さて、今週末は、土曜日曜と、中山競馬場において連続でGⅠ競走が行われますが、まず、明日(13日)は、「農林水産省賞典第26中山グランドジャンプ競走」〔4250m・芝(障害コース→平地外回りコース[Bコース]・障害飛越数=12個)・中山・J-GⅠ・12頭〕が行われます。
 


 

 


(↑昨年の覇者、②番のイロゴトシ。)

毎年、書いている事だけど、1999年(平成11年)、それまで、平地競走にしかなかったグレード制を障害競走にも適用する事になりましたが、やはり、中山で行われる、春秋の障害重賞競走は、J-GⅠ競走に指定される事になりました。
ただ、春の時期に行われる、このレースと、暮れに行われる、「中山大障害競走」は、同じ中山競馬場で行われるものの、似て非なる形であると、今でも思っています。

距離が150m違っている事、まあ、これは一部の障害コースを使用しない(←竹柵障害[第④号障害は飛越しない、 3度目の③号坂路を走らない。])代わりに、平地の外回りコースに置き障害 3つを置くという形(←このレース以外でもオープン特別競走の時にも使うケースが出て来ました。)など、微妙な部分においての違いはあるし、また、少し、脱線するけど、大竹柵障害(第⑥号障害)の幅を10cm広げた事で、障害の難易度が、やや、緩まった事もあり、これまで、かなり、多かった、この障害での落馬の頭数が激減した事もあったりします。 それでも、このレースが、かなり、過酷である事は間違いないですが・・・。

さて、今年ですが、まずは枠順から。

 


昨年は10頭と一応、体裁は整った感じがしたように思えましたが、今年は12頭とまずまずではないかと思います。
以前から、私は現在の障害競走界の状況を大相撲の番付の形でイメージしてしまうクセを持っているのですが、一昨年までは平成の大横綱と言われたオジュウチョウサンが強さを発揮していましたが、そのオジュウチョウサンに引導を渡したのが、一昨年暮れの「中山大障害競走」を制したニシノデイジーでした。
しかし、昨年春の、このレースでは、そのニシノデイジーがウソみたいな凡走に終わって、イロゴトシが優勝し、早くも風雲急を告げる乱戦模様になるかと思いきや、秋になって、ニシノとイロの両横綱に土をつけ、王者となったのが、昨年暮れの「中山大障害競走」を制したマイネルグロンでした。
現在的には東の横綱がマイネルグロン、西の横綱がニシノデイジー、そして、東の張出横綱がイロゴトシといった所でしょうか。
後は障害の重賞競走を優勝した経験のあるエコロデュエル辺りが絡んで来そうな予感はしますが、今年は、J-GⅠ競走を制した横綱の三つ巴争いになりそうな気配が強そうだと感じつつ、このように予想印を付けてみました。


 

◎印=番 マイネルグロン
○印=番 ニシノデイジー
▲印=②番 エコロデュエル
△印=番 ビレッジイーグル
△印=番 イロゴトシ
×印=番 ジューンベロシティ

本命は、番のマイネルグロンで仕方ないかなと思います。

 


令和 3年(2021年)から障害入りしたマイネルですが、これまでの戦歴で入賞圏外に敗れたのは、未勝利戦を抜け出して、いきなり、重賞に挑戦した「新潟ジャンプステークス競走」(新潟・3250m戦)での 9着敗退だけ。 でも、この挑戦が、その後の活躍の礎になった事だけは間違いなく、以降の戦歴は 7戦して全て表彰台圏内に入っており、しかも、現在 5連勝中だとなれば、ケチのつけようがない。 しかも道悪馬場でも良馬場でもキッチリと勝っている。 重賞競走も昨年秋の「東京ハイジャンプ競走」(府中[東京]・3110m戦)、暮れの「中山大障害競走」(中山・4100m戦)、そして今年初戦となった「阪神スプリングジャンプ競走」(仁川[阪神]・3900m戦)と 3連勝しているので、今回も十分に主役を張れる事は間違いないでしょう。 後は 2周目以降の平地コース&置き障害だけが初経験となりますが、鞍上が障害界のレジェンド~石神深一騎手なので、今回も盤石の強さを魅せてくれるのではないかと思います。

次に対抗ですが、迷った結果、番のニシノデイジーにしました。

 


昨年の、このレースと秋初戦となった「東京ハイジャンプ競走」では、全くと言っていい程、見せ場も作れずの 9着&11着敗退に終わったのですが、この 2戦は馬場が悪かったという一語に尽きますし、ハナを奪えなかったという点も惨敗に拍車がかかったかもしれません。
それが証拠に暮れの「中山大障害競走」と今年の「阪神スプリングジャンプ競走」ではハナを奪って逃げを打ち、結果的にはマイネルグロンには敗れたものの、前者は 2着表彰台、後者は 4着入賞と良馬場で先手を奪えれば、キチンと残せるという事は証明できたと思います。
中山の大障害コースも経験済みですし、明日は良馬場で行われる可能性も高く、鞍上の五十嵐雄祐騎手も乗り慣れていますから、「打倒!、グロン。」の筆頭として巻き返しを期待出来るのではないかと思います。

