今日の画像は、スイスアルプストレッキンのスナップ『ミューレンからの下山道の高山植物、ウメバチソウやミヤママツムシソウ』、北大路欣也主演の『藤沢周平原作・三屋清左衛門残日録』、徳島県の岩島・大辰巳島の『前人未踏の辺境クライミングルートを登る麻莉亜』、新しく市内の路面電車がJR広島駅2階に直通する『新線・乗り入れ高架線路』。そして、色鮮やかなる『ヤマブキ』、『ツルニチソウ』、『クサボケ』です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■■『小木慶三郎から、再婚の許可願いが出ておる。このことは、そなたらも聞いておろう』

『はい、ざっとは耳にいたしております』

『今度の嫁は、宮内外記の娘だ』

と藩主は言った。そう言った時、面長で柔和な藩主の顔にちらと不快そうないろがうかんだのを清左衛門は見た。

 

宮内外記は組頭である。家禄は450石と少ないが、時には藩の執政も出して来た家柄だった。対する小木慶三郎は、藩主のおぼえめでたい御近習組の古参で、将来の立身は間違いないとみられている才人だが、家禄は100石だった。藩主はそのあたりに気持のひっかかりとおぼるのかも知れなかった。

 

はたして藩主は言った。

『宮内の娘も出戻りで、それでまとまった縁談だというが、少々身分が違いすぎる。三屋もおぼえておくとよいが、身分は軽々に扱うべきものではない』

 

『重々、肝に銘じておきます』

『小木が、前の連れ合いを離縁したわけは聞いておらぬか』

『諸説がありますが・・・』

清左衛門は慎重に言った。

 

『小木慶三郎本人は、母に孝ならずと申しております』

『姑と肌が合わなかったということだな』

『そのようにございます』

 

『よくある話だ。近頃は若い者のしつけが足らぬらしい』

藩主は思案顔にそう言ったが、さらに諸説とは何だと言った。

『ほかの者はどう言っておるか』

 

清左衛門は膝に眼を落とした。小姓組の同僚がささやいていること、ことに御小納戸の鈴村武四郎が言ったことを、藩主に話してしまいたい衝動が強く胸に動いた。

 

■■<ポイント経済、勝者は誰だ⑤ 『3重取りを狙うポイ活』>『気付いたらこんなに増えていました』。東京都の主婦、中野めぐみ(43)が得た楽天グループの『楽天ポイント』は約6年で120万円相当になった。食費や子供の教育費がふくらむ中、手っ取り早く収入を増やそうと2018年から『ポイ活』を開始。買い物などに使えるポイントをためれbば、生活費を抑えられる。100円の買い物も、支払額100円当たり1ポイントを付与するクレジットカード『楽天カード』で払い、着実にポイントを得てきた。

 

中野が常に模索するのが『3重取り』。ネットショッピングは必ずポイント専業者が運営するポイントサイトを経由し、各電子商取引ECサイトに入る。ポイントサイトとECサイト、クレカ決済でそれぞれのポイントを得れば、還元率が合計8%になることもある。

 

『ポイ活は少しの工夫で、すぐ効果が出る』。還元率が10倍など高まる時は、息子の服や自分の肌ケア用品、ウイスキーなど急ぎでないものをまとめ買い。1カ月で1万円超、年間20万円弱とたまる分が膨らんだ。

 

『ポイントならゲーム感覚で運用できる』。都内で働く41歳の会社員男性は、数年前からポイントが投資信託やビットコインの変動に合わせて増減するサービスを使う。株式なども実際に運用するが、値下がりリスクは気になる。その点、ポイントなら『そもそも「おまけ」。損することもない』。値動きが激しく、実際には買いにくいビットコインも楽しめる。

 

■■<消えゆく『ANラジオ、13社が休止』>近い将来、AMラジオが聞かれなくなるかも知れない。全国にある民放AMラジオのうち、山口放送など13社が2月から順次、AM放送を休止して影響を調べる実証試験を始めている。より低コストのFM放送への転換を視野に入れており、AM放送はそのまま廃止に至る可能性も。1925年にAMで歩み出したラジオ放送。100年の節目を前に一つの時代が終わろうとしている。

