新たに開発した新型ロケットＨ３の打ち上げは失敗した。
搭載していた地球観測衛星「だいち３号」も失われ、大きな打撃で
あり、ＪＡＸＡ（ジャクサ）と三菱重工業などの責任は重いだろう。
打ち上げ後、第１ロケットを切り離すまでは順調だったが、第２エン
ジンが着火せず、予定の軌道に乗ることが不可能になった。
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先月は、発射寸前に制御機器が異常な信号を検知し、打ち上げが
自動的に中止された経過があった。Ｈ３開発では、第１エンジンのト
ラブルの解決に手間取り、打ち上げが予定より２年遅れた。しかし
失敗した第２エンジンは、従来の主力ロケット「Ｈ２Ａ」と大きく変わ
らず、なぜ今回に限って失敗したのだろう。
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Ｈ２Ａは、９８％の高い打ち上げ成功率を誇り、正確さも評価されて
いた。ただ費用が１００億円と高く、競争力で見劣りしていた。一方
Ｈ３は、低価格の自動車用電子部品を転用するなどして費用を５０
億円に抑えた。こうしたコスト削減が失敗を与えたとすれば残念だ。
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近年は国際的に人工衛星の打ち上げ費用が下がり、宇宙開発を巡
るビジネスは活発化している。日本も早くスタートラインに立たなけ
れば、ますます世界との競争に乗り遅れることになる。JAXAは、今
回の失敗に過度に萎縮することなく、一日も早く再挑戦に向けた新
しい体制を作ってもらいたい。
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