今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『アイガーグレッチャーに向かう登山電車からの名峰ユングフラウ』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂高から難関ジャンダルムを超え西穂高にトライする麻莉亜』。そして、ウイーンの中心地にある有名な『シュテファン寺院』です。中央3カ国、西欧3カ国を放浪した時の、懐かしき思いでではあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■外に出ると、湿った重い夜気が清左衛門をつつんで来た。その夜気のつめたさが、30年の修業のはてに、またしても中根に敗れ去った納谷甚之丞の姿を、ものがなしく思い返させたが、夜道には人の気配はなかった。

 

歩きだしたとたんに、ふと清左衛門の胸にうかんできたことがあった。

甚之丞の必殺の一撃をしのいだ時、中根はよほどの技を使ったにちがいなかった。

 

しかしそれは、ひょっとしたら道場の高弟たちには見られたくない技だったのかも知れないと思いあたったのである。中根が言った、思わぬ技というのはそういう意味だったのだ。

 

――すると・・・。

あそこで目をつむったのは、中根ののぞむところで、またたとえ目をあいていたとしても、おれには技の全容を見きわめられないことが、中根にはわかっていたのではないかと清左衛門は思った。

 

それが、おそらく、清左衛門を立会い人にえらんだ理由でもあろう。

 

清左衛門はもう一度苦笑いした。しかし身体の中に、生涯に一度見られるかどうかという、すさまじい試合を見た興奮がまださめやらず残っていて、清左衛門は中根に腹は立たなかった。

 

前方の闇から、牡丹の花が匂って来た。足は一昨夜通った路地にさしかかったところだった。

 

■■<ノーベル賞 本庶佑『オプジーポⅤ』>がん免疫総合研究センターは2020年4月発足し、京大医学部の敷地内に専用棟が新設され、11月の開所に向けてようやくここまでたどりついた。

 

PD-1抗体薬『オプジーポ』の登場で、現代医学では完治できなかったがん患者の多くの命を救うことができるようになった。一方で残念ながら半数以上の患者には効果がないことも分かった。人間の体はやはる不思議だ。効く人と効かない人とがいる。

 

がんという病は、自らの細胞がほんの少しだけ変化して無限に増殖するようになり、体をむしばんでいく『自己』から生まれた『非自己』は果たしてどこまで私達の敵なのか。人類ががんを完全に克服する日が来るかどうかの『予言』は難しい。

 

がん研究の主戦場はがん免疫へと移った。米国が圧倒的にリードする。日本は相変わらずがんゲノムなどに注力し、方向転換ができていない。これでは若い人材も育たない。

 

がん免疫によって免疫学も大きく変化した。今最も興味あるテーマが『ネオアンチゲン』だ。細胞の遺伝子変異によって新たにできるがん抗原を指すが、異変が繰り返されることで必ず発生するというものでもない。個人によってばらつきも大きい。

 

ネオアンチゲンとは一体何者なのか。がん免疫の更なる進化にはこの正体を突き止めなければならない。解明にむけてある仮説を立てた。それを近いうちに証明するつもりだ。仮説こそが科学や医学研究の神髄である。手の内をこの場で明かすことはご容赦願いたい。(本庶佑筆)

 

■■<やけ酒『越後桜』>来週、立山・白馬を歩く予定で、ブッキングをすませ時を待っていました。が、なんと『雨、時々曇』だと。残念ながら、スキップしました。そして、やけ酒を新潟の大吟醸『越後桜』ですましました。残念。来年を期します。

 

■■<『日本人86万人減』、過去最大>総務省が発表した人口動態調査によると、今年1月1日時点の外国人を含む総人口は1億2,488万人で、前年を53万2千人下回った。日本人に限ると、86万1千人減で、1968年の調査開始以降、最大の減少幅。都道府県では、東京のみ微増した。深刻な少子化を反映しており、地域の活力を維持する取り組みが急務となっている。一方、外国人は全都道府県で増え、初めて300万人を超えた。

 

日本人を都道府県別にみると、人口一極集中が続く東京だけが0.03%の微増だった。減少率は秋田の1.83%が最も高く、青森1.72%、岩手1.61%と続いた。

 

日本人に占める65歳以上の高齢者の割合は29.38%。一方、働き手の中心となる15~64歳の生産年齢人口は59.02%で減少傾向が続き、労働力の先細りが深刻だ。

 

外国人を含めた人口は、中国地方5県で軒並み減った。千葉、東京、沖縄の3都県では増加した。出生数が死亡者を上回るケースはなく、転入による影響が大きい。

 

◆いよいよ『人口減少』が厳しくなってきたねえ。社会生活、国民経済全体への波及が大きくなるねえ。国も自治体も『人口減少時代』の国家・自治体運営に知恵を絞る時代になってきた、な。

 

ついに『日本の時限爆弾』がさく裂する時がきたね。政府は、また首相や大臣は口先では『少子化対策、少子化対策』と言うものの、効果的、実効的な施策はほとんどみられなく、また投入エネルギーも過小であった。いまさらどうにもならない問題だが、『責任者出てこい』と叫びたくなるねえ、少子化対策に本当に無為無策の日本政府、首脳ではある、な。それでも、金だけはどんどん使って、累積赤字は1,000兆円と世界に胸を張る超ド級の赤字を、しかも平気で出している。情けなや、ああ情けなや!

 

あの、長野市の市長など、公園で遊ぶ子供達の声がうるさいとの訴えで、即公園を閉鎖した。たった1人の訴えで、客観的な判断ができなかった長野市長。たしかオリンピックの金メダリストだと聞いたが、なんともなさけない長野市であろうかと、嘆息したねえ。