今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『アイガーグレッチャー駅の下手にあるファルボーテンゼの池』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂高から難関ジャンダルムを超え西穂高にトライする麻莉亜』。そして、人気抜群のブルー『ネモフィラ』です。薄ネモフィラは『茨城・国営ひたち海浜公園』がつとに有名です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        <ひたち海浜公園のネモフィラ>

 

 

 

 

 

 

■■何やら年甲斐もないはなやかな色どりの夢を見ていたのに、いきなり灰色の現実に引きもどされたような、寒々とした気分に囚われていた。

 

清左衛門は念を押した。

『ここにはもうもどらぬということかな』

『はい、そのつもりです』

『「涌井」はどうなる』

『おなみさんにあとを頼んで参ります。変わりなくごひいきをおねがいします』

 

『ふーむ』

おなみは『涌井』の女中頭で、みさより2つ、3つ齢が上のしっかり者である。清左衛門は路上に腕を組んだ。短い影が2つ、くっきりと地面に映っている。

 

『帰るわけを聞かせてもらえるかの』

『こみいった事情がございまして』

とみさは言った。

 

みさの家は油屋で、さほど大きな店ではないが使用人もいて、手堅い商売をしていた。子供はみさと妹の2人だけだったので、みさは17歳の時に婿をもらった。

 

婿は同じ狭沼城下の塩商人の四男だった。江戸で商いの修業をして来たという触れ込みで、齢は25、見てくれも悪くない男だった。男は神妙に働いたので、油屋ではよい婿をもらったと言われた。だが、1年近く経った頃に、」男が馬脚を現した。みさの婿は、実の親にも隠していた病気、酒毒に犯された人間だったのである。

 

長い間の禁を破ってしまうと、婿の酒はとどめがなかった。昼日中から酒の香をさせ、商いの方もおろそかになった。

 

■■<ガラスの天井を破る女性達⑤『黒柳徹子―スパイになりたかった子供時代』>

鎌田:子供が見られない番組には出演しないという方針にしろ、ユニセフの仕事にしろ、どうしてそんなに子供を応援することに注力されるんでしょうか。

黒柳:子供の成長は、生まれた国や親の資質によって、大きく左右されますよね。人身売買が行われるような治安の悪い国や、親が面倒を見てくれない家庭で育つ子供達のためには、やはりできることはしないといけないと思うんです。

 

ずいぶん前にネパールに行った時のことです。籠を背負って川底の石を拾っている女の子がいました。拾った石を微々たる金額で建築家などに売るためです。私は彼女が提示してくる金額よりも高く石を買った上で、こう尋ねました。『大きくなったら何になりたいの?』と。

 

すると彼女は『私は洋服屋になりたい』と答えてくれたので、私は『じゃあ私に洋服を作って。早くしないと死んじゃうからね』と言って別れました。

 

数年後、ネパールを再訪した時のことです。ユニセフのスタッフが、その女の子を覚えていたようで、私のもとに彼女を連れてきてくれたんです。彼女はその後、お金を貯めてミシンを買い、なんと私のためにブラウスを作ってきてくれたんです。

 

彼女は私にこんな話をしてくれました。『小さいいしころに「大きくなったら何になるの?」と聞いてくれた大人は、あなた以外に誰もいませんでした。貧しい地域では、誰も子供にそんなことを聞かないんです。だけど、あなたは聞いてくれた。だから私は洋服屋になるために一生懸命働いたんです』と。

 

鎌田:素晴らしい話ですね。そういえば、徹子さんは子供の頃にスパイになりたかったんですよね。

黒柳:よく覚えていらっしゃる(笑)。初めて抱いた夢がスパイでした。だけど、同級生の男の子から『スパイは顔がきれじゃないとなれない。あと、おしゃべりの人も慣れない』と言われて、諦めてしまいました。でも、スパイにならなくてよかったです。

 

