人生100年時代の老後資金対策の続きです。
長生きをして莫大になった老後資金を賄うには公的年金だけでは足りません。
そんな時、自宅に住みながら自宅を担保にして金融機関から融資を受け、自分が死んだ後に、その自宅を売却するなどして利用した融資を一括返済するリバースモーゲージという方法があります。
日本では1980年代に一部の自治体や金融機関で導入されましたが、バブルの崩壊で担保割れが生じ、停滞していました。
ところが10年ぐらい前から土地の評価が下がりにくい地域限定で、金融機関のうち一部ですが取り扱いが増えてきました。
生活資金、ゆとり資金、リフォーム資金や高齢者住宅の入居一時金などとして利用されています。
ちなみに事業用資金や投資資金は対象となっていません。
リバースモーゲージで対象となるのは土地付き一戸建て住宅が一般的です。
しかし、一部の金融機関では一部の地域に限りマンションも対象にするようになってきています。
融資額は担保となる住宅の評価に応じて限度額が定められます。
受け取り方としては、一時金としてまとめて受け取る方法、年1回または毎月、定まった金額を受け取る方法やあらかじめ設定された限度額の範囲内で、必要に応じて随時受け取る方法などがあります。
融資に対する金利は変動金利が主流です。
返済方法は利息のみ毎月返済する方法、所有者が亡くなった後に元利金を一括で返済する方法などがあります。
また、契約者が亡くなった後、配偶者はその家に住み続けられるかもよく確認しましょう。
金融機関によっては契約者が亡くなった後も同居していた配偶者が契約を引き継いで住み続けられる場合もありますが、そうではない金融機関もありますので要注意です。
リバースモーゲージを利用すれば持ち家を活用しながら資金を調達できます。
他のローンなどを利用して返済に苦慮する必要もありません。
その代わり、所有者が亡くなった後は自宅を売却して融資金を返済するため、相続人に自宅を遺すことはできません。
相続人に資金があれば現金で完済することも可能ですが、そうでなければ売却後に残った資金を受け取るだけになります。
そのため、申込時に別居している子どもにもリバースモーゲージを利用することについて同意を得る金融機関がほとんどです。
ですので配偶者はもちろん、相続人となる子どもたちとも十分話し合って利用を検討しましょう。
リバースモーゲージを利用するリスクとしては
1.金利上昇リスク
2.不動産価格の下落リスク(担保割れリスク)
3.長生きリスク
が考えられます。
ですのでリバースモーゲージといえども人生100年時代に十分対応できるとは限りません。
リバースモーゲージは各金融機関によって条件が様々ですので、よく理解してから利用することが大切です。