「入ってくるお金」と、「出て行くお金」…。

単純に「入ってくるお金」で、「出て行くお金」が払えなくなったらやっていけなくなります。

…ただ、これだけのことです。


会社を作って、最初からこの状態であればすぐに止めればいいのです。

ところが、ある一時期でも「入ってくるお金」で、「出て行くお金」を払って、その後に「残ったお金」をたくさん持った経験をしてしまうと、お金が足りなくなってもなかなか止めることができなくなってしまうのです。


いざ、お金が足りなくなる…。

とりあえず、このピンチを乗り越えれば、何とか持ち返せるはずだ!

…と、銀行からとりあえずその場をやりくりするお金を借りたり、払わないといけないお金をちょっと待ってもらったりします。


こうした一時的なやりくりで、その後業績が上がって持ち直せば良いのですが、こうしたことが何度も繰り返し起こってくると、これはもうカウントダウンが始まることになります。


私の場合、お店を何店かやっていた訳ですが、業績悪化、資金繰りのピンチを「新規出店」で劇的に改善しようとしました。

会社全体の業績がまだそれ程悪化してない時、資金繰りはピンチでも決算において黒字を確保できている時であれば、銀行は新規出店の融資に充分協力的です。

資金繰りがピンチなんて、説明の中でどうにでもクリアできてしまうのです。

そうして、新店を出していく。

表面上は、業績好調で出店…と見られ、華やかに見えているのですが、実は裏ではどんどん逃れられない深みにはまっていっているのです。


赤字店舗があるのに、それをそのままで新規出店する…。


倒産へのカウントダウンは、一気に進んでいきます。