今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『クライネシャイデックからユングフラウに向かう登山電車』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂高から難関ジャンダルムを超え西穂高にトライする麻莉亜』。そして、昨夏のアルプスの思い出『唐松岳Ⅰ』です。標高はさほどないものの、登山道では高山植物がたくさん迎えてくれます。私はこの山でことに固有種『ハッポウタカネセンブリ』に出会うのをとても楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

            <ハッポウタカネセンブリ>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           <八方池から不帰の嶮>

                <白馬三山>

 

 

 

 

 

■■婿の男は、夜は酔って外で喧嘩をし、血だらけで家にもどることがあった。それでも店に出ることはやめなかったが、いま店にいたかと思うと、いつの間にか台所の隅にしゃがんで、茶碗酒をあおっているというぐあいだった。

 

半年ほど様子を見て、たまりかねたみさの父が、婿を離縁して実家に戻そうとした。すると婿は、舅である父を半殺しのめにあわせた。その時から婿には、この世にこわい者がいなくなった。事実実家にも親戚にも、誰ひとり稲二郎という名前のその婿を始末出来る者はいなかったのである。

 

稲二郎はほとんど働かなくなった。そして酒の気が切れると、青白い顔をして頭から夜具をかぶり昼日中も寝ていた。しかし夜になって酒が入るとみさに挑みかかり、逃げるみさを追いかけ回しては殴りつけ、親たちの目の前で犯した。地獄図だった。

 

みさは親たちと相談して、まず妹を他国に奉公に出してから自分も狭沼を逃げ出し、この城下に来たのである。そして紅梅町の料理茶屋に住み込み奉公をはじめた。

 

子供2人を遠くに逃がしてから、親たちは意を決して町役人に稲二郎を訴え出て、ようやく離縁に漕ぎつけた。しかし稲二郎は、それから3年も油屋から出て行かなかったのである。なにか人間ばなれした、妖怪のようなものが油屋に棲みついてしまったようにも見えた。

 

稲二郎がようやく家を出て行って半年ほどした時に、みさの父親が急死した。長い心労のせいだろうと言われた。しかしみさは、親の葬式にも帰れなかった。稲二郎がまだ家の中をのぞきに来るので、帰って来てはいけないと母の手紙に記されていたからである。

 

そのまま時が流れ、やがてみさは、思いがけない成行から見込まれて万年町の油屋三海屋の嫁になった。そしてもともと病身だった夫が亡くなると、舅の好意で、『涌井』のおかみにおさまった。舅は、息子の病身を承知で三海屋に来た嫁を憐れんでいたのである。

 

みさはいつの間にか、こちらの暮らしになじんだ。そして時には故郷を忘れていることもあった。

 

■■<ガラスの天井を破る女性達⑥『黒柳徹子――大人が前を向いて生きよう』>

鎌田:ある時に、日本の研究者が発表した論文に『エジソン、アインシュタイン、そして黒柳徹子はLD(学習障害)だった』と書いてあったそうですね。それをNYにいる知人が雑誌か何かで見つけて、徹子さんに連絡してきたとか。

黒柳:そうです。びっくりしましたよ。歴史的な天才達と自分の名前が並んでいたので。そのエピソードはいくつかの本に書かれていたので、LDの子供を持つ親御さん達の会では、よく話題になっているようです。子供の頃にLDでも、大人になってから活躍できるんだから頑張ろうと。私がLDなのかどうかは分かりませんが、それでLDの子供や親御さんが希望を持ってくださるなら、それでよいと思います。

 

鎌田:昨年10月には『続 窓ぎわのトットちゃん』を刊行されました。すでに中国語にも翻訳されているそうですね。続編には戦時下の体験も書かれています。

黒柳:疎開先での体験や、食べるものがなくてひもじい思いをしたことなんかを書きました。小学校低学年の子供が1日に大豆15粒で飢えを凌がなければならない戦争なんて、もう2度と起こしてはいけませんね。

 

鎌田:徹子さんがかつて話していたことが印象に残っています。アフリカの子供達は死と隣り合わせの日常を暮らしているけど、自ら命を絶つ子供はいない。一方、日本は豊かであるにもかかわらず、自ら命を絶ってしまう子供がいる――と。真の平和のためには何が大切だと思いますか。

黒柳:アフリカ難民キャンプを訪問した時のエピソードですね。『ここで自殺した子供はいますか』って尋ねて回ったんです。1人もいませんでした。物の豊かさだけが重要でないと感じました。日本においては、まず大人が前を向いて生き抜くことが大切だと思います。生きていれば、必ず先にはいいことがある。そう信じて、クヨクヨせずに生き抜いてもらいたい。子供は大人の言動をよく見ていますからね。

鎌田:その通りですね。まずは大人の私達が前を向いて人生を歩み、『生きていればいいことがある』と子供達に示していきたいですね。

 

■■<『シャトレーゼのホテル、好調』>菓子製造販売などを企画管理するシャトレーゼHDのホテル事業が好調だ。現在全国に11のホテルを展開し、HDによると、ゴルフ場経営などと合わせた売上高は過去5年間で5割増。経営難のホテルを買収し、スイーツを前面にしたもてなしで付加価値を生み、リピーター化する事業戦略をとる。本業を生かして赤字続きのホテルを再生させる方法で、事業拡大を図る。

 

