私達を苦しめる感情の一つに、嫉妬があります。
誰かと比べて負けたような気持ち、
自分が劣っていると感じる気持ち、
自分が持っていないことへの苛立ち、
自分には不足があるという焦り、
惨めさ、情けなさ、
自分はダメだと否定する気持ち、
「なんであの人が」と相手を否定・攻撃する気持ち、
自分を認めてくれないことへの反発など、
嫉妬の感情は、不快な気持ちが混じりあったものです。
嫉妬は、他人との比較・競争から生まれます。
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そして、嫉妬をしていると、
次のような罠にはまりやすくなります。
○相手を攻撃する
「あなたが○○するから」
あるいは「あなたが○○しないから」と、
「あなたは正しくないことをしている!」と
正しさを使って相手を責めたくなります。
この場合、嫉妬の対象が変化しない限り、
イライラ感から解放されません。
○自分を否定する
「私には魅力がない」「私には能力がない」
「私には運がない」など、
誰かと比べて自分が劣っていると証明するのが癖になります。
自己嫌悪したり、自信を失くしたり、
自分に価値が見出せず、苦しい気持ちになります。
さらには、ほめてくれる人の言葉を
「どうせお世辞でしょう」と素直に聞けなかったり、
自分を認めてくれない人たちに
「なんで私を認めてくれないのよ」と反抗的になったり、
「自分を認めさせよう」と
過剰にアピールして、裏目に出たりします。
○不幸な想像をする
周囲の人に嫉妬があると、
「自分は選ばれない」「自分は愛されない」
「自分は嫌われる」「自分は見捨てられる」など、
不幸な想像をしがちになり、不安を感じます。
自分は劣っているのだから、
きっとこういう扱いを受けるだろうと想像し、
まるで今そう扱われているように感じて、辛くなります。
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それでは、嫉妬の罠から抜け出すには
どうしたらいいのでしょうか。
他人との比較や競争で嫉妬するならば、
比較や競争をやめられればいいわけです。
しかし、理屈はわかっても
具体的なやめ方がわからないのではないでしょうか。
そこで、ここでは2つの方法を紹介します。
○「うらやましい」を認める
比べるのをやめられないならば、
潔く負けを認める方法があります。
嫉妬相手が持っているものがうらやましい、
嫉妬相手が成功しているのがうらやましい、
嫉妬相手が幸せそうなのがうらやましい、
など、「うらやましい」を認めてしまいましょう。
一時的には、屈辱かもしれません。
でも、この「うらやましい」が認められなくて、
相手をけなしていると、
自分が欲しいものを遠ざけることになり、
嫉妬する状態が続きます。
「うらやましい」を認めると、
「どうしたら手に入れられるのだろう?」と
興味を持つことを自分に許せます。
嫉妬の対象は、そのヒントを持っている人です。
可能なら、嫉妬の対象に近づいてみましょう。
その人の考え方、その人の工夫、その人の努力などに
気がつくことができれば、
嫉妬の感情から抜けることができるでしょう。
あるいは、その人に近づいたことで感じる感情から、
自分に必要な癒しのポイントが見つかるでしょう。
○自分のよさを認めていく
「あの人にはあって、自分にはない。」が嫉妬です。
この「自分にはない」の部分を変えていくために、
自分のよさを認めていきましょう。
あなたのよさは、特別なことの中にあるのではなく、
あなたが当たり前にしていることの中に存在します。
ただ、自分が持っているものに
気がつくだけでいいのです。
「あの人には△△があるし、私には○○がある。
みんなそれぞれ素敵だな。」と思えるようになったら、
穏やかな気持ちが感じられるでしょう。