カウンセラーの平準司です。
私たちが子ども時代にいちばん欲しかったものは、両親に愛されることで、それを手に入れるためには、なんでもしたものでした。
しかし、思春期になると、それほど大好きだった両親に背を向けて、男女関係に興味をもつようになります。
それはまさに子どもから大人に変わっていくプロセスなのですが、なかには、大人になることへの恐れから、いつまでも子どもであることにしがみつく人もいます。
たとえば、ぶりっ子と呼ばれる女性や、いつまでも母親離れできない男性です。
思春期の男女なら、性的なものに興味をもつのがあたりまえです。
しかし、そうした人たちには、あえて性的なものから目を背け、性的なもののすべてを否定しようとする傾向があります。
性的なことを極端に否定的にとらえていると、自分の中にある大人としての男性性や女性性を否定してしまいがちです。
自分が性的になることを許せなくなるので、自分自身のもっているセクシーさをあえて隠したり、あえて抑圧したりしてしまいます。
また、性的な欲求を否定しながら対人関係を送っていると、魅力的に感じられる異性と出会っても、遠ざかるしかなかったりします。
しかし、そうすればするほど感じるのは、自分の中にある性的な部分なので、自己嫌悪ばかりがいっそう強くなり、自分の中の男性性や女性性をますます隠し続けることになるのです。
大人であるということは、だれだって、それなりの性的魅力を備えています。
その自然さをコントロールしようとすると、しばしば、心がバランスを崩してしまうのです。