本は2度読んではじめてちゃんと読んだことになる。というのも、最初読んだときには本の内容に没入しているので、そのときに感じている匂いや音や風を遮断してしまっているから。2度目に読み返すときに、最初に読んだときに感じていたそれらの感覚を思い出す。あのときあの場所で読んでたな、と本の内容から芋蔓式に、最初に読んだときに感じていたことを思い出す…というようなことをプルーストがどこかで書いていた。と思ってあるときプルーストの本を探したけど、そんな記述は見つからなかった。本を読みながら妄想した一節だったのか。