今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネンのホステルで出会った韓国美人』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂高から難関ジャンダルムを超え西穂高にトライする麻莉亜』。そして、私が歩いたサンチャゴ巡礼路『ピレネー超え④』です。真っ青な空のもと、イバニェタ峠を超えて、いよいよスペイン領に入ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『ただ立会い人の件のみ、なにとぞおねがいいたします』

『その立会い人だが・・・』

と清左衛門は言った。

 

『わしより、もっと試合の見巧者というか、立会い人にふさわしい人間がほかにいるではないかな。例えば平松与五郎、土橋謙介・・・』

『いや・・・』

中根は手を上げて遮った。その姿勢のまま少し考えこむような顔をしてから言った。

『今度の甚之丞との試合では、思わぬ技を使うことになるかも知れません。ゆえに、立会い人は何とぞ三屋さまにおねがいいたしたいのです』

 

町奉行の佐伯熊太が、内密に会いたいという使いをよこしたので、清左衛門は花房町の『涌井』を指定した。

『涌井』に着くと、おかみのみさがすぐに言った。

『今日は、お一人ですか』

『いや、後で奉行どのが来る』

 

清左衛門がそう言うと、みさは身をひるがえして案内に立った。そして密談が出来る奥の部屋に

案内してから、また言った。

『今度はお一人でおいでなさいまし』

『一人だと、何かいいことでもあるかの』

清左衛門がからかったが、みさはその軽口には乗ってこなかった。首を振って、いいえと言った。

 

『ちょっと、ご相談したいことがありますもので』

『面倒な相談か』

『いいえ、そんなにむつかしいことはありません』

 

 

みさは笑顔を見せたが、その笑いは清左衛門には少しとってつけたように見えた。どうやら『涌井』のおかみは、胸に何かしら屈託を抱えているようでもあった。

 

■■<TSMCとは何者かⅡ 『厳しい情報統制』>TSMCと取引が長い台湾最大手の材料商社『崇越集団』トップの郭智輝はさらに、25年前の出来事を振り返った。99年、震度7相当の揺れが台湾を襲った。TSMCの工場も被害を受けた。崇越はこの時、停電して真暗の中、発災から2時間で工場に駆け付けた。他にも多くの取引先が人手を繰り出し、工場は1カ月も経たずに再開した。今年4月の震度6強の地震でも、同じ現象が起きた。

 

崇越がTSMCに駆け付けるのは災害時だけではない。日頃もTSMCの工場に何かあれば飛んでいく。以前は呼び出しから2時間以内。今は現地に常駐する社員が30分以内に対処する。

 

なぜ、そこまでするのか。半導体への情熱か、台湾の基幹産業を担う誇りか。郭に問うと、一言で返ってきた。『お金だよ』。そういう契約だ、という。TSMCが稼ぎ出した富は、台湾のサプライヤーを潤す。だから、その『指示』にも従う。

 

TSMCの担当者が電話口でささやくこのひと言は『説教』の合図――と、あるサプライヤーは明かす。メディアに何等かの情報を伝えたことが知られると、指導されるという。

 

今年2月、日本第1工場(熊本県)の開所式典に、創業者の張忠謀が出席した。この情報を事前に台湾メディアが報じると、直ちにサプライヤーに対して一斉にメールが送られたという。あるサプライヤーは『犯人捜し』だと受け取った。

 

TSMCは世界の覇権の鍵を握りながら、メディアをはじめ、表舞台に登場することはない。製品に社名も刻印されず、黒衣の存在を貫く。ベールに包まれたTSMCの片鱗を求めて、証言を集めた。

 

■■<米山隆一議員、石丸伸二の選挙ポスター代金未払敗訴『最高裁までもっていくのは嫌がらせ』>立憲民主党の米山隆一衆院議員(56)が9日、X(旧ツイッター)を更新。都知事選に立候補して落選した石丸伸二氏の広島県安芸高田市長時代の選挙ポスター費用をめぐる裁判について言及した。

 

2020年、広島県安芸高田市長選で初当選した石丸伸二前市長から、選挙ポスターの製作を受注した広島市の会社が、代金の未払いがあるとして石丸前市長に約72万円の支払いを求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は5日付で、石丸前市長側の上告を受理しない決定をした。そして石丸前市長に約72万円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。

 

