今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『アルターブルネンの花』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂高から難関ジャンダルムを超え西穂高にトライする麻莉亜』。そして、素晴らしき花『梅雨のアジサイⅦ』です。雨露がアジサイの花を引き立てています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『わしも桃の花でも持って行くか』

清左衛門が言うと、里江が訝し気にどこへいらしゃいますか、と言った。

『「涌井」だ。あれっきり行っておらんからな』

『お出かけは夕方ですか』

『そうだ』

 

『それならまた、菓子折でも支度しましょう。桃の花だけでもおかしいでしょうから』

と里江は言った。清左衛門が雪のために一泊した翌日、里江は婢を使いにやって『涌井』に菓子を届けたと聞いている。

 

里江が、不意にこちらの顔色を見定めるような奇妙な笑顔で、清左衛門を見た。

『「涌井」のおかみは、きれいな方だそうですね』

『まあまあだろう』

 

『でも、雪はもう降りそうにもなくて、残念ですこと』

『べつに残念なことはない。何を言うか』

と清左衛門は言った。少しうろたえていた。

 

朝目ざめてみると何の痕跡も残っていなかったが、あの夜床の中に人が入って来たのは、やはり夢ではなくみさだったに違いない、と清左衛門は思っていた。

みさが、凍えたわしをあたためてくれたのだ、と思おうとした。

 

しかし小さな気がかりが生まれたようでもあった。と言ってもその気がかりは小木慶三郎に対するそれとは違って、中に心たのしいものが含まれているように清左衛門には思われた。

 

■■<朝日歌壇>

 満州を青酸カリ持ちて生き延びし

   叔母102歳でみまかりたもう (横須賀 女性)

 冨岡の製糸場の壁面に 

   残りおり職人の計算数式 (安中 男性)

 種もみを等間隔に打ち込みて

   田植え仕事をドローンが担う (千葉  男性)

 水槽を悠然と泳ぐアロワナは 

   古代史を語る賢者のごとし (川崎 女性)

 背の伸びる音の聞こえてきそうな子

   われより大きくなった足浦 (奈良 女性)

 

 牧草の芽はさみどりに整いて

   岬は梅雨を迎える気配 (三浦 男性)

 夕日さし輝く二十五メートル

   両手でつかんで泳ぐ (稲沢 男性)

 雨あがりハノイは温き宵の口

   天井を歩く大ヤモリ鳴く (朝霞 男性)

 ダンゴムシはツノがあるのに優しいと

   そっとつまんで見入る三歳 (福山 女性)

 春うらら大潮ならば靴ぬぎて

   ゆっくり渡る小島の磯に (富士宮 男性)

 

■■<『円下落161円・下』、買えない米国産牛肉>円の購買力低下によって、日本が海外からエネルギーや食料品を買う際の割高感は増す。日銀の企業物価指数によると、円ベースの輸入物価指数は5月に前年比6.9%上昇した一方、ドルなど契約通貨ベースでは3%下がった。円安による輸入コスト押し上げ分が大きく、国際価格低下の恩恵を受けられない。

 

みずほリサーチの試算によると、円相場が1ドル=160円で推移した場合、物価高対策を加味しても1世帯当たりの負担は前年に比べて平均9万円増えるという。家計が節約志向を強めれば個人消費の抑制につながる。円の購買力低下は他国に『買い負ける』事態も引き起こす。

 

牛丼に使われる米国産牛バラ肉の調達が難しくなっている。生産減少を理由に現地生産者の提示価格は1年間で3割上がった。日本の輸入業者は円安によるコスト増もあり、ついていけない。双日食料は『他の国が持っていってしまう』と話す。1~4月の米国からの牛肉輸入量は前年比2割減となった。

 

実質実効為替レートの低下は国内の輸出競争力にはプラスに働く。ただ生産拠点の海外移転で恩恵は小さくなった。

 

岸田首相は6月21日の記者会見で物価高対策として電気・ガス代の補助を8~10月に追加実施すると発表した。こうした施策は一時的に消費を下支えする効果はあるが、長期的な円の購買力低下に起因するインフレを解決できない。

 

■■<川重裏金事件・上、防衛産業『たかりの構図、ゲーム機・家電・おそろいTシャツ』>防衛産業の不祥事が繰り返される中、川崎重工業と海上自衛達をめぐる癒着が明らかになった。潜水艦乗組員らの要求に応じて物品の購入を続けてきた背景には、何があるのか。防衛費が大幅に増えていく曲面で、川重の裏金作りが波紋を広げている。

 

川重はこれまでも税務調査を受けてきたが、下請け企業を通じた裏金作りが発覚することはなかった。大阪国税局による今回の調査では、乗組員らの要求に応じて数多くの物品が購入されていた疑いが浮上している。架空取引で捻出されたとされる裏金は、どのように物品の購入に充てられていたのか。

 

複数の関係者によると、各潜水艦の取りまとめ役が乗組員らの希望をリストにして川重の修繕部に連絡していたという。そのリストに基づき、修繕部や下請け企業が裏金を使って物品を購入した後、修繕部から各潜水艦の担当者にまとめて渡したとみられる。

 

川重の広報は取材に対して『商品券やトルクレンチ、ワイヤロープ、ヘッドライト』などと説明している。国税局が確認したところ、乗組員らが自宅で使うテレビや冷蔵庫、電子レンジなどのほか、家庭用ゲーム機『ニンテンドースイッチ』や釣り道具など多岐に渡る物品が含まれていたとされる。上官が部下に贈るための家電製品や、70人の乗組員全員分の『おそろいTシャツ』も含まれていたという。

 

乗組員らへの飲食接待費にも裏金は充てられていたとされる。各潜水艦が定期的な点検や修理を川重の神戸工場で受ける際、乗組員らは神戸市内にある川重の宿泊施設『海友館』などに数カ月単位で滞在しながら、同社の社員と共同で作業する。その期間、修繕部門が乗組員らを飲食接待するなどしていたとみられる。

 

潜水艦建造の発注などに関わらない乗組員に対し、川重が物品や飲食の費用負担を続けてきた理由は何なのか。ある関係者は、海自側による『たかりの構図ではないか』とみる。

 

防衛省はどう受け止めているのか。取材に応じた関係者は『潜水艦内で使うパソコンや洗濯機はどを川重側にリクエストすることはあるが、艦内の備品、修繕費などの予算内という位置づけだ』とする。一方、裏金が使われていたかどうかは『こちらでは分からない』と話した。

 

◆防衛大臣の更迭は間逃れないな。ひどい防衛省、海自ではあるなあ。本当にびっくりだ。民間同士でもこんなことはやってないのになあ。