更に、 3番手評価となる、▲印評価は、②番のエコロデュエルにしました。

 


昨年の 5月から障害入りして以降、入賞圏外は 2度。 デビュー戦の 7着敗退と初重賞挑戦となった、「阪神ジャンプステークス競走」(仁川・3140m戦)の10着敗退だけでがありましたが、 3走前の「京都ジャンプステークス競走」(淀[京都]・3170m戦)で優勝してからは勢いがつき、「中山大障害競走」で 3着、今年の「阪神スプリングジャンプ競走」で 2着と 3連連続で表彰台圏内と安定した成績を残している点はプラス。 中山コースと63kgの斤量も経験済みなので、後はマイネルグロンやニシノデイジーなどの超一流馬を相手に己の実力が、どこまで通用するかどうかでしょう。
 
更に△印評価は、番のビレッジイーグルとディフェンディングチャンプである、番のイロゴトシにしました。

 

 


まず、ビレッジイーグルですが、障害のオープン特別などでは強さを発揮している(←前走の「ペガサスジャンプステークス競走」[中山・3350m戦])ものの、重賞競走になると善戦はするものの、表彰台までは届いてない感がします。
中山の大障害コースは 5度、挑戦していますが、昨年の、このレースでは不良馬場にやられてしまった感の 7着敗退だったものの、それ以外では入賞圏内に入るのが精一杯。 最上位は 4着という点から判るように、ある意味、障害界のリカルド・パトレーゼ、いわゆる善戦マン的な感じになっています。 経験豊富な所と昨年秋の新潟の条件競走(2400m戦)で優勝経験があるのはプラス材料。 今回は横綱が 3頭、出ているので表彰台圏内は厳しいかもしれないものの、展開次第では、その可能性もあるかも。
一方、ディフェンディングチャンプである、イロゴトシですが、昨年の、このレースを勝った後、東の横綱として挑んだ「東京ハイジャンプ競走」では休み明けだったという点を割り引いても、らしくない走りになって 6着敗退。 このため、暮れの「中山大障害競走」はパスして、今年初戦は平地の条件競走に挑んだものの、1800m戦と距離が短った事もあってか、13着敗退と仕方ないとはいえ、ちょっと、酷いかなと。 ただ、一度、使った効果はあると思うので、どこまで挽回出来るかが試されると思いますけど、良くて表彰台圏内に留まりそうな予感かなと。

そして、心情的評価である×印評価は番のジューンベロシティにしました。

 


この馬も一昨年の秋から障害入りし、昨年夏の「東京ジャンプステークス競走」(府中・3110m戦)と秋の「阪神ジャンプステークス競走」を制しているので、実力的には、それなりのポテンシャルがあるかなと思います。
ただ、まだまだ、J-GI競走で表彰台を狙えるレベルまでは備えてないのかなと。
秋の「東京ハイジャンプ競走」では 4着、暮れの「中山大障害競走」では 5着と入賞圏内には入るものの、それが精一杯の状況。 まあ、昨年の、このレースでは 6着敗退でしたが、初めての重賞競走だったという点もあったので仕方ないかと思います。
今年の初戦は昨年同様、小倉の「春麗ジャンプステークス競走」(3390m戦)でしたが、これまた、昨年に続いての 2着表彰台ではありましたが、 1度、使った効果はあると見ていいでしょう。 今回も入賞圏内に終わった場合は、おそらく、63kgという斤量がネックになってしまっている可能性もあるやもしれませんが、果たして・・・。

と、いう事で、印を付けた馬は以上ですが、印をつけなかった馬の中での要注意馬は、昨年は△印評価した、番のダイシンクローバーかなと。

 


ダイシンクローバーは昨年 5月の「京都ハイジャンプ競走」(淀・3930m戦)を制した事で重賞ウイナーの仲間入りを果たしましたが、この馬も、どちらかと言えば、ポジション的には前にいて自分なりの走りが出来れば好結果を残せますが、そうでない時は表彰台どころか入賞圏内がやっという感じ。 「京都ハイジャンプ競走」を制覇後は「東京ジャンプステークス競走」では 8着敗退、「京都ジャンプ競走」でこそ 4着入賞と気を吐いたものの、暮れの「中山大障害競走」は後方からの競馬になってしまった事もあり、入賞圏内に入り切れずの 6着敗退に終わったから、好不調の波が激しいかなという感じも。
ただ、中山の大障害コースを経験している点はプラスなので、後は前のポジションを手にして、どこまで粘れるかがカギでしょうか。

何れにしても障害競走では落馬がつきものなので、まずは12頭全馬が無事に完走してくれる
事を祈りたいと思います。