総選挙が終わって4日が経ちました。
メディアをはじめ、実に様々な人たちがこの選挙を総括していますね。
選挙の結果を要約すると、
圧勝したのが「自民党」、というより「高市政権」。
大敗したのが「中道」、というより「旧立憲民主党」ということになります。
そしてその原因については、
立民と公明の合併策が裏目に出たとの見方に集約されるわけですが、
これに関しては私も異論なしです。
しかしなぜここまでの極端な数字の開きがあったのか、
私なりのその要因をこれから考えるわけですが、その前に、
選挙とはすなわち、大半の有権者にとって「娯楽」であると定義しておきます。
実際、地上波全局が選挙特番を組むということは、
それだけ視聴者も多い国民総出の行事です。
そしてその視聴者は、贔屓の候補が勝って歓喜する姿以上に、
アンチの「泣きっ面」を拝むことでより一層興奮を増幅します。
つまり選挙特番は報道番組であると同時にエンタメでもあります。
インタビュアーに芸人を起用したり、
わざわざ炎上を導き出すようなコメントが飛び出すのも演出の範疇と考えます。
それに反応するSNS上では「●●候補比例でも負け~!復活ならず、メシウマ~!」
なんてコメントが溢れる。
人によっては開票日の夜は大晦日以上に長い夜かもしれない。
アンチの「泣きっ面」に関連してですが、
最近YouTubeを開くと古いドラマの名場面(ショートカット)がよく出てきます。
半沢直樹が憎き上司を土下座させるシーンなんかは、
私にとってデスクワークの合間の清涼剤になったりするわけですが、
特に半沢直樹のこういうシーンが快活で秀逸なのは、
悪役の演出と、悪役を演ずる役者の演技力が卓越していることです。
さて、選挙にはその種別と執行理由によって各々の背景がありますが、
戦い方の手法の一つとして「悪役の設定」があります。
報道が入れ込む大きな選挙ほど重要な戦法です。
「正義が悪を裁く」という展開は誰もが楽しめるドラマストーリー、
すなわちこれを選挙に当てはめればよく、
この設定がきれいにはまると投票率も高くなります。
近年、この手法が圧倒的に奏功したわかりやすい例を挙げるとすれば、
安芸高田市長時代の石丸伸二氏の動画配信です。
石丸氏は市長時代に、
市議に対する「恫喝」や執拗な地元メディアへの批判を繰り返し話題になりました。
またその模様を収めた動画は市議や記者の言葉尻を捉えて、
さらに自身の言い分があたかも正義と思わせる恣意に満ちた切り抜きでした。
これを大量に配信し続けることで市議・記者を「愚鈍な悪役」に仕立て上げ、
ネット上で半沢直樹のような「舌鋒鋭いヒーロー」と扱われるようになり、
全国区の有名人になることに成功しています。
解散が事由の総選挙では、
解散の大義名分というところからが始まりですが、
この時、解散権を行使した首相をどれだけ「悪役」に仕立て上げられるかが、
野党側の選挙戦術のキーポイント、
そして反自民オールドメディアの腕の見せ所になります。
もっと言えば、有権者が熱狂する娯楽的要素が高い選挙になるか否かについても、
オールドメディアの報道の仕方ひとつで大筋が決まります。
今回(第51回)は、前回(第50回)の執行から1年3か月しか経ていませんので、
オールドメディアにとってはあまりに「急」だったのではないかと推測します。
解散予告から解散、そして総選挙の公示まで、
起承転結が1か月以内に収まる超短縮日程が発表されました。
その驚きから、誰が最初に発したか「女王の横暴解散」という言葉が生まれ、
高市総理を「独裁」と一斉に非難し、悪役の濡れ衣を着せようと試みました。
ところが結果、これが完全な空振りだった。
老練議員に媚びず、決断力とスピード感を最大限に演出した高市総理は
実に好ましい国のリーダーとして、国民の支持を鷲掴みにしました。
解散総選挙の想定も準備もできていなかった各党代表のコメントを
