Bコース]・障害飛越数=12個)・中山・J-GⅠ・12頭〕が行われました。
 

 

 

 

 

予想印での予想などは、ナンバー2905のブログに書いたので省きますけど、今年は現在の障害界で横綱格を張る 3頭~番のマイネルグロン、番のイロゴトシ、番のニシノデイジーのバトルで、スンナリと決まるのか。 それとも、他の 9頭のうち、重賞ウイナー経験馬の中で表彰台の一角を獲るのかという辺りに期待しつつ、個人的には現在の東の横綱格のマイネルグロンが強さを発揮しつつ、イロゴトシとニシノデイジーが、どこまで迫れるのかという展開予想を頭の中に入れながらも、毎度の事ながら、全馬が無事に完走する事を祈りつつ、レースを見ましたが・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


と、いう事で、今年も番のイロゴトシ[牡7](63.0kg 黒岩 悠騎手騎乗)が 4分47秒 2のタイムで優勝し、J-GⅠ競走 2勝目を達成すると共に同一レース連覇を成し遂げました。
 


レースは、番のワンダークローバーとマイネルグロンがスタート失敗という形となって後方から行く形に。 先頭争いは 2年連続で、番のビレッジイーグルがハナを奪い、すかさず、 7枠の 2頭~番のギガバッケンとニシノデイジーが番手争いをしながらつける形で最初の両面土塁障害(第⑤号障害)を順回りで飛越して行く。 正面スタンド前では番のジューンベロシティがインから上がって 3番手に上がり、デイジーはアウトから 4番手。 その後ろには②番のエコロデュエルと番のタマモワカムシャが並ぶ形で水壕障害(第①号障害)を飛越。 更にイロゴトシと番のフロールシュタットが追走しながら、 1度目の片面土塁生垣障害(第②号障害)を飛越して行くが、ここでタマモワカムシャが飛越後にバランスを崩してしまい、鞍上の中村将之騎手は落馬してしまい、馬もアウト側に逸走する形で競走中止。 11頭になった状態でレースは進むが早くも縦長の展開に。
1~ 2コーナー中間にある片面土塁障害(第③号障害)を 1回目として越え、 1号坂路を下った時点ではビレッジが先頭、ギガバッケンが番手となり、ジューンが インで3番手をキープし、デイジーはアウトで 4番手だが、差はない。 更にエコロがイン、イロゴトシが真ん中、フロールがアウトに並ぶ形でついて行き、グロンと番のダイシンクローバーが差がなく続き、後方は番のポルタフォリオとワンダークローバーという形だ。  2号坂路を超えた所で、デイジーが番手に上がりながら最初の難関の大竹柵障害(第⑥号障害)を全馬が無事に飛越して逆回りに。
飛越後にデイジーがビレッジを交わして先頭に立ち、差を広げ始める。 ビレッジは後述の通り、デイジーに交わされたら番手に下げて追う戦法を取って行く。 その後ろはジューン、ギガと続き、イロゴトシが 5番手に上がって、両面土塁障害(第⑤号障害)を左側から飛越して 3号坂路を下る。 イロゴトシの後ろにエコロが 6番手におり、グロンとダイシンが並んで追走。 フロールが 9番手に下がり、ワンダーとポルタは相変わらずの後方のままで、再び 2号坂路を越えて、もう 1つの難関である、大土塁生垣障害(第⑦号障害)も、11頭が無難に飛越。  順回りに戻って、 2度目の片面土塁生垣障害を 2つ(第②号障害&第③行障害)飛越した後では、デイジーは更に差を広げ、ビレッジが番手。 イロゴトシが 3番手に上がって追走する。 イロゴトシのインにジューンが並び、少し離れてエコロが 5番手。 ダイシンとグロンは中団まで上がって来ているが、グロンは 2号坂路を上る時点でレジェンド~石神深一騎手の手綱は押しているが加速がつかない。
