こんにちは。
中郷鍼灸マッサージです。
詳しくは、ホームページを。こちらです。
これから暑くなり、汗をかくことが多くなります。
今回は、汗臭さとわきがについてです。
（概要）
まず、汗臭さとわきがは別物です。
汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺があり、さらに皮膚には皮脂腺があります。
・ エクリン汗腺：全身に分布している。直径約０．４㎜。皮膚表面から１～３㎜と比較的浅い部位にあり、皮膚表面に開口して汗を分泌する。成分の９９％は水分で、かすかに塩分を含み、汗自体は無色、無臭でサラリとしている。
汗臭いと云われるのは、かいた汗をそのままに放置することで、皮膚上で雑菌が繁殖し、臭いの原因になるから。
１日平均１．５～２ℓの汗を出す。
汗臭さは、皮膚の常在菌がエクリン腺から出る無色、無臭の汗により繁殖するため発生するものです。
汗や常在菌を洗い流せば汗臭さは解消されます。その場合、皮膚を守る常在菌を洗い流すことになるので、如何なものかとは思います。
・ アポクリン汗腺：アポクリン汗腺はエクリン汗腺の１０倍ほどの大きさがある。エクリン汗腺より皮膚の深い所にあり、開口部は毛穴につながってる。そのためワキ、耳の中、乳首、へその周辺、陰部など体毛の濃い所にだけ存在している。頭皮には存在していない。
アポクリン汗腺から出る汗は、分泌量が少なく、成分に脂肪、たんぱく質、色素などを含み、少し粘り気がある。一度汗をかくと２４時間ほど活動を休止する。ストレスや精神的な緊張だけでなく、性的な興奮などでも発汗する。
・ 皮脂腺：アポクリン汗腺と同様、毛穴に開口して脂肪分を分泌する器官である。ここから分泌された脂肪はエクリン汗腺から出た汗と混ざり合い、皮膚表面に薄い膜をつくり、肌を保護する役割がある。
わきがは、これらエクリン汗腺、アポクリン汗腺、皮脂腺の３つが関係して発生します。
アポクリン汗に含まれる脂肪やたんぱく質が、皮膚にある細菌によって分解されると、強い腐敗臭を発するようになります。
これに皮脂腺からの皮脂が加わり、さらに臭いが強まります。
これがエクリン汗によって、ワキ全体に広げられ、ワキ毛にからまることで臭いが発散されます。汗かきだとさらに拡がることになります。
ストレスにより臭いは強くなります。ストレスによりホルモンバランスが乱され、アポクリン汗やエクリン汗が多く分泌されることもあり、臭いが強くなることがあります。
食生活もわきがに関係します。
良くない物：肉類（脂肪、汗腺類を活性化）、乳製品（汗腺類を活性化）、揚げ物（脂肪）、香辛料（発汗を促す）
良い物：ビタミンＡ、Ｅ（過酸化脂質の発生を抑える。）
（対策）
・ 清潔を保つ：ワキの汗をこまめに拭き取る。デオドラント製品を使う。
制汗剤：皮膚の毛細血管を収縮させることで発汗を抑える効果を狙ったもの。ある程度はにおいを減らす効果はあるが、効果は半日程度。
消臭剤：嫌な臭いを中和するタイプ、他の香りで覆い隠すタイプがある。わきが臭が強ければ、混ざって悪臭になる可能性がある。
殺菌剤：臭いの原因となる皮膚の細菌を減らすもの。それなりの効果は期待できるが、日常的に使用するとなると、皮膚への影響が出てくる。
・ 食事療法：野菜と魚が中心の食事が望ましい。わきが臭を軽減し、さらなる悪化を防ぐための方法であり、汗腺類のはたらきを完全に抑えるものではない。
（外科手術）
・ 切除法：ワキ毛の生えている部分に沿って、皮膚を皮下組織ごと切り取る。汗腺類を根こそぎ切除する。
・ 電気分解法：毛穴に針を刺して電流を流すことで毛根を破壊する。
・ 皮下組織掻爬法：ワキに数センチの切れ込みを入れて、スプーン状の器具を差し込み、汗腺類を掻き取る。
・ 注射・注入治療：ワキの下にボツリヌス菌を注入することで汗腺類の活動を抑える。
・ 超音波治療：超音波の振動エネルギーで汗腺類を破壊する。固く弾力のない汗腺類は、超音波の振動エネルギーで破壊されるが、弾力に富むその他の組織には影響が無い。
（鍼灸治療）
昔の本にわきがに関する記述がありました。
① 脇の下の毛を剃って、白粉を塗る。
② しばらくすると黒い点が発生するので（伸びてきた毛？）そこにお灸をして毛穴を塞ぐ。
というものです。
お灸で焼いてしまうので、今日では現実的ではないですね。
患者様のストレスを手技で取り除き、アポクリン汗、エクリン汗の分泌を減らすというのが現実的ですね。
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