lec110.山を動かす | カウンセリングサービス 仙台オフィシャルブログ

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カウンセリングサービス代表の平準司です。

 

読者のある女性から、「なんとか山を動かしたいんです」というご相談がありました。

 

山というのは、彼のこと。

 

とにかく出不精らしいのです。

 

映画に誘っても、旅行に誘っても、彼のセリフは「めんどくさい。家がいい」。

 

お休みの日にどこかに行こうと言っても、「人ごみに出ると疲れる。休みの日に疲れることはしたくない」と、まったく家から出ようとしないのです。

 

仕事には真面目で、高学歴をもち、一流企業で働いているいわゆるエリートです。

 

浮気の心配もまったくないような彼なのですが、彼女にしてみれば、「一生このままでは、私の人生、あまりにもつまらなくなりそうで‥‥」ということで、この大きな山をなんとか動かしたい考えたわけです。

 

この種のタイプの男性は意外と多いものです。

 

共通の特徴としてあげられるのが、かなり気を遣うタイプということです。

 

仕事などの対人関係でものすごく気を遣い、自分を押し殺して生きているわけです。

 

ですから、たまの休日は自分を取り戻す作業をしたり、ふだん、外に気を遣っているぶん、自分にわがままになったりします。

 

そして、彼女であるあなたはもはや彼の一部になっていて、あなたにまで気を遣うと、彼は自分が壊れてしまうように感じています。

 

ここで一つ、彼女であるあなたに理解しておいていただきたいのは、「彼は私になにも与えてくれない。私には手を抜いている」とあなたは思うかもしれませんが、彼はあなた以上に自分自身に対してなにも与えていないということです。

 

自分を非常に粗末に扱っているわけです。

 

このタイプの男性の多くは、旅行に行ったとしても、高いホテルや旅館に泊まることはなく、できるだけ安くすまそうとします。

 

「一晩寝るだけで、なんでそんなにお金をかけるのか?」と思うわけです。

 

ひどいケースでは、「カプセルホテルもあり」と考えています。

 

「ご褒美を自分にあげる」という考え方が、まったくないのですね。

 

違う視点から見れば、いまの彼の精神状態は、日常を生きることだけでギリギリといってもいいかもしれません。

 

あなたには信じられないかもしれませんが、彼の精神はそれだけ張りつめていて、緩むことがないのです。

 

こんな彼を許してあげて、人生のご褒美や恩恵を与えてあげるのはパートナーであるあなたのお仕事です。

 

まず、彼に“文化”というものを教えてあげなければなりません。

 

このタイプの男性には、ボジョレーヌーボーが解禁になったからワインを奮発しようとか、旬の食べ物を楽しもうとか、おしゃれなシティホテルで楽しい時間を過ごそうといった発想がまったくありません。

 

その彼に、あなたが知っている人生のいろいろな喜びをちょっとずつ教えてあげるのです。

 

忍耐はいりますよ。

 

たとえば、とびきりおいしいものをプレゼントしても、彼は小さな反応しか返していこないかもしれません。

 

もちろん、バカ高いブランド品などには、彼はまったく興味を示しません。

 

でも、せめて、ちょっとしたご馳走や素敵な気分を少しずつでも教えてあげないと、彼は不毛の砂漠の中で一生を生き続けることになります。

 

ある女性は、季節の果物を彼に食べさせてあげることから始めました。

 

それで彼はおいしいものを食べるということを覚え、その食べ物に合うおいしいお酒を探すようになり、それにめぐり逢うための旅を始めるようになりました。

 

それによって、彼は慢性的なパターンを脱出することができたのです。

 

どうか、あなたの彼にご褒美を。