映画「ベイマックス3D」を観る | 世日クラブじょーほー局

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 物語の舞台は、”サンフランソウキョウ”という米サンフランシスコと東京を掛け合わせた架空都市。主人公の少年ヒロは、ロボット作りの天才。しかし、その溢れる才能を違法なロボットファイトにつぎ込んでいる。

 見かねた兄のタダシは、ヒロを自分が通う地元の工科大学に連れて行き、研究室の仲間と引き合わせる。彼らはそれぞれ豊かな個性を生かして、革新的な研究に取り組んでいた。タダシの思惑通り、ヒロは大いに刺戟を受け、兄と同じ道へと進もうと決心するのだった。

 ある日タダシは、その正義感ゆえに火災現場に飛び込み、命を落としてしまう。それからというもの、魂の抜け殻のようになったヒロ。そんな彼の目の前に突然、白くてデカいビニール製のヘンテコロボットが現れ、「あなたのココロとカラダを守る」と言い出す。生前タダシが、大学の研究室でみせてくれたケアロボット「ベイマックス」だった。

 最初、ベイマックスの処構わぬおせっかいぶりに、うんざりするヒロだったが、タダシの死がただの事故でないことを知り、やがて陰謀渦巻くのっぴきならない状況に追い込まれて行くにつれ、いつしか二人?は、かけがえない存在となっていくのだった。

 本作は、昨年記録的大ヒットとなり、一大ブームを巻き起こした『アナと雪の女王』を手掛けたジョン・ラセター氏が製作総指揮。彼は、自らが立ち上げた会社「ピクサー」でも統括責任者を務めており、これまで「トイ・ストーリー」や「モンスターズインク」などを大ヒットさせてきた。

 昨年末放送された彼と「ベイマックス」の製作現場を密着取材したNHKのドキュメンタリー番組「魔法の映画ができるまで」は、大変感銘を受けた。

 ラセター氏は、子どもの頃からディズニーアニメに憧れ、努力の末、念願叶ってディズニーでアニメーターとして働きはじめる。その後、人生の大きな転機となったのが、映画「トロン」に衝撃を受け、アニメ世界でもCGを導入することを上層部に強く提案した時のこと。彼の提案は悉く反対され、ついには解雇の憂き目に。失意のどん底に突き落とされた彼だったが、しかし、それを乗り越え、会社(ピクサー)を立ち上げ、先述のヒット作を次々と世に送り出すようになっていった。

 そして、巡り巡って彼の手腕を認めた古巣のディズニーから、アニメ部門トップ就任のオファーが舞い込んできた。解雇から実に23年後のことだった。

 ラセター氏は、ジブリの宮崎駿をこよなくリスペクトしているそうだ。その宮崎は、ラセター氏が作品作りにかける信念を「父親として恥ずかしくないものを作る」と評した。本作は、ラセター氏の情熱と信念が詰まった作品。映像の美しさ、スピード感、ディテールのこだわりなど3Dの醍醐味も充分堪能できます。ぜひご家族でご鑑賞を。