1月24日の時事通信が伝えていますが、※以下・元記事要約
中道の野田共同代表は「人気のある人に任せてください選挙」と指摘。
国民民主党の玉木代表は「経済後回し解散」と断じた。
れいわ新選組の櫛渕共同代表は「欲まみれ解散」と指弾。
共産党の田村委員長も
「白紙委任をよこせと言わんばかりの党利党略解散だ」と、切り捨てた。
日本維新の会の藤田共同代表は
「連立組み替えによる政策の大転換を評価していただく」として、
「連立組み替え解散」と名付けた。
つまり、突然の解散に対して「受けて立つ」という姿勢を、
どの党も示すことができなかったわけです。
この記事からはさらに、
有権者に訴える政策の目玉についても討議すらできていなかったということが、
はっきり読み取れます。
したがって、オールドメディアが左派の主張を書こうにも、
野党各党からの発信がないから何も書けない。
結局高市総理の言葉尻を捉えて上げ足攻撃するか、
性急な解散総選挙日程を「ズルい」と罵ることぐらいしか
戦うすべがなかったわけです。
よって、高い支持率に支えられた高市総理に対して、
正論ではなく屁理屈で攻めれば攻めるほど、
自分たちこそが「悪役」を演ずることになってしまったわけです。
それに、どこの記者が言い出しっぺなのかわかりませんが、
今回の解散は決して「女王の横暴解散」などではありません。
私は会社の電話番号も自宅の電話番号も電話帳に(わざわざ)掲載していますので、
セールスの迷惑電話もたくさん受けますが、
世論調査の電話も必ずかかってきます。
特に昨年11月ごろから年始にかけては頻繁に調査が行われていたことは事実です。
私は自社でもこのような調査を請け負い、発注することもありますので、
調査主が政党なのか、候補者なのか、メディアなのか、大体わかりますし、
調査の頻度や設問の内容から、
自民党が解散総選挙の最適時期を探り始めたという兆しを感じていました。
高市総理は就任直後から高い支持率を得ていましたので、
周到に、周到に、支持率が伸びていることを確認しながら、
調査を幾度も重ね、数値を盾に解散に踏み切ったはずです。
そして、絶対に勝てる数字の根拠が確認したところで、
1日でも早く解散総選挙を執行する…、
そして自民単独過半数で構成された衆院で次年度予算を編成したい…。
至極当たり前の筋書きだと思います。
(衆院予算委員長は枝野氏だったわけだし…)
故に解散から総選挙公示までを超短期間に設定し、
1日でも早く衆院を通常国会を再開させようとした。
政権側には綿密な準備と作戦があり、その通りに事が進んだと考えられます。
総選挙の私なりの総括はこのくらいにしておき、
今記事のタイトルの「総選挙、真の敗北者は?」を明かしたいと思います。
その答えは「嫌われ度調査を怠った面々」ということになります。
電話帳ベースの支持率調査はどの政党もどの報道機関も必ず行いますが、
嫌われ度調査っていうのにはこれまでに出くわしたことがありません。
2年前に私はブログで、蓮舫氏が都知事選で3位になった要因について、
「知名度は抜群だが嫌われっぷりが破格である」と書きましたが、
今回だって同じです。
安住氏、小沢氏、岡田氏、枝野氏がどれだけ嫌われているのかということを、
旧立民が組織として数字を把握できていないから、
国民の意識とチューニングがずれていることは明白です。
これまで政治意識調査や支持率調査は、電話が専らでしたが、
今後はネットがその幅を広げてくると予想されます。
比例代表制のように、政党が所属議員数を確保するために戦う選挙においては、
アンチが多すぎる人材は立候補させないほうが絶対に良策です。
そもそも重鎮にしてアンチが多いということは、
慢心か強権で組織内においても迷惑な存在のはずです。
私たち有権者は「落としたい人」に投じる1票を持っていませんので、
せめて世論調査だけでも、その意志を示す機会を与えてほしいものです。