■■<『コメ17%高騰、20年ぶり』>全国消費者部下指数でコメ類が前年比17.2%上がり、20年ぶりの上昇率となった。昨夏の猛暑でコメに高温障害が発生し、市場に出回る量が減ったことや、今年の新米が本格的に流通していないことから需給が逼迫して価格が高騰した。電気代も政府の補助金修了に伴い、22.3%上昇して43年ぶりの伸び率となり、物価高による支出増が家計を圧迫する状況が続いている。

 

生鮮食料品を除く7月の指数は、2.7%上昇の108.3となった。伸び率は3カ月連続で拡大した。22年7月に91.5だったコメ類の指数は111.3まで上昇。現在ではスーパーなどの小売店で品薄になっているところもある。コメ類のうちコシヒカリは15.6%、コシヒカリを除くうるち米は18.0%ぞれぞれ上昇した。

 

前回大幅に上昇した04年当時は、03年の冷夏による生育不良の影響が津吹コメの流通量が落ち込んでいた。総務省は、コシヒカリとそれ以外の品種で変動に差があるとして、区別して指数を公表している。

 

生鮮食品を除く食料は2.6%上昇したが、6月の2.8%から伸び率は縮小した。宿泊料や携帯電話の通信料も同様に上がったが、上昇幅は縮小した。物価上昇を反映して住宅や自動車の保険料も上がった。

 

◆すべて値上げの2024年かな、だなあ。自三党総裁選にどう影響するかねえ。

 

■■<期待裏切らず、『巨人2番・浅野翔吾』>8月24日、試合前まで4戦連続安打。大敗を喫した前夜もチーム唯一のマルチ安打を放った巨人・浅野翔吾を、安倍監督は初めて2番に抜擢した。指揮官の期待が表れた起用にも、『打順が変わっても自分がする仕事は変わらない。8番打者と同じ気持ちでいった』と浅野。殊勝な姿勢が大仕事を呼び込んだ。

 

2カ月ぶりに1軍マウンドに上がった中日・柳の出鼻をくじいた。初回、内角の変化球を力感のないスイングで左中間席へ。14日のセンセーショナルな満塁弾に続く2号ソロにも口元は緩めず、淡々とダイヤモンドを一周した。

 

その後も若武者の打棒は止まらない。5回は先頭で2塁打を放ち2点目の起点をつくると、6回は1死1、2塁の好機で中前への適時打。8回にも鋭いスイングで左翼線を破り計4安打。あと3塁打が出ればサイクル安打という大立ち回りを演じた。

 

左手首を骨折したヘルナデスに変わって12日に1軍に昇格して以降、好調を維持している。お立ち台で要因を問われ『わからない』とはにかんだが、この日放った4安打はいずれも変化球を仕留めたもの。4月に2軍に降格した際、阿部監督に『漠然と振るのではなく、変化球を待つ練習を』と宿題を課せられていたが、その成果を示している。

 

はつらつとプレーする19歳に『毎打席懸命にやっている姿が見える。みんなっもまねしてほしい』と阿部監督。逆転優勝へ、奮起が期待される打撃陣に発破を掛けた。

 

◆カープファンの私が、巨人の選手の記事を取り上げたのは、浅野翔吾が高卒2年目、19歳でこの大活躍だからだ。少々の努力だけではこのような結果は出ない。人知れず苦労、努力をした結果がこの大活躍だと思って、感心した。カープにも、若手の活躍が目覚ましいが、ドラ1で5年も6年もしても1軍レギュラーが取れないN選手など、浅野の爪の垢でも煎じて飲んでもらいたいと思う。このN、高校時代から練習の手抜きが目立ち、要領がよかったそうだ。それでもカープが1位指名し抽選で獲得したのは、甲子園で6本塁打という新記録を立てた成果にまどわされてのものに違いない。Nが入団して、マスコミを賑わわしたのは『女アサリ事件』だ。それも複数件。この夏場、2軍での活躍が素晴らしいと、1軍に上がりスタメンまで登場したが、取り上げる活躍はない。浅野翔吾に比べて全くなさけない、Nではある。

 

この記事を取り上げたのは、もう一つ理由がある。それはこの記事は日経新聞のもののものだからだ。経済専門紙でこれほどの内容のある記事を書き、スポーツでも手を抜かない日経の素晴らしい点にはいつも感心している。