気になったのでインストラクターに聞いてみた。
「リリーの左脇腹に傷がありますがどうしたのですか」
「あれは若い会員さんが乗った時、拍車で傷つけたんですよ」
「１回ぐらいであんなに傷がつくもんですか」
「２０歳台と若いから力がすごいんですね」
・
若い会員さんの言うことを聞かなかったから、仕方がないのか
な。私が乗るようになったのでだいぶん良くなったので、だれ
が乗っても言うことを効いてくれるようになるといいのだが。
・
常歩から軽速歩に移行したがスピートがなかなかあがらない。
ムチをお尻に打つと嫌がったので、たまには肩に軽く打ってみ
ようかな「バチ」。すると反応良く加速した。馬の目は横につ
いているので、横に振り上げただけでピクッと動くようだ。
・
駈足に移行するときどうしても最初は動きが悪いので、同じよ
うに肩に軽くムチを打つと良く効くので尻と肩の両方を使う。
駈足の最初は、内方脚でお腹を「ポン」と蹴りながらリズムを
とる。後半になると内方脚を使わなくても、リリーはひとりで
どんどん走りだすので私はだいぶん楽になった。
・
「リリーよく走った」と、ホースでお湯をかけながら体を洗っ
てやると、うれしそうに微笑んだ。顔にもお湯をかけて口元に
もかけるとのどが渇いたのか「ガブガブ」とお湯を飲む。口を
開けて、歯をむき出すこの笑顔は頑張ったものの勲章だ。
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