2度目の 1号坂路を越えた後、平地の外回りコースに移って、最初の置き障害(第⑧号障害)を飛越するが、デイジーの飛越が低くなってしまい、この隙にビレッジとイロゴトシがアウトから並んでいき、 3コーナー手前では 3頭が並ぶ形となる。 その後ろはジューンとエコロが続き、グロンも加速して行こうとするが、先頭との差は離れており、このままでは表彰台圏内も厳しいかもしれない展開だ。 残り800mの地点でバテたデイジーをビレッジが交わして、再び、先頭に立つが、すかさずにイロゴトシがギアを入れ替えてビレッジを交わして先頭に立つ。 ビレッジがが番手。 バテつつあるデイジーだが、そこは西の横綱の番付にいる以上、昨年のような無様な敗退は許されないという思いもあるのか、必死に粘りを見せつつ、 2つ目の置き障害(第⑨号障害)を飛越する。 ただ、デイジーにしてみれば、後ろのジューンとエコロ、更にグロンは、かなり離されているので、デイジーにしてみれば、何とか、表彰台圏内には留まりたいと思っているだろうか。
4コーナーを回って最後の直線へ入り、イロゴトシを先頭で差を広げながら、最後の置き障害(第⑩号障害)を飛越する。 番手争いはバテバテ状態になったビレッジをデイジーが再び、交わして番手に上がるが、アウトからジューンとエコロが伸び、グロンも東の正横綱の番付のプライドから、せめて、入賞圏内に入ろうと意地を見せるが、最終障害の飛越が微妙だった事と、ジューンがバテバテで、外にヨレてしまった事から、進路をカットされてしまった影響で伸び切れない。 100mを切った時点でイロゴトシはセーフティリードを築いており、後は番手争い。 インでデイジーが粘りに粘るが、ジューンも態勢を立て直しつつ、秘術を尽くして森騎手が手綱を押し、デイジーを交わした所で、態勢が決した。
今年も消耗戦となったバトルを尻目にイロゴトシは後続に 3馬身の差をつけて、史上 4頭目となる「中山グランドジャンプ競走」連覇を成し遂げた訳です。
正直に言って、イロゴトシは良くて表彰台圏内には入るかもだけど、優勝争いまでは難しいなという思いもあり、△印評価にしていました。
それは、昨年の、このレースを制覇した後の「東京ハイジャンプ競走」が体たらくな結果に終わった事が、どうも、引っかかるものがあったからです。
その件に関して、管理調教師の牧田和弥調教師は「夏負けから戻し切れなかった。」と振り返り、鞍上の黒岩 悠騎手も「去年は勝ってから、順調に来られたわけではなかった。」と言ってたくらいなので、その結果、暮れの「中山大障害競走」は断念せざるを得なかった訳です。
今年初戦は平地の条件競走に挑み、結果はともかくだけど、この 1戦を使った事でグンと状態が良くなって、時期的にも走りやすいのかもしれません。 また、このレースを 1度、勝っているという心の余裕もあったやも。
昨年に続いての連覇達成となった、鞍上の黒岩騎手はレース後のインタビューにおいて、「自分のことよりも、この馬がやっぱり強いというところを見せられて嬉しいです。後ろにマイネルグロンがいましたが、この馬のリズムを守っていこうと思っていたので、さほど気にはなりませんでしたし、前が速いペースで飛ばしていましたから、捕まえられればと思っていました。交わすのに苦労しましたが、よく頑張ってくれました。この馬への期待は大きいものがありますし、馬に負けないように精進したいと思います。」とコメント。 改めて、横綱格として恥じないレースが出来た事に嬉しさと共に安堵する感じかなと思いましたが。
余談で、昨年の、このレースを勝った際に、その時の段階では関脇クラスと書いてたけど、色々考えてみて、J-GⅠ競走を制するのは並大抵ではないので、改めて、横綱という番付が相応しいのではないかと判断しました。

恒例の全着順。(←左から、着順・枠番・馬番・馬名・所属・性別&年齢・負担重量・騎手名・タイム・着差・コーナー通過順位・平均1Fタイム・馬体重・調教師名・単勝人気)

