今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『アイガーグレッチャーに向かう登山電車からのスナップ』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂高から難関ジャンダルムを超え西穂高にトライする麻莉亜』。そして、赤と黄色の『ペンタス』です。この可愛い花はとても花期が長く感じます。
■■納谷甚之丞が来たのは夜の五ツ半(午後9時)過ぎ、清左衛門が待ちくたびれた頃だった。
甚之丞は入口で草鞋をぬぎ、打飼いをおろすと、まるで昨日も来ていた人間のような軽い身のこなしで道場に上がり、入口の厚い杉戸をしめた。そして、はじめて振り向いて清左衛門と中根弥三郎を見た。
甚之丞の変貌ぶりはすさまじいものだった。髪は半ば白くなり、身体は痩せて、目は落ちくぼみ頬は抉るように肉が削げていた。そして旅の日の風に晒しているせいか、皮膚は日焼けを通り越してどす黒くなっている。まとっている衣服は汚れ、ほつれて物乞いのようだった。
齢は中根と同年のはずだったが、見たところ5つほどは老けて見え、どこをさがしても往年の美少年の面影はない。ただひとつ変わらないものがあった。甚之丞のこれだけは昔を思わせる鋭い目が、2人をじっと見ている。
『甚之丞か、ひさしぶりだ』
中根が声をかけた。
『丈夫のようで何よりだ』
『貴公も変わりなくて何よりだ・・・』
甚之丞の挨拶はそっけなかった。声は老人のようにしわがれている。それだけ言うと、両刀を腰から外して下に置き、手に下げていた袋を解いて飴色の木剣を取り出した。そして言った。
『では、はじめようか』
『得物は木剣か』
『不服かな』
『いや』
中根は師範席のそばに行くと、壁にかけてある木剣を取り、2、3度素振りをくれた。そして道場の中央にもどって来た。
■■<ノーベル賞 本庶佑『オプジーポ・小野薬品との係争・Ⅰ』>がん免疫性の『PD-1』に関する特許は、いくつかの別のテーマで共同研究していた小野薬品工業に援助をお願いし、特許出願することになった。
特許は普通、申請後1年半ほどで公開される。2002年の論文発表後、直ちに抗がん剤の開発に着手してほしいと小野薬品に依頼した。
しかし、小野薬品は関西を基盤とする中堅の製薬会社で、当時、がんに関する医薬品を扱っていなかった。臨床試験(治験)まで含めると数百億円かかるかも知れないハイリスクな開発に尻ごみした。
私は『せっかくの特許を死蔵してもらっては困る』と担当者に迫った。すると『単独ではとても無理なので、共同開発のパートナーを探す』と返答していた。
約1年かけ日本中の大手製薬会社を訪問し共同開発をもちかけたそうだ。米製薬会社の日本支社にも相談したという。結局、10社以上の訪問先リストを持ってきて『どこも相手にしてくれない。われわれとしても開発に協力できない』との結論だった。
がんを免疫で治すという発想は昔からあり、サイトカイン療法やワクチン療法など様々な手法で試みられてきたが、失敗の連続だった。
製薬会社にとっては開発に乗り出すと株価が乱高下するまさに眉唾もの。『頭がおかしな免疫学者がまた変なことを言っている』。そんな反応だったのだろう。
■■<老いる世界、人口減早まる 『日本、5,000万人減少』>国連は、7月11日に公表した2024年版の『世界の人口推計』で、世界の人口が2080年代に約103億人に達した後、減少に転じるとの見通しを示した。
新興国でも経済発展に伴って出生率の低下が見込まれ、人口の推移は10年前の推計を大きく下回る。70年代後半には高齢者の人口が子供を上回る見通しで、世界経済は高齢化という重い課題と向き合うことになる。
◆日本は、2100年に7,700万人となり、24年に比べて5,000万人近く減ると見積もった。24年の日本の人口は1億2,400万人で、世界12位の水準にある。2100年には32位まで下がる見通しだ。
日本は既に人口減少局面に入っている。国連推計によると、50年代後半に1億人を下回る。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が23年に公表した推計もほぼ同様の下降線をたどり、70年に8,700万人に減少する。
社人研は長期の参考推計として、2100年には6,300万人に減ると予測する。国連推計を2,400万人下回る。
日本は05年に戦後初めて人口が減少した。07年以降は出生児yほり死亡者が多い自然減が定着し、本格的な『人口減少社会』を迎えた。23年の合計特殊出生率は1.20で、過去最低を記録した。
◆もう、人口減はどうにも止まらないという感じだねえ。日本社会でも『チルドレン ファースト』という言葉が、全然聞こえてこない。岸田君が『全力で少子化対策を打つ』と叫んでも、国民が動かない。その人間の思考の本質を突かずに、ただただ出生費用の負担減だとか、学費免除だとか、枝葉のことばかりに手を染めている。本当に子供が必要で、社会全体で育てていこうという雰囲気にはなっていない。そうするためには、国家予算とか金や制度ではなく、人道的な幸福感を求める社会にしないと難問題の克服は難しいだろう。岸田君の手には余る問題だねえ。もっと大きな人が首相にならないとだめだよね。
■■<バイデン大統領、『米大統領選からの撤退を表明』>11月のアメリカ大統領選挙で再選を目指すバイデン大統領が、選挙戦からの撤退を表明した。
11月の大統領選挙で再選を目指すバイデン大統領がSNSで選挙戦からの撤退を表明した。『大統領をつとめられたことは人生最大の名誉です。再選を目指す意向でしたが、残りの任期は大統領としての職務を全うすることにのみ専念することが我が党と国にとって最善の利益であると信じている』と述べた上で、『決断の詳細については今週後半に国民のみなさんにお話しする』としています。
また、バイデン大統領に代わる候補としては、ハリス副大統領を指名した上で、『今こそ団結してトランプ氏を倒す時だ』と訴えました。
バイデン大統領は先月27日に行われたトランプ前大統領との討論会で言葉に詰まるなど精彩を欠き、高齢への不安が高まっていた。討論会を受け民主党の議員が公然と選挙戦からの撤退を求めるなど、バイデン大統領への撤退圧力が強まっていた。
◆これでトランプが次期大統領当選は確実だねえ。銃ショット事件もトランプに味方するだろう。私のトランプへの唯一の期待は、『俺が大統領になったら、ウクライナ紛争を直ちに解決する』と断言している点だ。まあ、やれるものならやってみろという気持ちが半分だがね。でも、本当に紛争を解決したら、それこそ世紀のアメリカ大統領として歴史に名を残すだろう。
トランプは裁判訴訟を多いっぱいえている。がアメリカの憲法では、裁判で刑罰決定者が大統領に就けないという条項はないそうだ。アメリカ史上初の『反罪人大統領』にもなるかな、トランプは。