この日、向かったのは東北を代表する花の名山、焼石岳。

午前6時20分、40台収容の中沼登山口駐車場はすでに7割ほど埋まっていました。

林道入口から20分、道が狭く路駐不能なのでまずは駐車できたことに一安心。

 

 

登山口からいきなりの森の中の急登40分。中沼に出ます。

水鏡に映し出された焼石岳はまだまだ向こう。

 

 

この山、森があって、池があって、湿地があって、礫地がある。

多彩な環境がさまざまな花を咲かせます。この日、見つけた花は34種。

全部、ご紹介していると植物図鑑になってしまうので、ほんのさわりを。

上沼のほとりに群生していたのは水生のミツガシワ(三槲)。

 

 

川の流れに沿って咲くのは、リュウキンカ(立金花)やミズバショウ(水芭蕉)。

 

 

森の中では、シラネアオイ(白根葵)があちこちに咲き、

 

 

ごく薄いピンクの清楚なコミヤマカタバミ(小深山片喰)が目を惹きます。

ハート型のはっぱにもご注目。

 

 

雪渓は3ヶ所。雪融けの早い今年はアイゼンなしで無問題。

 

 

東北の山で、雪渓が消えた場所から真っ先に咲くのはこの花です。

 

 

私のアバターのヒナザクラ(雛桜)。

こんなおおぜいに出迎えられると、なかなかその場を動けません。

 

 

登り始めて3時間半、ようやく姥石平に着きました。

焼石岳と東焼石岳に囲まれた姥石平、ここからが花の焼石岳の本番です。

 

 

姥石平の最大勢力はハクサンイチゲ(白山一華)。

草原を埋めるその数、何万本?何十万本?

 

 

チングルマ(稚児車)もあちこちに咲き、

 

 

白い花園にアクセントをつける鮮やかな紅紫色のミヤマシオガマ(深山塩釜)。

 

 

泉水沼の脇を通って焼石岳山頂に向かいます。

 

 

山頂ではミヤマキンバイ(深山金梅)の群落がお出迎え。

 

 

ここでおにぎりタイム。休憩したら向こうに見える東焼石岳に向かいます。

このとき、焼石神社回りのコースを選んでしまったのが痛恨のミス。

ロックガーデンのような登山路に、時間も体力も削り取られてしまいました。

 

 

東焼石岳への分岐までは来たものの、花を撮ろうとしゃがむと、足がつりそうになる始末。お花畑の中の緩やかな登りなのですが、諦めて巻いて下ります。

 

 

まだ残っていてくれたユキワリコザクラ(雪割小桜)。

 

 

キヌガサソウ(衣笠草)も、数年ぶりに見ました。

 

 

右手奥に見えているのが東焼石岳。

来年は、欲張らずに東焼石岳だけを登ることにします。

 

 

帰路に咲いていたハクサンチドリ(白山千鳥)。

個体によって濃淡の差はあるものの、通常は手前のような紫色の花なんですが、これは、めったに見ない純白の花。

実は登りでは見落としていたのですが、途中で会った方に教えられました。

 

 

駐車場に戻りついたのは16時前。

今季最長の9時間余りの山歩き。さすがに翌日は筋肉痛がひどかった。

それでも、これほどの花のお山、やめられません(笑)

 

 

私が名前のわかる山の花で、この日咲いているのを見つけたのは34種でした。

イワイチョウ、イワウメ、イワカガミ、オオバキスミレ、キヌガサソウ、キバナノコマノツメ、コバイケイソウ、コミヤマカタバミ、サンカヨウ、シラネアオイ、ショウジョウバカマ、ズダヤクシュ、チングルマ、ツバメオモト、ツマトリソウ、ハクサンイチゲ、ハクサンチドリ、ヒナザクラ、ベニバナイチゴ、ホソバイワベンケイ、マイヅルソウ、ミズバショウ、ミツガシワ、ミツバオウレン、ミヤマカラマツ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ミヤマシオガマ、ミヤマダイコンソウ、ミヤマリンドウ、ムシトリスミレ、モミジカラマツ、ユキワリコザクラ、リュウキンカ

 

※この記事の写真は6/12に撮影したものです。

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(この稿おわり)