今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ラウターブルネンのダリア』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、奥穂高から難関ジャンダルムを超え西穂高にトライする麻莉亜』。そして、季節の花『アジサイⅥ』です。光を利用して、撮りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『ここを目がけて来たのだ。危うく行き過ぎるところだった』

と清左衛門は言ったが、痺れは口の中まで入りこんで、うまく舌が回らないのを感じた。

 

清左衛門は男物の褞袍を着せられ、おかみの情夫のように茶の間の火燵に招き入れられた。もっとも今夜の『涌井』は、1人の客もなく店をしめたということで、清左衛門の恰好を見咎める者は誰もいなかった。

 

『熱燗にしましたから、一杯召し上がれ。これであたたくなりますよ』

大急ぎで酒の肴をととのえ、酒をはこんで来たみさが言った。大雪の中を訪れたたった1人の客を歓待するつもりらしかった。

 

『まあ、褞袍がよく似合いますこと』

みさはくすくすと笑い、清左衛門に酒をすすめながら、後で六助に送らせるから、心配せずに飲めと言った。六助は夫婦で『涌井』に奉公している頑丈な年寄りである。

 

『いや、助かった。今夜はもう少しで行き倒れになるところだったな』

と清左衛門は言った。少し酒が入ってようやく人心地がついた気分になっていた。

しかしその夜、清左衛門は酔いつぶれて『涌井』に泊まった。敷いてもらった床に這いこんだのはおぼえているが、あとは泥のような眠りに押し流された。

 

ただ、夜中に一度清左衛門は眼がさめた。つめたい風が顔の上を吹き過ぎたと思うと、襖がしまるかすかな音がし、やがて床の中にあたたかくて重いものが入りこんで来た。あたたかくて重いものは、やわらかくて清左衛門にからみつき、そのままひっそりと寄りそっている。

 

とてもいい匂いがした。

――夢にちがいない。

と清左衛門は思い、また眠りに落ちた。

 

■■<川崎重工業 潜水艦修理で架空取り引き 『裏金を飲食などに流用』>川崎重工業は、海上自衛隊から請け負った潜水艦の修理で、取引先企業との間で架空の取り引きを行い、捻出した裏金を飲食などに不正に流用していたと発表した。裏金は10数億円にのぼり、会社は特別調査委員会を設置し、調査を進めているとしている。

 

川崎重工業によると、海上自衛隊から請け負った潜水艦の修理や検査を行う神戸工場の担当部門で、取引先企業との間で架空の取り引きを行い、裏金を捻出していたということだ。捻出した裏金は10数億円にのぼり、少なくとも6年前から飲食や物品の購入などに不正に流用していたとしている。

 

また、裏金の流用は、川崎重工業の担当部門の従業員と潜水艦の乗組員によって行われていた疑いがあるということだ。ことし2月に大阪国税局からの指摘で明らかになり、会社は、およそ6億円の法人税の修正申告を行うとしている。一方、会社は、防衛省への過大請求は今の時点で確認されていないとしている。

 

会社は、6月14日に、外部の弁護士による特別調査委員会を設置し、調査を進めている。川崎重工業は『関与した人、流れ、背景についてわかっていないことも多く、特別調査委員会を通してしっかり解明したいと考えています。本件を重く受け止め、真相解明とあわせてコンプライアンス、ガバナンス強化に向けて体制改善に努めてまいります』とコメントしている。

 

◆川崎重工業が海上自衛隊の潜水艦乗組員らに対し、下請け企業との架空取引で捻出した裏金を使って物品や飲食代を負担していたとされる問題で、裏金作りは約20年前から始まった疑いのあることが関係者への取材でわかった。数年前からは下請け6社を通じて年間1億数千万円を捻出していたといい、大阪国税局が詰めの調査を進めている。

 

川重が建造した海自の潜水艦は12隻あり、同社の神戸工場(神戸市中央区)の造船所では修繕部が定期的に修理などを行っている。

 

関係者によると、修繕部は下請け企業に架空取引への協力を求め、支払った代金を下請け側にプールさせていたとされる。そうした裏金作りについて、川重側は約20年前から始まったと国税局に説明しているという。潜水艦の幹部自衛官から一般の乗組員まで多数の海自隊員に物品や商品券を購入して渡したり、飲食接待したりするために裏金が使われていたとみられる。