米山議員は『裁判で争うこと自体は否定されませんが、この手の商取引の支払い訴訟で、一審二審で負けたのに最高裁までもっていくのはただ単に意地になって相手に嫌がらせをしているだけ』と私見を披露。さらに『ネット広報の波に乗った手腕は認めますが、行政トップにしていい人とは到底思えません』とつづった。

 

一、二審判決によると、石丸前市長と会社側は20年7月に契約を結んだ。当時、報酬額に関するやりとりはなく、会社側は同8月、報酬額を約102万円とする見積書を送付した。が、前市長からは公費負担分の約34万円のみが支払われた。

 

石丸前市長側は報酬が公費負担で収まるとの合意があったと主張。昨年5月の一審広島地裁判決は、そのような合意があったとは認められず、会社の見積額には相当性もあるとして、石丸前市長が支払い義務を負うと結論付けた。同12月の二審広島高裁判決も支持した。

 

◆依頼した印刷代を払わないなんて、まるで詐欺師だねえ、石丸って。こんな男を都知事ししていいのかえ、石丸に投票した160万人の東京都民の皆さんよ。なんとも『あほらしい』裁判だ。一体石丸は何をもって印刷代をケチったのだろうか。こんなけち臭い輩が、市長を務めた安芸高田市の人達に同情するねえ。単に、あれこれ騒ぎを起こして、市の行政の品質が上がったとは到底思えないからだ。東京都民も、ネットだけで人品を左右するのでなく、もっと一歩突っ込んで人品を質す姿勢がほいいねえ。この記事、もっともなり、だねえ。

 

■■<富士山山開きから2日間で3人が死亡…77歳男性が登山道で心肺停止>7月10日、富士山御殿場口の登山道で、77歳の男性が心肺停止の状態で倒れているのが見つかり、静岡県警の山岳遭難救助隊が救助したが、その後死亡が確認された。富士山の静岡県側は10日に山開きをしたが、わずか2日間で合わせて3人が亡くなったことになる。

 

警察によると、10日午後5時過ぎ、富士山御殿場口八合目の登山道で、うずくまっている男性を下山中の登山客が見つけ、山小屋に連絡、山小屋の従業員が警察に通報した。現場に駆け付けた静岡県警の山岳遭難救助隊が心肺停止の状態の男性を発見し、翌11日午前救助したが、死亡が確認された。救助当時の現場の最大瞬間風速は40メートルから50メートルだったという。

 

亡くなったのは東京都狛江市の無職の男性(77)。警察によると、男性は10日、富士宮口五合目から登山を始め、11日に戻ってくる予定だった。男性は登山のための服装や装備を身に着けていて、外傷はないということだ。

 

富士山の静岡県側は10日に山開きしたが、山頂剣ヶ峰付近から滑落した40代~70代とみられる男性が死亡したほか、11日には富士宮口七合目付近の登山道で意識不明の状態で倒れていた60代の男性の死亡が確認されるなど、わずか2日間で3人が犠牲となっている。

 

◆私は毎夏、山歩き遠征をする。ほぼ北アルプスが多いが、昨年は北八ヶ岳にも足を伸ばしたし、それまでに西沢渓谷とか、西東京のレンゲショウマが群生する御嵩山にも上った。だが、決して富士山だけは登ろうとは思わない。私の山歩きの鉄則の第一は、自分の体力に合わせて、1日800m以上の標高差にはチャレンジしないということだ。例外的にピレネーを超えた時が1,400m、奥穂高に登った時が上高地かっぱ橋から涸沢まで900m登ったのが唯一の例外。

 

そして第2は、高山植物が楽しめる登山道だ。富士山はこの2つの要件を満たしていないので、スキップなのだ。第一、登山道が岩や石がごろごとして楽しくない。

 

その点、アルプスは軽快だ。今年は2度目の立山と白馬を歩く予定だ。立山は富山から直通バスで標高2,400mの室堂まで一気に登れる。立山山頂まで600mの標高差であり、私が宿泊する雷鳥沢ヒュッテからは一の越まで斜めに上る花道があり、これで十分な花の楽しみが得られる。白馬は、たとえば唐松岳は、ゴンドラで1,840mまで上がり、頂上2,695mまでの標高差は800m。私の登山要件にマッチするし、なにせ高山植物の宝庫で、とりわけ固有種、ハッポウミヤマセンブリに出会えるのがとっても楽しい。

 

というよな次第で生涯富士山には上ることはない。富士山で命を落とされた方々のご冥福をお祈りします。