職場の施設に先日入居したおじいちゃん…。
入居して1週間になるが、毎日夕方になると「なんでここにいるのか訳が分かんねぇ…」と言って、施設内をウロウロ歩き回っている。
その都度、施設に来た経緯を説明しているが、何度説明しても、ちょっと納得したような様子があっても、すぐにまた「訳が分かんねぇ…」と歩き回る。
このおじいちゃんに、若い頃の仕事の話を聞いていて、「ところで●●さんは、いくつになったんですか?」と聞いてみた。
すると、
「ん?58…」
との答えが返って来た。
本当の年齢は86歳なのだが…。
「58…」
ふと考えてみて、自分の今の年齢だ…と思った。
自分は今「58歳」の世界を生きている…。
と思っているけど、もしかしたら自分が思っている「58歳」の今は、夢の中の世界で、本当は自分の意識が及ばない世界があって、そっちが本当の世界だったりして…。
認知症の人って、そんな世界を生きているのかも…。
なんて、そんなことを思った。
自分もこのおじいちゃんのように、本当の世界では「訳が分かんねぇ…」って歩き回っているのかもしれない。
本当の世界…って、どっちが本当なのか…?