映画「ホワイトハウスダウン」を観る | 世日クラブじょーほー局

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 暑気払いにどうかなと思い劇場へ向かった。“破壊者”ローランド・エメリッヒの今回の標的は、アメリカ合衆国の最高権力のシンボルたるホワイトハウス。エメリッヒならではのド肝抜く映像と息もつかせぬストーリー展開が待ち受けること請け合い。

 黒人のソイヤー米大統領(ジェイミー・フォックス)は、イランとの和平を中心とした中東和平条約を推進するが、これがストーリーの出発点となる。この動きに対して武器産業に蠢く血に飢えた戦争屋の不満分子はおだやかではなかった。

 ほどなくして、議会議事堂の爆破にはじまり、チェスの駒を動かすごとくホワイトハウスが乗っとられていく。その間、核攻撃にも耐えるとされる大統領危機管理センター(PEOC)も出現する。

 切迫した非常事態とはいえ、あろうことか多数の民間人の人質がいるホワイトハウスへの空爆命令がくだり、ブラックホークが出動。それを迎え撃つはジャベリン地対空ミサイル。さらに重厚な装甲を施したキャデラックの大統領専用リムジン「ビースト」も登場。相手から「M134Aミニガン」の機銃掃射を浴びまくり蜂の巣となるが、車内はビクともしない。そして、大統領仕様の「RPG-7」が車窓から発射され、巨大なスチール製のゲートを木っ端微塵に破壊するなどド迫力の凄いシーンが次々と展開していくが、んーーーなぜかワクワクしないし、ドキドキしない。それはまったく不思議なほど。

 本作は、どう見てもホワイトハウス版「ダイ・ハード」。確かに舞台が舞台だけにスケールアップ、グレードアップされてはいる。またシークレットサービスになれなかったイケてない父と反抗期の娘との絆回復がメインストリームに組み込まれていて、最後はうざいくらいだが、これとてお約束な感じ。ともかくこの手の映画は「ダイ・ハード」に尽きている。どんなに内容をてんこ盛りにしようが、よほどエポックメーキングなトピックでもない限り既視感を免れない。 

 最後にダメ押しを言えばジェイミー・フォックスがどうにも大統領にみえなかった。畢竟、暑気払いには遠かった。これからも厳しい残暑は続く。

(出演)
チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、マギー・ギレンホール、ジェイソン・クラーク、リチャード・ジェンキンス、ジェームズ・ウッズ、ほか
(監督)ローランド・エメリッヒ