9月になると毎年、季節の変化を実感した瞬間のことを思い出す。
31年前の今頃…、自転車で九州にいた。
そこからフェリーで四国へ渡って、高知県宿毛市の海が見える公園のような場所で野宿をしていて、朝が来た時の肌寒さを今でもよく覚えている。
灼熱の炎天下の8月を自転車の旅の中で過ごし、9月に入って感じたあの秋の気配…。
毎年毎年、9月になるとあの時の感覚が蘇ってくるのだ。
あの時、野宿をしていた公園のような場所はどこだったのだろう…?
そんなことを思って、googleマップで探してみた。
宿毛のフェリー到着港から、ストリートビューで道を辿ってみて、おそらくここだろう…?という場所を発見した。
深夜にフェリーが港に着いて、自転車で寝られそうな場所を探してここを見つけた。
この公園のような場所のベンチで仮眠を取っていて、朝寒くて目が覚めたのだ。
まあ、寒かったのはこの時だけで、ここから荒々しい高知の海岸線を走って行った数日間は、また炎天下だったのだが…。
でも、あの時あの公園のベンチで感じた季節が変わる実感は、ずっと忘れられないのだ。
今日、ストリートビューで見つけたあの場所…。
いつか、また訪れたいと思った。
できれば、同じ時期の同じ時間に、あの場所にいてみたい。
もしかしたら、その時にあの自転車の旅のあの日に戻れたりして…。
なんて、そんなSF的な想像をしていたら、ちょっと楽しくなった…。
季節の変化を感じる瞬間、そんな実感を人生の中で何度感じられるのだろうか…。
考えてみれば、人生の中でも季節の変化があると思う…。
なかなか気付けないものだろうけど…。