心理カウンセラーの大塚統子です。
「好きな人に愛されたい!」と思うのは自然なこと。
けれども、「私が思うように愛してくれない」と感じると、悲しくなるものです。
そして、愛されているかどうかは、「どれだけ愛を感じ取れるか」が影響しています。
どんなにたくさんの愛が自分に注がれたとしても、感じ取ることができなかったら「愛されている」とは思えないのです。
パートナーとの関係がうまくいかないとき、コミュニケーションのすれ違いがあって愛を感じ取れないことも多くあります。
そこで、今回は愛し方・愛され方の違いについて紹介します。
◆愛し方・愛され方のテスト
突然ですが、ちょっと3択で考えてみてください。
大好きな人から愛情表現されるとしたら、次の3つのうち、あなたはどれがいいですか?
1)百本の赤いバラをもらう
2)愛してるって言ってもらう
3)ぎゅっと抱きしめてもらう
あなたは何を選びますか?
◆感じ方にはタイプがある
この傾向チェックは、NLP(神経言語プログラミング)でVAKモデルと言われている分類です。
愛情を感じるのに、視覚(目に見えるもの)で感じやすいタイプなのか、聴覚(耳で聞くもの)で感じやすいタイプなのか、体感覚(視覚と聴覚以外)で感じやすいタイプなのか、どの感覚が優位になりやすいかの傾向を知る質問です。
もちろん、私たちは複合的な要素から感じ取りますから、これらのタイプ分けがすべてではありません。
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例えば、彼は百本のバラを渡すことが最高の愛情表現だと思っているのに、自分はぎゅってしてもらうことが愛情表現だと思っていたとします。
すると、二人の気持ちは同じなのに、わかってもらえていないような気がしたり、さみしくなったりしてしまったりするわけです。
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自分はどういう愛され方をしたいのか、相手はどういう愛し方をする人なのか、知っておくのは大事です。
愛し方の違いを知るのは、自分に向けられた愛を感じるのにとても大事なことです。
◆感覚の優位性
感覚の優位性をチェックする方法も、簡単にお伝えしておきますね。
◇視覚派
色やデザインを重視します。
グラフや図、イメージ・映像を示すと理解しやすいです。
「見る」「狙う」「焦点を合わせる」など視覚に関する言葉をよく使います。
◇聴覚派
言葉や話し方を気にします。
また、論理的な話を求める傾向があります。
音楽が好きだったり、雑音があると集中できなかったりします。
擬音語や、言う・聞く・話す・共鳴する・響くなどの聴覚に関する言葉をよく使います。
◇体感覚派
心地良さや肌触りを重視します。
手や体を動かして感情表現しますし、実際に体験することを好みます。
寒い・熱いなどの形容詞や、触れる・感じるなどの言葉を使うことが多いです。
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日本人には体感覚派の人が多いと言われています。
コロナ禍のオンライン・コミュニケーションでは、これまで同じ空間に居て何となく使っていた感覚が使えなくなっています。
体感覚で感じ取れない・体感覚で伝えられないことが、ストレスになっている人たちも多いようです。
◆彼の愛し方は?
あなたが愛されたいと思う相手、あるいは関係性を良くしたいと思っている人が誰かを大切にするとき、
視覚派的でしょうか、聴覚派的でしょうか、体感覚派的でしょうか。
私たちは、自分がどう愛されたいかは、よく考えます。
同じように、相手がどう愛したい人なのかに興味を持てたら、相手なりの愛し方で愛されていることが
感じ取りやすくなるでしょう。
相手の愛情表現を翻訳することができたり、自分のリクエストを伝えることができたりしたら、もっと幸せを感じやすくなれるんです。
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繰り返しますが、どの感覚が強く反応するのかは、相手を理解する1要素にすぎません。
でも、相手を理解して伝えればわかりあいやすくなりますし、相手の好意の表現を感じ取りやすくなります。
◆職場のコミュニケーションにも
恋愛だけではなく、職場の話に置き換えてみましょう。
例えば、上司はどういうサインで評価を伝えようとするタイプなのか、相手を理解すればするほど、肯定的なサインをキャッチしやすくなるでしょう。
また、コミュニケーションする相手がどのタイプなのかを理解すれば、どんな伝え方をすれば相手に伝わりやすいかのヒントにもなるでしょう。
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「自分の思うとおりに愛されたい」と、自分の愛され方にだけこだわっていると、愛を感じ取るチカラの感度が下がってしまいます。
相手がどう愛したい人なのかを理解すると、より愛情が感じ取りやすくなります。
そして、自分はどう愛されたいのかを知っておくと、「私はこうしてもらえると嬉しい」とコミュニケーションすることができるでしょう。
「どうして抱きしめてくれないの?」と悩むより、「お願いだから、ぎゅってして」とリクエストする方がうまくいくのではないでしょうか。