 

◆川崎重工はあ、明治の時代『川崎正蔵』が東京・築地に造船所を創業したことに端を発している。その後関西の拠点として神戸造船所を建設。砂浜にドックを建設する苦労話をテレビで見たことがある。川重は、オートバイ、航空機、鉄道車両、船舶などの事業を手掛けており。各事業部は独立国的な経営を行っている。かつて不祥事があった際も、この持病部整の風通しの悪さが、企業経営の不健全さを助長したとあった。今回の裏金は、防衛庁接待への原資ねん出工作だが、正面切って会社の経費で落とせないほど巨額だったのか、または他の事業部との背比べで突出していたのか、不明だ。東芝のダイナブック不正にも似ているなあ。だが、こんなつまらん不祥事を起こす川重って、一体なんだよなあ、川崎正蔵さんよ。

 

■■<電動比率トヨタ超え『フェラーリHV快走』>イタリアの『跳ね馬』フェラーリの株価が快走している。時価総額は17兆円と2016年のミラノ上場時の10倍超になり、クルマ業界では米テスラ、トヨタ自動車に次ぐ。強みは甲高い音を轟かせるスーパーエンジンだが、注目材料は他にもある。ハイブリット車HVなど電動車の販売比率がHVシェア世界首位のトヨタを上回ることだ。

 

『ス―パーセブン』。米シティグループは今年、値上がりが期待できる欧州株7銘柄をこう名付けた。オランダASMLや仏LVMHなどとともに、フェラーリも選ばれた。選定基準の軸は利益率、成長力、参入障壁の高さという。

 

創業から77年のフェラーリはスポーツカーやレースでの知名度が高い。初値で1兆円台だった時価総額は10倍を超え『テンバガ-株』になった。時価総額はテスラ(101兆円)とトヨタ(51兆円)に次いで自動車業界では3位だ。

 

好評価の背景には超富裕層のステータスカーとしての絶対的な地位と、高い採算性にある。23年12月期の売上高は59億ユーロ(9,000億円)、純利益は12億ユーロ(1,900億円)と過去最高を更新した。1台当たり純利益は1,400万円で一般的な量産メーカーの30~50倍以上だ。

 

イタリアの本社工場では『e-ビルディング』という生産拠点を新設した。ここではエンジン車やPHV、EVを柔軟に生産できる仕組みを導入する。26年にはEVも含めた電動車比率を60%に高める。

 

『フェラーリのブランド価値は伝統と革新』。電動化を見据えてスイスの半導体大手から転身し、21年に就任したベネデット・ピーニャCEOは述べる。足元の予想PERは30倍と高いが、電動車への備えと強力な顧客層を前提にすれば、跳ね馬ブランドの潜在力はEV時代でも決して低くない。

 

◆すごい跳ね馬、フェラーリなり、だなあ。ヴィトンの躍進などは仄聞していたが、フェラーリのものは初めてだ。それにしても、すごい!ブランド経営の極致だねえ。

 

■■<お多福G『代替肉開発』>広島の『お多福グループ』は、『マイコプロテイン』と呼ばれる『代替肉』の開発に乗り出す。宗教上の理由などで肉を食べらられない人のニーズなどを見込み、飲食店向けに2030年から販売を目指す。

 

『マイコプロテイン』は菌類由来のタンパク質。計画では、米のタンパク質でこうじ菌を培養させて作る。食酢製造のお多福醸造(三原市)が、こうじ菌を培養する機械や乾燥機などを本社の工場に設け、8月から試作する。

 

お多福醸造は量産に向け、マイコプロテイン製造の特許技術を持つバイオベンチャーの『アグロルーデンス』(東京)の指導を受ける。

 

代替肉は消費者の健康意識や採食主義の広がりで浸透しつつある。畜産で出る温室効果ガスの削減など、脱炭素の取り組みに位置付ける企業もある。

 

オタフクソースは『宗教上の理由などから肉が食べられない人にも提供できる。マイコプロテインはうまみ成分が豊富なのでおいしさも追及したい』としている。

 

◆『代替肉』ねえ。イスラムなどの食生活には大きく寄与しそうだねえ。お多福も『お好み焼きソース』だけでは、日本制覇、世界制覇はむつかしかろうからな。