事前情報では大阪は歩くスピードが日本一速いと聞いていた。


しかし、車道における車の流れと同じく、人の流れに沿って歩いているとすぐに慣れ、それほど速いとは感じなかった。


53年前の来阪当時は幼稚園児だったので、歩く速さなど気にすることもなかったが。


狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」は大阪では通用しないのかも。


歩くスピード日本一•••大阪人はせっかちなのか?!


大阪の妹しゅしゅさんに先導され、我ら初老夫婦は前へ倣えで大阪の歩行速度に合わせて歩を進める。




夜の帳が下り、煌びやかな顔を見せる。


53年前の初大阪では見ることがなかった摩天楼の美しい夜景が眼下に広がっていた。


当時はそれほど高いビルは多くなかったと幼いながら記憶している。



某宿29階の部屋から眺める大阪の夜景。


今となっては笑い話だが、7月にこの某外資系宿へ電話で予約した際、応対に出た外国人従業員が、わたくしのあまりにも強い仙台弁イントネーションに苦戦し、何度も聞き間違いをする。何度も。


で、わたくしのほうは、彼のクセのある日本語の発音が聞き取れず、面倒だが言葉の一字一句を双方確認しながら、結局予約だけで約30分かかってしまった。


外国人と日本語で話す場合、自分は極力標準語を話しているつもりだが⋯⋯


英語がからっきしダメで、仙台弁と北京語の荒くれ二丁拳銃で生きてきた我が半生。


標準日本語と英語はとうに諦めた。




夜の息づかいが聴こえる大阪摩天楼の人工美を堪能。


東北随一の都市仙台にも摩天楼はあるが、大都会大阪とでは規模に差がありすぎ、比するまでもない、


建設猛ラッシュにより高層ビル群が建ち並んだ近年の台中にもやや似ている感があるが。


在阪中、毎晩この窓から摩天楼の夜景を眺めていた。



つづく