ショッキングなニュースである。
東北地方の話ではないが、全国的にあり得る話であるため、元教師で、運動部顧問を20年間やってきた経験から、話したい。
今、学校では部活動に関して、大きく変化する過渡期である。
国からも、働き方改革の一環とし教員の負担軽減の観点から、部活動の指導を教員ではなく、外部指導者に任せる、「地域移行」をするよう言われているのだ。
国は2023年度から2025年度の3年間を改革推進期間としている。
つまり、学校は大急ぎで地域にいるスポーツ指導者を探して、部活動の指導を委託するのだ。
その際、求められるのは「指導力」だ。
スポーツの指導ができればいいのだ。
教師とは違う。教師は、生徒の個性に合わせて、生活面、学習面、そして人間性を育てる。さらにスポーツも指導するのだ。
本来、子どもに指導するのは大人を指導するより難しい。言葉選びにも苦労する。
それを、言葉は悪いが、素人に任せるのだ。
研修を数回実施するだけで上手くいくとも思えない。
様々な研修を受けている教師の中にも、部活動の指導で、体罰など間違った指導をする者もいる。
今回の地域移行は、そもそも少子化で学校単位のチームが作れないことから始まった話だ。地域で一つのチームを編成し大会に参加するのが目的だ。それに伴い、指導者を学校単位ではなく、地域単位にするのだ。それで、外部指導者の出番となる。
スポーツを通して、子どもを育てるのは分かる。(強制してはいけない。)
人数制のスポーツは、人数を確保する必要がある。好きなスポーツができる環境を用意してあげたい。
だからと言って、このような事件があってはならない。
子どものことを本気で考えてほしい。