01 6緑 ⑧ イロゴトシ 牡7 63.0 黒岩 悠 4:47.2  3-3-1-1 13.5 468(-8) 牧田和弥 2
02 1白 ① ジューンベロシティ 牡6 63.0 森 一馬 4:47.7 3 4-4-4-4 13.5 466(±0) 武 英智 5
03 7橙 ⑩ ニシノデイジー 牡8 63.0 五十嵐雄祐 4:48.1 2 1/2 1-1-3-3 13.6 504(-2) 高木 登 3
04 2黒 ② エコロデュエル 牡5 63.0 小野寺祐太 4:48.8 4 5-5-4-4 13.6 474(-2) 岩戸孝樹 4
05 5黄 ⑤ ビレッジイーグル 牡7 63.0 大江原 圭 4:49.1 1 3/4 2-2-2-2 13.6 512(-4) 竹内正洋 6
06 4青 ④ マイネルグロン 牡6 63.0 石神深一 4:49.3 1 1/2 7-6-6-6 13.6 514(-2) 青木孝文 1
07 8桃 ⑫ ダイシンクローバー 騙8 63.0 高田 潤 4:51.5 大差 6-6-7-7 13.7 490(+6) 高橋一哉 7
08 7橙 ⑨ ギガバッケン 騙9 63.0 伴 啓太 4:55.2 大差 8-8-8-8 13.9 536(±0) 岩戸孝樹 9
09 8桃 ⑪ フロールシュタット 牡5 63.0 上野 翔 4:56.4 7 9-9-9-9 13.9 468(-8) 戸田博文 11
10 3赤 ③ ワンダークローバー 牡6 63.0 難波剛健 5:06.6 大差 10-9-10-10 14.4 474(+4) 森田直行 8
-- 5黄 ⑥ タマモワカムシャ 騙5 63.0 中村将之 競走中止  474(-10) 川村禎彦 12
-- 6緑 ⑦ ポルタフォリオ 牡6 63.0 小牧加矢太 競走中止 11-11-11-11 492(-4) 角田晃一 10

タイム
上り 1マイル 1分 46秒 4 4F 52.9 - 3F 40.4

コーナー通過順位
1コーナー(2周目) 10=5-8-1-2-12,4-9-11-3=7
2コーナー(2周目) 10=5-8-1,2-(12,4)=9=(11,3)=7
3コーナー(2周目) (5,*8)10=(1,2)-4-12=9-11-3=7
4コーナー(3周目) 8-5,10-(1,2)-4=12=9=11=3=7

さて、イロゴトシが、昨年に続き、連覇を達成する形になり、東の張出横綱から正横綱になるかなと思われる、今年の「中山グランドジャンプ競走」でしたが、結論からすれば、今年も単勝 1番人気馬が、吹っ飛んでしまった形になったし、中団より前のポジションにいた馬達で入賞圏内を独占したなと。

まず、 2着表彰台に入った、番のジューンベロシティは終始 4番手の位置で推移し、最後の直線では外にヨレながらも立て直して追い上げ、キッチリと表彰台の一角を獲った事は近走 4走からしても安定した成績を残している結果だし、重賞ウイナーだからこそ、頑張れた結果でしょう。 テン乗りとなった鞍上の森 一馬騎手は「初めての騎乗だったので、厩舎関係者やこの馬に乗っていた先輩に相談させてもらいました。レース前にコミュニケーションをとり、馬や関係者のおかげで頑張れました。イメージ通りのレースが出来ました。勝ち馬は強かったですが、この馬もこれから更に良くなってくると思います。」とコメント。
昨年の「中山大障害競走」からポジションを 3つ上げてる訳ですから、着実にパワーアップしているので楽しみではあります。

次に 3着表彰台に入った、番のニシノデイジーですが、昨年はスタート失敗という形のツケと道悪馬場に泣かされた形の惨敗でしたが、今回は良馬場でスタートも決まり、途中からハナを奪って、自分のペースで行けましたが、西の横綱という立場からマークされる側であるうえ、 3~ 4コーナー中盤辺りで余力がなくなった感はあったものの、そこは横綱、直線でもインで粘りに粘り、 3着表彰台に入ったのですから、ひとまずは昨年 9着敗退のリベンジを晴らしたものの、昨年暮れの「中山大障害競走」の 2着表彰台からは 1ポジション下がったのですから、まあ、意地は魅せたものの悔しさもあったでしょう。
鞍上の五十嵐雄祐騎手は「スタートが決まって、リズムがすごく良くて、障害飛越も大きなミスがなく外回りコースまで行きました。その後は馬のスピードに任せてリズム良くいけました。今日、これは良いところがあるなという手応えのまま、(平地の)外回りコースに出たのですが、外回りコースの 1個目の障害で跳んでほしい所から跳ばず、一歩入れてしまったので、そこで少し飛越のロスがありました。その後に勢いがなくなってしまいました。手応えはまだ残っていましたが、そのミスが最後まで響いてしまいました。それでもビレッジイーグルをまた交わしてくれましたし、良かったかなと思います。馬の力は出し切りました。悔いない競馬ができました。まだまだ頑張ってくれそうです。」と第⑧号障害の飛越の拙さで勢いがそがれたのが敗因と分析をしていました。