 

『ラジオは家の真ん中にあり、家族で楽しむメディアだった』。日本ラジオ博物館ではこう語る。放送技術の進化とともにやがて聞き方は変容。53年のテレビ放送開始後、しばらくすると家庭の娯楽の中心はテレビとなり『ラジオは1人で聞くものに』。それでも長寿番組『オールナイトニッポン』のような若者文化の担い手が生れ、音がきれいなFMラジオの放送も始まった。

 

ラジオの時代を切り開いたAM放送の逆風となったのは、近年のラジオ離れと設備の老朽化だ。AM放送は放送設備が大掛かりで、老朽化に伴う更新費用もFMの50倍にものぼる。

 

休止実験は最長で来年1月までで、その後の対応については『各社の意向次第』だ。AM時代が終焉を迎えつつある一方で、ラジオの新たな聴き方も広がっている。『AMのざわざわした感じが懐かしい』。中学生の頃にAM放送をよく聴いていたという東京都の女性(38)は最近、インターネットでラジオ番組が聴ける『radikoラジコ』を楽しんでいる。

 

ラジオに詳しいライターのやきそばかおるさん(49)は、ネットで音声を配信するポッドキャストは音質が良く、過去の番組も簡単に聴けるため『若者はうまみを感じている』と指摘。未来にラジオ文化を受け継ぐため『まだ改善できる点がある』と力説した。

 

◆時代ともに、社会やメディアは大きく変化するねえ。AMラジオの低調もさることながら、新聞の崩壊状況はすさまじい勢いだ。この10年で、発行部数が半減したのは、朝日、毎日、西日本だ。日経新聞も半減したが、ネット配信を伸ばして、合計すると▼16%と健闘している。

 

■■<変貌する『ライオンズマンション』>かつて各地に数多く建設され、ファミリー層の憧憬だった『ライオンズマンション』が、イメージを一新して巻き返しを図っている。販売と手がけるのは不動産会社『大京』。2000年代半ばまで長年、業界トップを走ってきた『王者』の復活はなるか――。

 

◆『ライオン像撤去』 東京の一大ターミナル駅の池袋から徒歩10分の街中に立つ『ザ・ライオンズ池袋』。玄関ホールやラウンジにアートが点在し、台所や洗面台には御影石が使えれている。

 

3LDKは1億2千万円以上。40~50代のDINKSや富裕層が購入しているという。ライオンズマンションの象徴だったライオンの像は置かれていない。

 

ライオンズマンションの第1号は1968年に東京・赤坂に建てられた。赤レンガ調のデザインは70年代から多くで採用され、ライオンズ像も家族や住まいを守るという思いが込められている。以来2006年まで30年間業界首位を守った。

 

しかし、80年代後半にゴルフ場やホテルなどに投資して負債が増え、バブル崩壊後に不良債権化した。05年からオリックス主導で経営再建を進め、マンション管理に軸足を移した。新築の分野では他社に後れをとった。次第にブランド力も落ちた。

 

21年に事業戦略の見直しに向けたプロジェクトが発足。昨春、ブランド名を『ザ・ライオンズ』に変えた。顧客のターゲットもファミリー層から高所得の共働き夫婦に変えた。建物のデザインやセンス、環境性能にこだわり、支持を得たい考えだ。

 

世田谷区八幡山で昨年12月に着工した物件は、全住戸でエネルギー消費量を実質ゼロにする『ゼロエネルギーハウスZEH』の基準を満たす。『新しい暮らし方をリードしていけるようなブランドにしたい』と意気込む。

 

◆大京の挫折は成長企業によくありがちな、多角化投資とバブルの崩壊だ。広島でも初期におおくライオンズが建てられたが、ここ20年、新築の話は聞かない。マンションはブランドによって、中古住宅の価値が棄損する。一般的んは、『もうライオンズいや』という空気が流れているだろうなあ。それほど、三菱地所や三井不動産とは大きな差がついてしまった大京ではある、な。今、大京は穴吹とジョインしているのではないかな。負け組合体は成功するか、な。