シャトレーゼグループは菓子製造販売を主軸として、国内に840店舗、国外に180店舗を展開している。HDがホテル事業に参入したのは2002年。経営破綻した札幌市内のホテルを取得し、『シャトレーゼガトーキングダム札幌』として再整備した。山梨県内は19年開業の『シャトレーゼホテル旅館藤野屋』を手始めに、計4施設を展開。全国では今年4月に呉市安浦町に新たなホテルを取得し、9月に開業予定。施設数は山梨を含めて11まで増えた。

 

チェックイン時にはウエルカムスイーツを提供し、フロント近くに設置されたショーケースにさまざまな種類のケーキが並ぶ。アイスを自由に選べる冷凍庫を設置したホテルもあり、担当者は『ケーキやアイスを楽しみに利用するリピーターも多い』という。

 

『シャトレーゼガトーキングダム小海』(長野県)は菓子製造工場を近くに整備していて、見学が可能。年間12万人が来場するといい、『他のホテルにはない特別な体験ができる』と言う。

 

 

リーゾナブルに提供するケーキバイキングも人気だ。『シャトレーゼ石和』(山梨県)では、ケーキとサラダのバイキング付きのランチが1,100円から楽しめる。宿泊客以外も受け付けていて、レストランの前にはランチタイム前から行列ができ、多い時には1日200人近くが利用するという。宿泊者が少ない昼の時間帯を活用し、売り上げを伸ばしている。

 

赤字続きのホテルを次々と再生させた実績から、全国のホテルから再生以来が増えている。『シャトレーゼの強みである菓子事業と組み合わせることで、集客力やお客様満足度が高まるであろうホテルを取得している。今後も全国にシャトレーゼのファンを増やしていきたい』と話している。

 

◆なるほど、買収して営業ホテルを増やした故、ホテルの建物には統一感はないね。でも、『菓子のシャトレーゼ』の知名度は抜群だし、ファンも多いだろうからうまい事業展開だと思うねえ。素晴らしい!ユニークな『三喜経営』が実を結んでいるのだろう。FC展開で、国内海外に多くの店を持つが、そのFCからロイヤリティ(ブランド使用料)は一切取っていない。まっことユニークな経営の会社である。それも、シャトレーゼ苦難の時代に、周囲から受けた恩恵を忘れないためだそうだ。あの日清食品が創業者安藤百福の理念を忘れ、値上げに奔走し、店舗の商品棚の値段表示までカメラで取り押さえていたという愚劣な企業とはまさに正反対なシャトレーゼではあるな。素晴らしい!

 

■■<成長の秘訣、高給にあり、『好循環企業1位・霞ヶ関C』>あの会社の成長の裏には給与アップがあった?! 日本経済新聞は東証プライム上場企業を対象に、高い賃上げをしながら高成長を続ける『好循環型』企業のランキングを作成した。給与を引き上げた企業は業績が伸びるが、『ブラック企業』には高年収でも成長しにくい実態が見えてきた。

 

『競争力のある報酬で報いる』。ランキングで2位に入ったメルカリは、21年に人事評価制度を更新した際に、こう明文化した。22年度の平均年収は968万円と3年前から36%上げた。その間、売上高は2.8倍になった。

 

高い給与で優秀な人材を確保して、成長につなげる。その考え方をわかりやすく体現しているのが、市場価値を反映した給与提示だ。人事部門でディレクターを務める早川亜貴は『競合に負けない額を提示し、この会社で働く価値を見出してもらっている』と話す。

 

メルカリは全体の採用のうち中途が9割を占める。優秀な中途採用者の数が業績を左右する。このため、採用候補者からの除法収集や調査会社を通じて職種ごとの給与水準を調べ、半年に1回給与を改定する。入社した社員に対しても、頑張りを評価して給与を引き上げる仕組みづくりを徹底し、従業員のエンゲージメントを高めている。『個人が目標を達成するための行動が積み重なり、全体で大きな成果が出るよう担っている』と。

 

賃上げを通じて優秀な従業員を確保したいのは半導体業界も同じだ。ランキング上位50社のうち、4割を半導体関連が占める。生成AI向けを中心に受兆が拡大し、最先端技術に精通した人材の獲得競争が起きている。半導体製造装置のディスコはランキング3位に入った。3年間で年収は4割増え、売上高は2倍となった。製造部門を分社化することなどをsず、人事制度と報酬制度を全社共通にし、『業績に応じて従業員に還元して、モチベーションが下がらないようにしている』という。

 

ランキング1位は、不動産開発の霞ヶ関キャピタルだった。冷凍・冷蔵向け倉庫や多人数向けホテル、ヘルスケア施設など、成長性の高い分野に狙いを定め開発を進めている。高収益を確保し給与もふやしている。

 

海運大手がランキング上位に入っているのも特徴だ。川崎汽船は22年以降、3年連続で基本給のベアを実施した。22年に人事責任者に着任した玉置伸哉執行役員は海外駐在経験が長く『日本の賃金が上がらないことの異常さが身に染みて分かっていた』と話す。給与引き上げに対する成果は一つの数字に表れている。自己都合離職率だ。過去は5%前後などで推移してきたが、足元は1%台で推移する。

 

◆この企業ランキングを見て、今の時代、世の中は変わったなああと感じる。あのディスコが3位なんて。砥石の製造メーカーが半導体装置関連に衣替えしたのがこの現象を生んだのだろう。キーエンスの2,279万円は特筆だが、1,000万円を超える企業がこうも多くなったのに時代を感じる。が、これには賞与も入っているはずだから、未来永劫の水準を示すものではあるまい。世界の景気変動によって10年後、20年後にこのリストから漏れる企業も出て来るだろうなあ。