更に、 4着入賞となった②番のエコロデュエルも終始 5番手以内のポジションを位置して、かなり、粘っていたのですが、最後の直線で余力がなくなってしまい、脚色が入賞圏内にいた馬達と一緒になってしまったため、ポジションキープが精一杯となり、最後はビレッジを交わして入賞圏内に留まるという結果になりました。 昨年暮れの「中山大障害競走」よりも 1ポジション下がったのは残念だけど、前走の「阪神スプリングジャンプ競走」で優勝した横綱~マイネルグロンよりも前のポジションでゴール出来たのは救いだったかも。
主戦の草野太郎騎手が 3月末のレースの時に落馬負傷してしまい、テン乗りとなった鞍上の小野寺祐太騎手は「代打騎乗だったので、悔いのないように乗りたいと思っていました。一番強い馬を見ながら正攻法の勝負で、最後は流石に苦しくなりましたが、力は出せたと思います。まだ若い馬ですし、難しい面もありますが、先が楽しみです。」とコメントしていましたが、出来る事なら、次戦も騎乗して、更なる結果を出したい所かも。

また、 5着入賞となった、番のビレッジイーグルですが、昨年同様、序盤はハナを切って逃げたものの、途中でニシノデイジーに交わされてからは息も付けてマイペースで走れた事もあり、 2周目の 3コーナーでバテたニシノデイジーを交わしてからは粘りを見せたものの、優勝したイロゴトシにマークされた分、最後の直線で余力がなくなり、我慢に我慢を重ねた結果、何とか、マイネルグロンの追い上げは封じ込めた形で入賞圏内に留まったし、昨年の 7着敗退よりも 2つ、ポジションを上げれたのは良かったかもしれません。 鞍上の大江原 圭騎手は「スムーズにハナに立てましたが、先生と『ニシノデイジーが途中から来たら 2番手でも。』と話していて、その通りニシノデイジーが来たので 2番手から進む形でした。手応えもよくいい感じでしたが、勝ち馬が上がって行った時に一緒に上がる形になりました。もう少し待てればよかったのですが、最後は厳しくなってしまいました。飛越は最後まで上手でした。」と、飛越の巧さで救われた感もあったのではないかとコメントしていました。

一方、単勝 1番人気に支持されながらも、 6着敗退・・・と、いう結果に終わった、番のマイネルグロンですが、まるで昨年のニシノデイジーみたいにスタート失敗という形となってしまったのが痛かったと思います。 道中も、ずっと追っ付け通しだったし、終始 6番手前後のポジションのままで動けなかったという感も思えました。 最後の直線では、せめてでも入賞圏内に入ろうと頑張ったものの、ジューンベロシティがアウトに寄れた影響で進路をカットされた事も痛かったかもしれません。 それまで 5連勝していた勢いが、今回は全くなく、らしくないレースになってしまったという不完全燃焼に終わったのには呆然としてしまいました。 スタートの躓きが最後まで影響してしまったのでは、流石のレジェンド~石神深一騎手でも手の打ちようがなかったかもしれませんが、昨年のニシノデイジーに続いて、またしても人気馬で入賞圏外に終わったという結果にはレジェンドとしても悔しさが増してしまったやもしれません。 
レース後のレジェンドのコメントは「行きっぷりがあまり良くなかったですし、大竹柵を越えてからも終始追っつけ通しでした。飛越自体は、そんなに厳しさはありませんでした。最終障害を跳んだところで、脚を痛めました。戻ってこられるケガだったら良いのですが・・・。」との事。 第⑩号障害の置き障害を飛越した際、バランスが崩れたように思えたんですが、そこで怪我をしてしまったみたいですが、今回は調子的にも良くなかったかもしれません。 怪我の程度が、どこまで酷いのかは判らないけど、しっかりと立て直して欲しいと思いますし、おそらく、番付的には東の張出横綱格になっちゃうかなと思うので、暮れの「中山大障害競走」連覇に向けて、どう、巻き返せれるかが今後のカギとなるのではないでしょうか?。

 

後は、イロゴトシのジョッキーズカメラカメラの動画を。